鳥瞰ニュース

空にいるような軽い気分で・・・

食を提供するということ

2008年05月11日 17時43分07秒 | 随筆或いはエッセイ
食に関する偽装問題が相変わらず続いている。隠し事体質は根強くはびこっているのだが、それを告発するのも一つの時代の流れに乗ってさかんになっているようだ。

比内鶏の偽装。比内鶏ではない鶏のしかも廃鶏を使っていたという。その方が比内鶏の燻製よりもおいしいというのだ。技術が優れているのか、一つの発見だったのか、大変なECOだ!すばらしいではないか!と思った。豚肉とか牛肉を鶏肉だと偽ったわけではなくて、同じ鶏肉ですから・・・と社長が言い訳をしていたが、技術と味に自信があったからこその言葉だ。五十歩百歩、目糞鼻糞、うそぶき加減がチャーミングだ。(だって、比内鶏よりおいしい肉だったんだから値打ちはありますよ! 原価は安いけど・・・)という内心の声が聞えた。

ミートホープの社長のあの言葉も忘れられない。「昔の肉屋がやってたようなことをやってしまって・・・」と言っていた。大きな食品会社に卸していたのだからプロの目と舌を見事だましていた訳だ。大変な技術なのではないかと思った。その技術を前面に出して、正直に商売する方向に転換していたら、名に恥じない食肉業界のホープになれたかも知れないのに惜しいことをしたものだ。もしかしたら特許も取れた技術なのではなかったか。この人の内心の声も聞えるようだ。(腕に溺れた! 深みにはまる前に引き返したらよかったな・・・)

ブランド物の高価な食べ物飲み物と似た味の安いモノとの正体を伏せて芸能人に当てさせるというテレビ番組があった。必ず意外にも間違う人がいて、結局グルメだ夢を売る商売だのと言っていても味音痴だったり半可通だったりするんだと、視聴者が溜飲を下げるということを目指した番組だったのだろう。主眼はブランドものに匹敵する味の安物があると紹介する番組であればいいのだが、テレビとブランドは切っても切れぬ縁だから無理なのだろう。ブランドモノをバッシングする格好になったら民放のテレビ番組が成り立たない・・か。

赤福餅の賞味期限偽装についても、あの技術はたいしたものなのではないかと思った。冷凍保存して解凍しても造りたてと変わらない味を保っていたのだ。味だけではなく食感とか、成分変化などもなかったのだろう。密かに工夫した大変な技術だったのではないか? 偽装が目的で進歩した技術も、埋もれさせては、それこそもったいない。

大量に砂糖の入っているアンコは保存食品だ。二つの材料でできていたら当然傷みが早い方の期限が来たら処分しなくてはならない。そこで昔から饅頭屋は売れ残った饅頭のアンコは分離して再利用するのが当たり前なのだという事を物知りの人から聞いた。見込み違いの売れ残りを失くす工夫はないのだろうか? 結局一番安易な使い回しや偽装で留まってしまうのはあまりに芸がない。デパ地下やスーパーの閉店前のように、割引の投売りをしたら良いではないか? 自慢じゃないが我が家は刺身も寿司も半額の時間帯にしか買わない。

我が家では一度、クエ鍋セットというのをプレゼントされたことがある。一生に一度しか食べられない幻の魚クエとて有難くおいしく頂いた。その後、アブラボウズという魚をクエとして大量に売っていたという業者が告発された。アブラボウズとは何とも食えない名前ではないか? あ~ぁアブラボウズをクエといっぱい食わされた。

コメント
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