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五條 源兵衛の中谷暁人さん(by 西久保智美さんの「地域に生きる」第38回)

2014年12月29日 | 奈良にこだわる
奈良日日新聞に月1回のペースで西久保智美さんが執筆されている「地域に生きる」、9月には「五條 源兵衛」料理長の中谷暁人(あきひと)さんが紹介されていた。中谷さんは九度山町慈尊院(和歌山県伊都郡)のご出身なので、同町出身の私には、とても親近感がある。
※向かって左が中谷さん。写真はすべて「食の乱反射」で、11/9(日)に撮影

今年は11月9日(日)の「食の乱反射」や、12月4日(木)のブラッド・トウルさんの講演会でお会いした。以前には職場(南都銀行総合企画部)の旅行でも、「五條 源兵衛」に団体でランチにお邪魔したことがある。このお店は、もと先輩(南都銀行OB)のご自宅だったというご縁もある。では以下に、記事全文を紹介する。

野菜を通じ五條を発信
五條 源兵衛 料理長 中谷暁人さん


色とりどりの季節の野菜が料理のメーンになる店がある。江戸時代の町並みが残る五條新町にある「五條 源兵衛」。平成22年5月にオープンして、今年で5年目を迎えた。料理長を務める中谷暁人(あきひと)さん(33)は、「採れたての旬の野菜は何もしなくても本当に甘くて、香り豊か。身体の隅々までエネルギーを届けてくれます」と野菜の魅力を語る。地元の農家から仕入れた50種類ほどの野菜を、素材の味を大切に調理していく。定休日には農家を訪れ、一緒に収穫を行うほどの徹底ぶり。野菜に触れれば触れるほど、奥深い世界に魅了された。



若羽調理専門学校を卒業後、県内の日本料理店で修行を行い、22歳の時に五條市内で居酒屋をオープン。4年目を迎えた時に、「五條 源兵衛」の料理長として声が掛かった。「修行経験も少なく、名店での経験もない。地域で居酒屋をしていた若造に、いきなり地域コミュニティのお店の責任者になる重責はありましたが、それ以上に違う世界で広がる夢にわくわくしていました」



食乱小麦(「食の乱反射」メンバーが育てた小麦)で打った手打ちうどん。ツユは五條 源兵衛の特製ツユ

そう決めると決断は早かった。順調だった店を閉め、「五條 源兵衛」のコンセプトづくりに取り掛かった。「築250年の町家を改装した建物に合う料理とは、いったい何だろう」。模索を始めた中谷さんは、町家が建てられた江戸時代に思いをはせ、同時に地域の食材を探し歩いた。驚くことに在来種から新種まで多種多様の野菜がこの地にあることを初めて知った。

「今まで見たことのない食材を調理することは、料理人にとってこの上ない喜び。その上、旬の野菜が持つ濃くて深みのある味に驚き、野菜を生かした料理で勝負することに決まりました。奈良には海がありません。江戸時代、塩漬けされた魚が流通していましたが、歴史を深く掘り下げると、魚にこだわる必要は何もないのです」と話す。山や畑、川に囲まれた五條。目の前にある食材を大切に扱うことから「五條 源兵衛」は始まった。



その感動は、お客さんにも伝わった。今まで添え物として扱われることが多かった野菜が、見た目にも鮮やかに美しくなって登場することで、野菜のイメージが変わったお客さんも多いとか。「それでも野菜の価値はなかなか見いだしてもらえませんね。畑に出向いて初めて知ったのですが、天候に左右され、天災に遭えば収穫もままならない。日々、格闘なんです。それを知ってから、さらに野菜への愛が深まりましたね」と中谷さん。野菜の作り手と消費者をつなぐ。そしてこの地域へつなぐことが自分の仕事だという。農家や地域と信頼関係を築きつつ、料理を通してさらなる地域の魅力の発信を目指している。


「五條 源兵衛」の公式HPにも中谷さんは《朝、畑に一歩足を踏み入れると、そこは、宝の山でした。在末種を守り育てたり、100種類以上もの、色とりどりのやさいを育てている農家さんに支えられています。宝の味がチカラ強く「郷土の味をかっこ良く」の主役です。元気な五條のやさい達が待ってます》とお書きである。野菜を主役に据え、これほどの多彩な料理を作られるとは、全く驚きである。「食の乱反射」で提供されていたうどんも、とても美味しかった。

中谷さん、若いパワーで「五條 源兵衛」を、そして奈良県南部を、大いに盛り上げてください!西久保さん、素晴らしいレポートを有難うございました!
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