昨日(12/6付)の産経新聞夕刊(大阪本社版)「新関西笑談」、奈良ソムリエのお宝話(5)の見出しは《『点と点を線でつなげ』日帰り客を宿泊客に変えたい。》でした。奈良市の人は「大阪や京都に近いから泊まってくれない」、吉野郡の人は「遠いから来てくれない」と言います。私はどちらも間違いだと思います。周遊してもらえるルートやプランを提案できていないし、何より「泊まる楽しみ」「宿の素晴らしさ」を伝えていないのです。以下、全文を紹介します。
※トップ写真は、奈良女子大学の公開講座(6/22)
―南都銀行に勤務するサラリーマンでありながら、奈良通ならではの情報ブログが人気の理由は何だと思いますか
鉄田 みんなが知っている情報をなぞるのではなく、新しいもの、珍しいものを紹介するから人気があるのだと思います。自分なりの視点で、自分が発掘したものを世に出したいという考えで書いています。
―現状の奈良の観光事情について思うところは
鉄田 日本の国内総生産(GDP)に占める観光産業の割合は約6%ですが、奈良県は3%未満だそうです。観光県といわれながらも、宿泊客は少なく、お金が落ちていません。しかし、単純に宿泊施設を増やしたらいいというわけではありません。
―何が必要なのでしょうか
鉄田 宿泊してもらえる観光ルートやプランをきちんと作って、提案する必要があると考えています。たとえば吉野町は明日香村に隣接していますが、県外の人にはほとんど知られていません。吉野町で一泊した次は明日香村で観光して、その次も一泊して斑鳩町の法隆寺を観光してもらうなど、点から点を線でつなぐルートを考えれば、観光客は自然に泊まってくれるはずです。
―奈良は、奈良市だけでなく魅力的な町や村がたくさんあります
鉄田 奈良市の人は「大阪や京都に近いから泊まってくれない」とぼやき、天川村や十津川村の人は「遠すぎて来てくれない」と不満の声を上げます。でもどちらも間違いなんです。点と点をうまくつなげてないのです。
帯解寺での「ナント・なら応援団」の事前説明会(2011.11.4)
―個人的にお気に入りの場所はどこですか
鉄田 今年の夏は山添村で一泊しました。イワクラと呼ばれる巨石を巡り、おいしい野菜や鶏、卵などの地元料理を農家の民宿で堪能しました。また天川村には旅行サイトで全国1位を取った民宿があります。1泊3食付きで約8千円。夜は満天の星を眺めながら寝転び、翌日は民宿で作ってもらったおにぎりを持って山を登りました。これは最高でしたね。
―奈良には見どころがたくさんあるわけですね
鉄田 そんな情報をどんどん全国に発信していきたいです。特に県南部。私は和歌山県出身なので、自然と奈良県を南から見るんです。一番親しみを感じるのは吉野郡の山々。吉野が一番好きです。
―観光振興を目的にした観光企画室の仕事にも結びつきますね
鉄田 南都銀行が観光企画室を設けたのは、奈良への旅行者や宿泊者を増やせば銀行にもお金が回ってくると考えたからです。私はそれとシンクロする格好でブログを立ち上げ、情報発信に努めてきました。
「ならどっとFM」で、羽原あき子さんと(9/26)
―11月21日で定年退職、その後は再雇用の勤務形態になりましたが、時間的な余裕は増えましたか
鉄田 週4日勤務で少し休日が増えましたが、講演やガイドの依頼が山のようにきています。ゆっくりするよりも、むしろ逆に忙しくなりそうです。
―最後に、活動を通した今後の夢を教えてください
鉄田 オフシーズンにもっとたくさんの観光客に奈良県へ足を運んでもらい、有名な観光地以外にも泊まってもらえるような土地になってほしいです。奈良は世界でもまれな場所で、日本の聖地です。見るべき所が本当にたくさんあります。ヨーロッパにも優る古い文化が残っているので、その魅力を存分に知ってもらいたいですね。(聞き手 植木芳和)
徳島市で一泊したときのこと。夕食が半ばを過ぎた頃、仲居さんが「徳島には美味しい名物料理がありません。しかし、これで済ませては皆さんに失礼ですので、せめて徳島名物・阿波踊りを見ていただきます」と言って、三味線の生伴奏つきで、2人の仲居さんが見事な阿波踊りを披露されました。拍手喝采で、これは6日間のツアーで最も印象に残るシーンとなりました。徳島県の山中でも、地粉で打った素朴な刻みうどんをいただきました。ほのぼのと心を打つ味で、2杯もいただきました。
旅行者は、このようなものに感動するのです。国宝や重文にあぐらをかいてはいけませんし、逆に、国宝も重文もないと悲観することもありません。なお記事に登場する山添村の民宿は「里舎(みちのりのやど)」、全国一となった天川村の民宿は「民宿あおば」です。どちらも素晴らしいお宿です。
全5回、全国紙に大きなスペースを割いていただき、深く感謝しています。これが奈良県版でなく、大阪本社版というところが有り難いです。先日、「tetsudaさんは、奈良はうまいものばかりとおっしゃっていますが、それは東京の人にも伝わっていますか?」と問われ、膝を打ちました。早速、日本橋・三越前の「奈良まほろば館」で、奈良のうまいものとうまい地酒のセミナーをすることにしました(来年の2月24日)。美味しい地酒のミニボトルも進呈する予定です。
私の活動はまだまだ道半ばですし、1人では何もできません。会社やNPOの力を借りながら、日本の聖地・奈良を大いにアピールしてまいりたいと考えています。そのためにも、1人でも多くの方に当ブログを知っていただき、読んでいただきたいと思っています。引き続き、当ブログをよろしくお願いいたします!
※トップ写真は、奈良女子大学の公開講座(6/22)
―南都銀行に勤務するサラリーマンでありながら、奈良通ならではの情報ブログが人気の理由は何だと思いますか
鉄田 みんなが知っている情報をなぞるのではなく、新しいもの、珍しいものを紹介するから人気があるのだと思います。自分なりの視点で、自分が発掘したものを世に出したいという考えで書いています。
―現状の奈良の観光事情について思うところは
鉄田 日本の国内総生産(GDP)に占める観光産業の割合は約6%ですが、奈良県は3%未満だそうです。観光県といわれながらも、宿泊客は少なく、お金が落ちていません。しかし、単純に宿泊施設を増やしたらいいというわけではありません。
―何が必要なのでしょうか
鉄田 宿泊してもらえる観光ルートやプランをきちんと作って、提案する必要があると考えています。たとえば吉野町は明日香村に隣接していますが、県外の人にはほとんど知られていません。吉野町で一泊した次は明日香村で観光して、その次も一泊して斑鳩町の法隆寺を観光してもらうなど、点から点を線でつなぐルートを考えれば、観光客は自然に泊まってくれるはずです。
―奈良は、奈良市だけでなく魅力的な町や村がたくさんあります
鉄田 奈良市の人は「大阪や京都に近いから泊まってくれない」とぼやき、天川村や十津川村の人は「遠すぎて来てくれない」と不満の声を上げます。でもどちらも間違いなんです。点と点をうまくつなげてないのです。
帯解寺での「ナント・なら応援団」の事前説明会(2011.11.4)
―個人的にお気に入りの場所はどこですか
鉄田 今年の夏は山添村で一泊しました。イワクラと呼ばれる巨石を巡り、おいしい野菜や鶏、卵などの地元料理を農家の民宿で堪能しました。また天川村には旅行サイトで全国1位を取った民宿があります。1泊3食付きで約8千円。夜は満天の星を眺めながら寝転び、翌日は民宿で作ってもらったおにぎりを持って山を登りました。これは最高でしたね。
―奈良には見どころがたくさんあるわけですね
鉄田 そんな情報をどんどん全国に発信していきたいです。特に県南部。私は和歌山県出身なので、自然と奈良県を南から見るんです。一番親しみを感じるのは吉野郡の山々。吉野が一番好きです。
―観光振興を目的にした観光企画室の仕事にも結びつきますね
鉄田 南都銀行が観光企画室を設けたのは、奈良への旅行者や宿泊者を増やせば銀行にもお金が回ってくると考えたからです。私はそれとシンクロする格好でブログを立ち上げ、情報発信に努めてきました。
「ならどっとFM」で、羽原あき子さんと(9/26)
―11月21日で定年退職、その後は再雇用の勤務形態になりましたが、時間的な余裕は増えましたか
鉄田 週4日勤務で少し休日が増えましたが、講演やガイドの依頼が山のようにきています。ゆっくりするよりも、むしろ逆に忙しくなりそうです。
―最後に、活動を通した今後の夢を教えてください
鉄田 オフシーズンにもっとたくさんの観光客に奈良県へ足を運んでもらい、有名な観光地以外にも泊まってもらえるような土地になってほしいです。奈良は世界でもまれな場所で、日本の聖地です。見るべき所が本当にたくさんあります。ヨーロッパにも優る古い文化が残っているので、その魅力を存分に知ってもらいたいですね。(聞き手 植木芳和)
徳島市で一泊したときのこと。夕食が半ばを過ぎた頃、仲居さんが「徳島には美味しい名物料理がありません。しかし、これで済ませては皆さんに失礼ですので、せめて徳島名物・阿波踊りを見ていただきます」と言って、三味線の生伴奏つきで、2人の仲居さんが見事な阿波踊りを披露されました。拍手喝采で、これは6日間のツアーで最も印象に残るシーンとなりました。徳島県の山中でも、地粉で打った素朴な刻みうどんをいただきました。ほのぼのと心を打つ味で、2杯もいただきました。
旅行者は、このようなものに感動するのです。国宝や重文にあぐらをかいてはいけませんし、逆に、国宝も重文もないと悲観することもありません。なお記事に登場する山添村の民宿は「里舎(みちのりのやど)」、全国一となった天川村の民宿は「民宿あおば」です。どちらも素晴らしいお宿です。
全5回、全国紙に大きなスペースを割いていただき、深く感謝しています。これが奈良県版でなく、大阪本社版というところが有り難いです。先日、「tetsudaさんは、奈良はうまいものばかりとおっしゃっていますが、それは東京の人にも伝わっていますか?」と問われ、膝を打ちました。早速、日本橋・三越前の「奈良まほろば館」で、奈良のうまいものとうまい地酒のセミナーをすることにしました(来年の2月24日)。美味しい地酒のミニボトルも進呈する予定です。
私の活動はまだまだ道半ばですし、1人では何もできません。会社やNPOの力を借りながら、日本の聖地・奈良を大いにアピールしてまいりたいと考えています。そのためにも、1人でも多くの方に当ブログを知っていただき、読んでいただきたいと思っています。引き続き、当ブログをよろしくお願いいたします!