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空にいるような軽い気分で・・・

交通標語のピカイチ『左小回り右大回り』

2008年05月14日 22時29分12秒 | 随筆或いはエッセイ
標語を大雑把に分類すれば、脅し型、諭し型、啓蒙型、号令型、ユーモア型、ギャグ型などに分けることができるだろう。人口に膾炙した多くの標語を昔のものから現代のものまで集めて、分類をしたら何かしら見えてくるものがあるかも知れない。私はそんなことをやる力も根気もないけれど。

子供の時、小学校で標語を作らされたことがある。それが何とどぶろく造りを戒める標語なのだ。昔の教師や教育委員会は何を考えていたのだろう。どうも理解できない。戦争の時期の勤労奉仕のような感覚や体制翼賛的な体質がそのまま残っていたのだろう。

そのドブロク禁止標語だが、私はついついギャグに走る傾向があって上手くは創れなかった。『どぶろくを造って見つかればブタバコだ』とか何とか書いて出したことをうっすら覚えている。何のコンクールでもいつも特選やら金賞やら貰うデキのよい同級生がいたけれど、私は良くてせいぜい入選、銅賞あたりだった。どぶろくの標語は選外だった。

いつもの事だが前置き段階で横道にそれた。交通標語に思うことを書くつもり。『お土産は無事故でいいのお父さん』だ。しかし前記の何々型に分類されるようなものではなく事務的実質一本槍の標語『左小回り右大回り』のことを書くのだった。

免許更新時の講習で、天下りに違いないおしゃべりのおっさんの話を漫然と聞いていたのだが、この標語解説だけが成る程と納得した。左折するときは、スピードを緩めにハンドルは速く回して小さい円で曲るべし。そして右折するときは交差点の真ん中の点を踏まないように大外を小さな円でできるだけ直角に曲るべし、ということなのだ。

想い描いて欲しい。小さな交差点で左折しようとしているときに、左から来た車が横着な曲り方で自分の方にに突っ込んできたときのこと。そしてもうひとつ、あまりブレーキを効かさないで左折しようとして曲り方が甘く大回りになってしまい、折しも前方から車が来てるのに気づいたときのこと。

自分だけが守っていても、事故が起きるときは起きるものだろうけれど、『左小回り右大回り』を心掛けていると確実に『ヒヤリハット』が少なくなる。ルールとすれば単に、曲るときにもキープレフトを守ろうということでしかない。

自分がこのルールを守っていると、そうしない人間に腹が立つ。とくに自分の住んでいる所で、そういうドライバーを見ると教育的指導をしたくなる。高級車なんかで交差点をショートカットで突っ込んでくる女性を見るとこれも又ムカついてしまうのである。運転していて腹を立てるのは非常に危険だ。我が物顔の横着運転も、それに腹を立てるのも同じくエゴということなのだろう。車は運転手の人格を変える魔物なのだから。

当れば簡単に人が死んでしまう車の運転はあらゆる危険予知のシミュレーションと瞬間的想像力が必要だ。年寄りや子供を見たら、その不規則不可解な行動を予知する必要がある。他の車も、自分と同じように動くとみなすほど危険なことはない。

私は車を運転して移動しなければ仕事にならないので、交通ルールはかなり神経質に守っている。スピード違反などは引っ掛かったことがないし免停などなったことがない。交通規則のコンプライアンスは生活を維持する上の基本だ。でもゴールド免許には縁がない。周りにもいない。大体ゴールド免許というものを見たことすらない。何かしら皆さんやってしまうわけである。五年も無違反なんて、なかなかに難しい。

コメント (4)
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