tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

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もはや真っ黒ではない!東京のうどんツユ/まろやか味のうどんが食べたい!(7)完結編

2016年08月15日 | グルメガイド
2009年にスタートした「まろやか味のうどんが食べたい!」シリーズも7回目(7年目)を迎えた。第2回で紹介した東京のカップ麺を集めるのにご協力いただいたTくんも、先ごろ奈良の本店に戻ってこられた。そろそろこのシリーズも、今回をもって完結編としたい。
※トップ写真は東京・上野駅前の「L'UENO(ルエノ)」(ロッテリアが運営するフードコート)。7月10日撮影

これまで「東京のうどんツユは真っ黒か?」という疑問から出発し、6本の記事を書いてきた。(参考:これまでの記事)第1回ツユが辛くなった?、第2回カップ麺・東西比較、第3回奈良のうどん事情、第4回東京のツユは真っ黒か、第5回東西の味が融合、第6回中間まとめ

故小田実(おだ・まこと)は若い頃、自分は食べ物にはうるさいがカネがないので「うどん通」をめざしたい、とどこかに書いていた。大阪市で生まれ育った小田にとって、うどんは「ソウルフード」だったのだろう。それは関西人である私にも、よく分かる。

さて最初に、クイズである。以下、5杯のうどんの写真のうち、3杯は東京のうどんで、2杯は関西(奈良)のうどんである。どれが東京で、どれが奈良か、よ~く考えていただきたい。ツユの色以外にも、手がかりになるものが隠されている。


写真1.


写真2.


写真3.


写真4.


写真5.

考えていただいただろうか。答えを申し上げると、写真1.と写真5.が奈良のうどん、他の3杯は東京のうどんである。なかなか見分けがつかないと思う。東京の白ネギと関西の青ネギで正解された方がいるかも知れない。とにかく東京のうどんは関西風の「うす色・まろやか味」になってきている(逆に一部の関西のうどんは、妙に塩辛くなっている)。

一番上は、「山の音(やまのおと)」(生駒市東生駒)のきつねうどん(600円)。ツユの色は濃くみえるが(濃口醤油使用か)、味はまろやかでダシがよく利いている。2年前の中間まとめのトップ写真をそのまま使った(2014年10月23日撮影)。



写真2.は、東京・上野のガード下の「めん処 つるや」のかけうどん(290円 7月10日撮影)。立ち食い系の店はそばもうどんも同じツユを使うので濃い味になりがちだが(確認しなかったが、ここもそばと同じツユだろう)、こちらはあっさりとした味で、関西人である私にも全く違和感はない。なおメニューに「大阪うどん」があったが、これは(油揚げの)刻みやとろろ昆布をトッピングしたものだそうだ。そういえば、東京で「刻み」はあまり見かけない。





写真3.は、同じく上野駅前の「L'UENO(ルエノ)」(7月10日撮影)。ロッテリアが運営するフードコートで、その一角にそば・うどんコーナーがある。写真はかけうどん(550円)。これは驚いた。関西よりもあっさりとした味なのだ。もしやと思い「そばとうどんで、ツユを分けているのですか?」と聞くと「はい、そうです」。やはりうどんツユはあっさり味にしているのだ。これは「讃岐うどん」ブーム以降、東京で顕著になった傾向である。





写真4.は、東京駅前(八重洲北口前)の「名代 富士そば」(7月10日撮影)。椅子はあるが立ち食い系の店で、ここのツユの色が東京の3店中、最も濃かった。しかし味はさほど醤油辛くはない。「そばもうどんも、同じツユを使っているのですか?」と聞くと「はい、そうです」。照準をそばに合わせているのだ。しかし、それでもこの程度の濃さである。関西人でも違和感なく食べられる。

写真5.は、近鉄奈良駅前「うどん亭」のかやくご飯定食(800円)の天ぷらうどん、もちろんまろやか味だ(8月13日撮影)。



7年間にわたるリサーチの結論。東京のうどんツユは「もはや真っ黒ではない」。関西の皆さん、東京でも安心してうどんをお召し上がりいただきたい。ただし一部立ち食い系のお店では、そばと同じく濃口醤油のツユを使っているので、やや色が濃いめのところがある(味はさほど醤油辛くはない)。逆に関西のうどん店では、白醤油などを多用するあまりツユが塩辛い店が増えていて、これは残念だ(新しい店ほどその傾向が強い)。

皆さん、長年おつきあいいただきました、ありがとうございました!
コメント (2)
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