鳥瞰ニュース

空にいるような軽い気分で・・・

雀をなんとなく見ながら時間つぶし

2008年05月23日 02時15分26秒 | 随筆或いはエッセイ
約束のモノを指定された時間に引き取りに行ったのに、ある行き違いから1時間以上待たなければいけないことになって、何となく目に止まった雀を見ながら時間つぶしをした。

ついこの前まで土手で自生する菜の花が黄色い帯を創っていたのに、花の後の青い鞘がもう枯れ葉色になっているものもある。種は濃い紫に成熟すると鞘が割れて零れ落ちる。

雀が二羽、菜の枯れ立ちの中で飛び跳ねたり啄ばんだりしていた。スマートな方は動き素早く餌摂りに余念がない。これに追いついては羽根をふくらませ、小刻みに震わせて餌をねだっているのがたぶん雛。一羽しか育たなかったのか、それとも一人前のなりをして自立できない最後の雛がまとわり付いているのか。

屋根の上ではこれまた二羽の雀。片方がもう片方に、ちょんちょんと近づいて行って背中に跳び乗った。いきなり交尾か。上はパタパタ羽ばたいてバランスを取っている。下はしゃがんでされるまま。尾羽で尾羽をかき分けて、いやいやかき分けてはいない。右からどけて何とか摺り合せることができたかどうか。

降りてはまた繰り返す。およそ3秒3秒インターバルか。雀によって右利きと左利きがあるのだろうか。今まで観た記憶をたどってみても右利きしかいないような気がする。住む国によって違っていたりしたら面白い。日本は右が多くて、中国ロシアは左だったが右も多くなってきた・・とか。

鳥の交尾は凸凹がはまるのではなく単にこすり合わせるだけらしい。だからあんな無理な体勢の一瞬でいいのだろう。二羽は5~6回繰り返して、一羽がパッと飛び立った。行ったのはオスだな、照れたんだろうか。すぐ後に、はたと我に返ったメスが後を追う。『待ってよ』てなもんだ。

しばらくして、道を隔てた隣の家の一階の窓ひさしに一羽飛んできた。雨戸シャッターの隙間から中にもぐりこんだ。とんでもないところに巣を作ったものだ。もう一羽飛んできたのだが、ワラ屑のようなモノをくわえている。間違いなく巣作りをしている。

開かずのシャッターならぬ、降ろすことのないシャッターならいいけれど。巣作り途中ならまだしも、巣が完成して産卵後に住人がシャッターを降ろしでもしたらまずい。『あれ、何か引っ掛かって降りないぞ、エイ!エイ!』なんて無理矢理降ろそうとするのだろう。それが孵化後だったりしたら、などと想像するとちょっとおぞましい。

それぞれ別々に見た雀のペアは、時間差があっただけで同一のペアだったのかも知れない。何しろ時間つぶしの、たまたま一人野外観察会だったので双眼鏡も持っていないし漫然と観ていただけだが、雀の繁殖は今盛りなりと実感。雀と鳩はいつだって繁殖中かも知れないなどとも想う、これが本日思いがけない余禄の時間つぶし。

コメント
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