tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

観光地奈良の勝ち残り戦略(43)ご当地グルメブームに乗ろう!

2011年01月12日 | 観光地奈良の勝ち残り戦略
認定 全国ご当地グルメGP
INFASパブリケーションズ
INFASパブリケーションズ刊

年末から年始にかけ、新聞雑誌に目を通したうちで、目についたのが「食」に関する特集記事だった。週刊奈良日日新聞(1/1付)には《B級グルメ参上 おいしくて 安くて ルックスもグー》という特集記事が載った。《今、大きなブームとなっている「B級グルメ」。県内でも地元の素材をふんだんに使い、「味」「値段」「見ため」の3拍子そろった究極の食は存在する。しかし、意外と知られていないものも多い。奈良日日新聞社は今回、奈良発「とっておきB級グルメ」5つを紹介する》。

紹介されたのは「ならサンド」500円(奈良市大安寺町の居酒屋「きらく」)、スイーツ「月の誕生石」(橿原商工会議所、近鉄八木駅前の「やさい菓子工房cocoai」)、「古代米サラダ&鶏肉の奈良漬風味」(桜井市の老舗料理旅館「大正楼」の懐石の1品)、「大和牛とヤマトポークのハンバーグ」ご飯・味噌汁つき840円(かしはら万葉ホール「ほうらんや」)、「大和牛コロッケバーガー」250円(大和路へぐりくまがしステーション)の5つだった。

B級グルメが地方を救う (集英社新書)
田村 秀
集英社

毎日新聞奈良版(12/31付)には、「杖だんご」が紹介されていた。《「うまいものなし」返上へ 先月から御杖で 団子の商品化に取り組む》《地元産の農産物を使った特産品や企業の食品開発を手助けしようと、県内の企業経営者らが任意団体「新商品づくり支援機構」の設立を目指して活動している》《みつえ体験交流館(同村)で23日、メンバーと地元の主婦らが集まり、開発中の「杖だんご」を試食した。村の家庭では、餅米とうるち米を丸めて焼き、みそを塗った香ばしい団子が作られてきた。これを特産品として売り出そうと、11月から話し合い、杖をイメージした竹の枝でくし刺しにするなど工夫を重ねてきた》。

《試食品には、赤米やヨモギを使った三色団子も並び、塗る味噌も金ゴマ、黒ゴマ、ゆずなど種類を増やした。メンバーが宣伝のロゴマークのデザインを提案。今後、アンケートの取り方などのノウハウも提供する》《団子を作った農業、中谷フミヨさん(70)は「昨年、三重の百貨店の村特産品コーナーで手作りの餅が飛ぶように売れてびっくりした。元々何かを作るのは好きだが、特産品づくりは私たちだけでは無理。支援はありがたい」と期待を膨らませる》。

朝日新聞の投書欄「声」(1/3付)は、「B級グルメ」がテーマだった。紀州田辺市の「あがら(=私たち)丼」(地元の旬の魚介類・畜産物を使った丼)、自家製の「イワシの山椒煮」、飛騨の「漬物ステーキ」、高知の「鍋焼きラーメン」、ワサビを使った「豊川いなり寿司」などのほか、本年11月に姫路で開かれる「B-1グランプリ」に備えて「岡山B級グルメ盛り上げ隊」を結成した話などが出ていた。岡山県では「ひるぜん焼きそば」(2位)と「津山ホルモンうどん」(4位)が、昨年のB-1グランプリで上位入賞しているのだそうだ。

作務衣を着た主人の店にうまいものはない。
小野 員裕
双葉社

朝日新聞の新年特集「ニッポンver.2.0」の「食」(1/4付)では、料理評論家の小野員裕(おの・かずひろ)さんが《新橋おやじ発うまみ革命》のタイトルで、面白いことを書いていた。《化学調味料だけで味付けされた料理は、嫌な刺激が舌に残り論外です。でも、本来、化学調味料は「隠し味」で、うまみを底上げする働きがある。ある程度きちんとダシを取った上に加えると、劇的にパンチが利く。しかも、ふんだんにカネをかけた料理に比べれば、信じられない価格でうまみを演出できます》《今、気になっているのは「うまみ=甘み」という感覚が世にはびこっていることです。トマトやトウモロコシも糖度が高いものほど好まれる。(中略) でも、「強すぎる甘みは味を壊す」のは料理の世界では常識。甘さに頼ろうとするのは、センスのない料理人なんです》。

《今まで、世の「うまみ」を支配し、「自然志向、甘み志向」を世に広めたのは、たとえば銀座のOLの感覚だったように思います。この女性たちのすぐ近くに、こうした食の世界を覆う常識から、完全に自由な人々がいます。新橋駅や神田駅周辺に巣くうサラリーマンたちです。財布は軽い。その中で会社のストレスを発散して明日への活力を得るため、体で感じるうまい物を食べることに貪欲です。求めているのは、体を快楽物質で満たしてくれる「本当のうまさ」と「低価格」だけです》。こういう飲み屋街は、東京より大阪に多い。お初天神、阪急東通り、道頓堀、千日前、新世界、ジャンジャン横丁、鶴橋などがそれに当たるだろう。

奇跡の“カリスマバイヤー”秘伝 「売れる」仕掛けはこの人に聞け! (East Press Business)
内田 勝規
イースト・プレス

週刊ダイヤモンド新年合併号(10.12.25、11.1.1)は「総予測2011」という特集を組んでいた。そのなかに「地方食ブーム」の項目があった。筆者は内田勝規さん(オフィス内田代表)である。《地方発の食に注目が集まっている。全国を回っていると、それぞれの地域が今までになく活発にものづくりをしており、驚かされる。しかも、1つの地域だけでなく、積極的に地域間で交流をするようになっている》《東京を中心に置いた流通構造も変わってくるだろう。地方発で東京に売り込むという構図から、地方同士が手を結び、首都圏だけでなく海外にも目を向けるという意識が高くなってくいる》。

後半部分が鋭い。《「ご当地グルメ」や「B級グルメ」という言葉が流行だが、一過性のブームに終わったのでは意味がない。自分たちが日常的に食べているもの、地元の歴史に根ざしたもの、地元の産品に独自の加工をするといった地に足の着いた取り組みでなければならない。やすきに流れて、誰でもどこでもできるご当地カレーなんてでっちあげても、全国の消費者はだまされないだろう》。

また、ものりづくりの志があるのなら、自分たちが生み出したものを自ら「B級」などと称してほしくない。これからのものづくりは、ないものねだりではなく、“あるもの探し”。地域にあるものをいかに磨くかということに徹したところが、注目を浴びるはずだ》。確かに「B級グルメ」という言葉は、何となく卑下したような趣きがあって食べ物さんに対して失礼なので、最小限の使用とし、できるだけ「ご当地グルメ」「地元ファーストフード」等々と呼ぶことにしたい。

富士宮やきそば 公式ガイドブック
(株)しずおかオンライン編集部
しずおかオンライン

さて、先ほど出てきた「B-1グランプリ」(B級ご当地グルメの祭典)である。第1、2回では「富士宮やきそば」、第3回では「厚木シロコロ・ホルモン」、第4回では「横手やきそば」、第5回では「甲府鳥もつ煮」がゴールドグランプリを獲得した。ここに先ほどの「津山ホルモンうどん」を加えて眺めると、いかにも「新橋駅や神田駅周辺に巣くうサラリーマンたち」が飛びつきそうな「体で感じるうまい物」である。しかも、地名を冠していることからお察しのとおり、営利目的ではなく、あくまで「食による地域おこし」を目的とする団体が出場資格を持つのである。

奈良には数々の郷土食・伝統食があり、美味しい野菜も畜産物もあるが、「阪急東通りやジャンジャン横町に巣くうサラリーマンたち」をグッと引きつけ、「体を快楽物質で満たしてくれる」食べ物とは、イメージもジャンルも違う。何とか、ご当地グルメの祭典に出場できそうな「体で感じる奈良のうまいもの」は、発掘できないものだろうか。
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白鳳酒家のランチ

2011年01月11日 | グルメガイド
先月(10.12.24)大和高田市に出張したおり、同僚のMくんと同市本郷町9-5の「Chinese Dining 白鳳酒家(はくほうしゅか)」に立ち寄った。ぱ~ぷる別冊『怒濤の100杯! 奈良のらーめん道』に《本場香港の味を学んだシェフが作る ここでしか味わえない、本格派中華料理》として紹介されていたからである。



お店のHPによると《チェーン店や大型レストランが郊外に進出し、昔ながらの地域と密接に関係した温かいレストランがここ最近めっきり減ってまいりました。そういった温かさを増やしていくことこそが、地域を活性化する一番の特効薬だと信じています。白鳳酒家は、温かさは「笑顔にある」と信じ、「笑門来福」を信条に笑顔を絶やさないアットホームな店作りを心がけております》。「地域に密着した温かい店」というコンセプトがいい。こういう店が、もっと県下で増えてほしい。



《そして、料理に一番心掛けていることが品質保持です。これは妥協できません。材料、調理法、味、すべて吟味を重ねております。父が30 年かけて築きあげた大切なお客様との信頼を裏切ることなく変わらず料理を提供したい。白鳳酒家はそうした常連のお客様が支えてくださっているのです》。看板に「since1973」とあった。38年もの間、地元に支持されてきたのだ。



グルメWalkerには《大阪・心斎橋にある広東料理の名店「福臨門酒家」や、一流ホテルで経験を積んだ店主が本物の中国料理を多くの人にリーズナブルな価格で提供したいという思いでオープン。先代の父や師から受け継いだ技と職人の感覚を存分に発揮した料理は、素材の旨みを引き立たせた逸品ぞろい。なかでも、プリプリの食感がたまらない車海老の香り炒め(¥940)や、マンゴの酸味と甘みが絶妙なマンゴプリン(¥420)は見逃せない必食メニューだ。ほか、全8品のフルコースは 2800円から用意》。


この2枚は、お店が撮影されたもの(食べログより拝借)



さてこの日、私は『奈良のらーめん道』に大きく紹介されていた「XO醤(ジャン)入りねぎチャーシュー麺」860円と半炒飯240円を、Mくんは「今週のランチ 地鶏のガーリック炒め 芝海老の甘酢」900円を注文した。ランチには「チョイスランチ」900円もあって、スープ、ライス(お代わり自由)、サラダに「メイン料理2種」(8種類から選ぶ)がつく。



ねぎチャーシュー麺は、あっさりした醤油味のスープにやや縮れた細麺という、オーソドックスなタイプながら、あとを引く美味しさである。本格中華風のチャーシューが、たっぷり入っている。炒飯もあっさりしていて、ラーメンとの相性も抜群だ。Mくんのランチも、美味しかったと満足そうだった。




ランチドリンクは別途150円。たっぷり入っていて、美味しい

とかく中華料理店というと油っぽい店というイメージがあるが、こちらは掃除も行き届き、調度品もいい。料理メニューも、とても多い。総席数が55席、宴会最大人数が25人(着席時)ということなので、新年会にもピッタリだ。「飲茶専門店 点心坊」というネットショップも運営されているので、お取り寄せもできる。とりわけ本場の製法を取り入れた本格派の餃子「白鳳餃子」(1,480円)の人気が高いそうだ。ぜひいちど、お試しいただきたい。

大和高田市本郷町9-5 ℡ 0745-22-4753
JR高田駅から211m 駐車場有り
11:00~22:00(LO21:30) ※平日のみ15:00~17:00はクローズ
定休日 火曜日
※参考:食べログ「Chinese Dining 白鳳酒家」
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奈良まほろばソムリエ検定(第5回)の解答

2011年01月10日 | 奈良検定
奈良の歴史・文化についての知識を問う奈良検定(奈良まほろばソムリエ検定)が、昨日(1/9)実施されました。MSN産経ニュース(1/10)によると《第5回まほろばソムリエ検定 “奈良ファン”難問に挑戦 14歳から86歳 2会場に1524人》。

《奈良の歴史や文化に関する知識を問うご当地検定「奈良まほろばソムリエ検定」が9日、奈良大(奈良市山陵町)とお茶の水女子大(東京都)で行われ、2会場で1524人の受検者が難問に挑んだ。同検定は奈良の魅力を伝えることができる人材の育成を目指し、奈良商工会議所が平成19年から実施している。第5回の今回は最高難度のソムリエに218人と奈良通1級に414人、同2級に892人が挑戦。14歳の中学生から最高齢の86歳まで「奈良ファン」が真剣な表情で検定に臨んだ》。

《ソムリエ試験はマークシート式の30問のほか奈良町(奈良市)や安倍文殊院(桜井市)など5つの場所から1つを選び、同伴者を楽しませる自分なりの見学計画を400字以内でまとめる記述問題も出された。ご当地検定ブームだった第1回以降の受検者数は減少傾向にあるが、今年からは2級問題の約半数を過去問にするなど難易度にも配慮した。奈良商工会議所の森本悦司事務局長は「合格者には県内外で奈良に関する知識を広める役割を期待している」と話している》。

※2級からソムリエ(四択)までの全解答(例)を以下に掲載しましたので、ご参考に。ご協力いただきました皆さんに、深謝です。
(1)2級の解答例(1/11追記)
ブログ「かをも」日記に解答私案が載っていましたので、転記させていただきます。
アウエエウ イイアイエ ウイイイイ アエウエイ ウアエウイ
アアイエウ イウアエイ エアイアウ エエイウウ アイエアイ
ウイウエエ アアウイエ アアイウエ エウウイア イアウエア
イイウエア イウアエエ ウイウイア エイエイイ アウエアウ 
(2)1級の問題(1/13追記)
ブログ「ジョニーの独り言」に掲載されています。
(3)1級の解答例(1/15追記)
上辻さんからお知らせいただきました、有難うございました。解答例は「上辻匡司の飄々ブログ『どこ吹く風』」にも掲載されていて、解説文も連載中です。
1.奈良の気候・地理・動植物(01)イ(02)エ(03)エ(04)ア(05)ウ(06)イ(07)エ(08)ア(09)ウ(10)ウ
2.奈良の歴史(11)ア(12)イ(13)ウ(14)エ(15)ウ(16)イ(17)エ(18)エ(19)ア(20)イ(21)ウ(22)ウ
3.奈良の遺跡・古墳(23)エ(24)ウ(25)ウ(26)ア(27)イ(28)エ(29)ア(30)ウ(31)イ(32)エ(33)ウ(34)ア(35)イ(36)エ
4.奈良の寺社(37)イ(38)イ(39)イ(40)ウ(41)ア(42)エ(43)イ(44)ウ(45)ア(46)イ(47)エ(48)ア(49)ウ(50)イ(51)エ(52)ウ(53)ウ(54)ア
5.奈良の建築・彫刻・絵画(55)イ(56)イ(57)エ(58)ウ(59)ア(60)ア(61)エ(62)ウ
6.奈良の文学(63)ア(64)ア(65)ウ(66)イ(67)エ(68)イ(69)ウ(70)エ(71)ウ(72)ア
7.奈良の伝統工芸品・特産品(73)ウ(74)ア(75)エ(76)イ(77)ア(78)ウ(79)ア(80)イ(81)エ(82)ウ(83)イ(84)ア
8.奈良の祭・伝統行事(85)イ(86)イ(87)ア(88)ウ(89)エ(90)エ(91)エ(92)イ(93)ア(94)ウ
9.奈良の世界遺産・観光・文化(95)ウ(96)イ(97)エ(98)ア(99)ア(100)ウ
(3)ソムリエの問題(1/13追記)
ブログ「万葉人の心 悠久の奈良」に掲載されていました。
(4)ソムリエ四択の解答例(1/10追記)
koza5555さんから、ソムリエ四択の解答私案を教えていただきましたので、ご参考に。
エウエイア アエウイウ アエイウア イイイエウ アイエウウ エアイエエ

今回受験者の方から、コメントをいただきました。2級を受験されたアマチュア写真家のずぼら太郎さんからは《思い込みでのミスや凡ミスはありましたが、今回は簡単でしたので、十分合格していると思います。tetsudaさんが作成して下さった「ソムリエが作る ズバリ!奈良検定2級の要点整理【決定版】」のお陰です。本当に有難うございました。感謝感謝です》という朗報が届きました。『要点整理』がお役に立って、良かったです。2級は今回より、過去問から半数が出題されるので、やさしく感じられたのでしょう。



(1/11追記)奈良の情報ブログ「鹿鳴人のつぶやき」をお書きの鹿鳴人さんは、1級に挑戦されたそうです。《2年目にうけた1級には残念ながら1点たりず(合格ラインは70点です)忙しいしもう奈良検定は受けなくても良いかなと思ってその後はうけませんでした》。

《感想を一言で言うなら、「奈良は深くておもしろい」ということです。奈良検定に一度くらい落ちても気にせず、きらくに再度挑戦と言う気持ちで取り組めばよいと思います。脳の活性化にもつながりますし、学べば学ぶほどそれだけ奈良は深いと思います》《奈良を知ることは日本を知ることだ、という言葉も聞きました。そのとおりだと思います》。「奈良を知ることは、日本を知ること」。良い言葉ですね。

奈良新聞のコラム「國原譜(くにはらふ)」1/10付には《ソムリエ試験は難しい。筆者も3回目の受験に臨んだものの結果は思わしくない。奈良商議所は今年、ソムリエ合格者の集いを計画しているようだが、仲間入りはお預けか》とありました。ソムリエ試験は難しかったようです。なお合格者の集いは、昨年までのソムリエ合格者を対象に、2/5(土)に開かれる予定です。

平城遷都1300年祭の「平城宮跡ガイドツアー」で一緒にガイドをしたKさんも今回、身重のお体でソムリエに挑戦されました。赤ちゃんの動くのが分かるとのことでしたので、小論文などは書きづらかったと思いますが…。Kさんは、奈良文化財研究所の解説ボランティアもされていて、全く頭が下がります。



このツアーガイドボランティアには、奈良検定の1級およびソムリエ合格者がたくさんおられました。そのうちのお1人、北島祥好さんのことが読売新聞奈良版(1/6付)に紹介されていました。《昨年の平城宮跡探訪ツアー。ガイドの北島祥好さん(61)(生駒市)は毎週末、手製の木簡を手に宮跡に立った。野原が広がる会場を、少しでもわかりやすく説明するためだ。「万葉集の歌を詠むガイドもいる。皆、それぞれ工夫しているんですよ」》。「万葉集の歌を詠むガイド」とは、私のことでしょうか。何か特色を出そうと、短歌を4首ほど暗記し、遣唐使船や朱雀門の前などで紹介させていただきました。

《奈良市出身。約40年間のサラリーマン生活は大阪や名古屋などで過ごし、子供の頃に遊んだ宮跡にはほとんど縁がなかった。約10年前に奈良に戻り、定年を迎えた後の昨年、ガイドの募集を知り、思い切って飛び込んだ。初めて一緒に回った先輩ガイドは、車いすの人に案内しやすいよう、介護の資格を取ったという。「そこまでするか」と思った。だが徐々に、いままでの仕事とは違う満足感にはまった》。

《参加者に一つでも「なるほど」と思ってもらいたい。だから、何十冊もの本を買い、図書館に通った。「説明後、お客さんの目が輝き、『楽しかったよ』と言われるのが何よりもうれしい」 昨年、平城宮跡でガイドをした約150人のうち、約半数が今後も活動を継続する。北島さんも今年、奈良文化財研究所の解説ボランティアに転身する》。北島さんも奈文研のボランティア、うーん、これはすごい。

今回、奈良検定を受験された皆さん、ぜひ当記事のコメント欄などに、ご感想をお書き下さい!
※写真は、葛城市当麻の飲食店で、1/7に撮影
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今井町1日体験プログラム(青少年大交流計画)

2011年01月09日 | 奈良にこだわる
先月(10.12.11)、橿原市今井町が東アジアからの留学生(17人)とホストファミリーなど総勢54人を、「1日体験プログラム」として受け入れた。国際的なボランティア団体であるAFS(アメリカン・フィールド・サービス)日本協会奈良支部の事業の一環である。受け入れ側の代表者だった若林稔さん(今井町町並み保存会会長)がブログ記事「青少年大交流計画の留学生たちに、今井町での1日体験のプログラムを組みました」で詳しく紹介されている。



《AFS日本協会奈良支部が受け入れている「21世紀東アジア青少年大交流計画(通称JENESYSプログラム)」(外務省による事業)で来日した留学生たちに、日本の文化をより深く知ってもらおうと今井町での1日体験を行いました》。東アジアというが、インド、タイ、ベトナム、マレーシア、インドネシア、フィリピン、オーストラリア、アメリカなど、さまざまな国から来られている。



《東アジアからの留学生に日本の伝統文化を体験学習してもらう、ホストファミリーも交えて今井町町並み保存会との交流を深める、奈良に来た留学生に、奈良という地域の特殊性を知ってもらう、を目的として今井町町並み保存会がお世話して、留学生に町家ぐらしと日本の中世の文化を一日たっぷりと体験してもらいました》とある。



たまたま私が、AFS日本協会奈良支部長の松岡悦子さん(奈良女子大学教授)と若林さんを顔つなぎさせていただいた関係で、松岡さんから当日の写真データをたくさんいただいた。若林さんのブログを参照しつつ、紹介する。



当日は「今井まちなみ交流センター 華甍(はないらか)」に集合。まずは書道を体験したあと、着物を着て今井町の町並みを見学。《皆さん着物が大変お気に入り、ホストファミリーと記念写真を撮る光景があちこちで》見られたそうだ。



《昼食は子ども太鼓に迎えられて全員で重文旧米谷家で今井町町並み保存会の名物「大和今井の茶粥」を頂き、賄い、後片付けなどを体験しながら味わう》。私も「古社寺を歩こう会」で、今井の茶粥をいただいたことがある。その時は「食器~赤膚焼。赤膚山元窯の登り窯で今井の駒つなぎ、軒瓦(のきがわら)を特別に意匠して制作した茶碗・皿・箸置 膳~柿渋染めランチョンマット。今井町河合酒造の柿渋、柿は大和の名産で古くから柿渋が清酒清澄剤、血圧を下げる薬、木地食器等木製品に塗布するなど、生活に取り入れられていました。ランチョンマットは『大和今井の茶粥』と和紙に墨書してその上から柿渋を塗布し、若者たちが夜なべをして裏打ちをしました」等々という、とんでもなく手間暇のかかったもので、大変美味しくいただいた。



茶粥は旧米谷家のかまどで炊かれたそうだが「ウチにもかまどがある」という声が上がったという。ネットで百科「かまど」によると《狭義のかまどは,壁の一辺に作り付けになった,粘土製や鮭瓦製などの煮炊き用の設備をさすが,ユーラシア大陸のなかで,このような狭義のかまどが用いられている所は案外少ない。歴史的にみた場合,東アジアとそれに隣接する一部の地域に限定される》とあるので、東アジア地域にはかまどがあるのだ。 

  

《14時から全員で・重文旧米谷家でかまどで甑(こしき)を揚げ、杵と臼でお餅をつき、食べる。へっぴり腰でおっかなびっくり、でも楽しい餅つき体験に全員大喜び》。当日、お手伝いされたKさんが、若林さんのブログにこんなコメントを寄せていた。





《東京に住んでいるが、たまたまこの日は今井町におり、スタッフに誘っていただき飛び入りで参加する事になった。何とも贅沢な一日で、留学生とホストファミリーのはしゃぎようは見ていて気持ちがいい程だった。何しろ着物で町を歩き書に親しみ茶粥を味わい餅をつくのだが、細部に宿る心遣いがどれも文化的な質の高さを秘めている》。





《後半、美しい炎に照らされた煙と湯気が立ちこめるほの暗い土間で、わあわあ言いながら餅をついては食べる空間には、全員をひとつの家族にしてしまう魔力が確かに働いていた。今井町の町並み哲学を垣間見た思いだ》。


中央が若林さん、向かって左端が松岡さん



さて、若林さんのブログに戻る。《16時 後片付けを済ませると、朝から体験した書道の作品が裏打ちを済ませてあり、自作の箸袋とあわせて各人に手渡される》。《予想をはるかに上回る参加人員で留学生も書道、着物、餅つきの体験には大喜びで、夢中になってくれたのが嬉しかった》。





今井町では建物や町並みだけでなく、生活習慣の中に「古き良き日本」が受け継がれている。留学生たちを温かく迎える「もてなしの心」も、素晴らしい。重要文化財の古民家のかまどや座敷を使うには、面倒な手続きも要したことだろう。それでも茶粥を炊き、餅米を蒸し、杵と臼で餅をついて振る舞うところが、今井の「町並み哲学」なのである。この「1日体験」の大成功で、今年はたくさんの外国人観光客が訪れるに違いない。
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Topic 若草山焼き、2011年は1月22日!

2011年01月08日 | お知らせ
若草山の山焼きはいつですか?」とよく聞かれる。かつては1月15日(小正月=旧・成人の日)と決まっていたから覚えやすかったが、成人の日がハッピーマンデー制度導入(1月第2月曜日)により変更されたことに伴い、山焼きの日も変更され、今は「1月第4土曜日」である。だから今年は22日(土)の開催(雨天等で中止の場合は29日)なので、お間違えなきよう。時間は、

18:00~ 冬花火の祭典(総理大臣賞などを受賞した花火師達が制作する花火の競演)
18:15~ 山焼き点火(奈良市消防団約300人が約33ha、周囲3800mの草地に一斉点火)
19:00 山焼き終了



というものである。その時刻には奈良県庁の屋上が開放されるが、これは募集も抽選も終了している。250人の募集枠に対し、6,418人もの応募があったという。競争率約26倍という難関だったのだ。

当日は鹿せんべいとばし大会(13:00~)や聖火行列(16:50~)などの行事も催される。詳しいタイムスケジュールが奈良市観光情報センターのHPに載っているので、ご参考に。

当日は交通規制が行われるので、ぜひ電車とバスをご利用いただきたい。寒さ対策も、お忘れなく。
※トップ画像は、奈良市観光情報センターのホームページから拝借
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