鳥瞰ニュース

空にいるような軽い気分で・・・

無謬性どころか古典的調書作成手法の破綻(その4)

2010年09月23日 18時09分05秒 | 個人的主張など
自分の仕掛けた罠にはまった特捜検事

【同僚検事の一人が~前田検事に電話をかけ「FDは重要な証拠なのに、なぜ返却したのか」と聞いた。これに対し、前田検事は「FDに時限爆弾を仕掛けた。プロパティ(最終更新日時)を変えた」と明かしたという。~】
【上村被告の弁護人は~驚き、単独犯を主張する上村被告にとって不利になる証拠ととらえて表に出すことをためらったという。~】
【・・・】内は今日(9月23日)の朝日新聞朝刊より。

これで謎は解けたことになる。改ざん前のデータを記した捜査報告書を事務官が作ってあったことと、さらにそれが特捜の手から離れて村木氏の裁判を担当する公判部に移っていたということを知らなかったので罠を仕掛けたのだ。ところが結果的にはその罠に自分ではまってしまう。

証拠を早めに返却するなどというのは希な事らしい。それでも返却されたFDを見た上村被告の弁護人は仕掛けられた罠にはまりそうになっている。改ざん前の報告書の存在が無ければ、特捜のシナリオは破綻することなく通ったかもしれないのだがエースにしては誠にずさんで迂闊だった訳だ。

何年か前に、ある考古学研究者が次々に貴重な発見をしたことがあり、疑われたことがあった。手シャベルを昔の地層へ斜めに食い込ませて起こしては、そこにモノを仕込むという単純な仕掛けだった。今回の手口もそれと同じ位にシンプルだ。

検察がこの件で何よりも第一に手がけなければならないのは、信頼回復とか、証拠隠滅冤罪捏造事件の組織的関与かどうかとか、責任の徹底追及とかよりも、容疑者となった前田主任検事が関わった今までの事件で同様のことが無かったかどうかの追求だ。今までに彼が数々の供述を引き出して有罪判決に導いた事件の掘り起こしだろう。でっちあげという犯罪がなかったかどうかだ。絶対にいくつもあった筈だと誰しもが思っている。

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無謬性どころか古典的調書作成手法の破綻(その3)

2010年09月23日 02時21分15秒 | 個人的主張など
罪作りは遊び

主任検事が逮捕された。フロッピーディスクの更新日時を改ざんするための専用ソフトを使って自分の描いたシナリオに見合う日時に書き換えた疑いだ。9月21日の朝日新聞によれば、【遊んでいるうちに書き換えてしまった】と検事は弁解したそうだが、その21日の夜に逮捕が発表され、22日の新聞には、【前田検事は20日、大阪地検に対して「誤って書き換えた」と説明していた。】とある。

時系列がとても重要な事件なのに、どうも今ひとつはっきりしない。今年の2月にはすでに、書き換えたことを元上司に伝え、上級検察も把握していたというではないか。『遊んでいるうちに・・・』とは誰がいつ聞いたのか!!?  『誤って・・・』というのは誰がいつ聞いたのか!!? 誰がそれらを発表したのか!? 逮捕状請求はいつの何時頃に行われ、逮捕は何時何分だったのか!?  

それらのことは後回しにするとして、私は『遊んでいて』に感じるものがあった。彼はどの時点で、村木元局長の無罪を感じ取っていたのだろう。緻密な仕事師だったはずなのに、失敗に気付いたとき、仕事は仕事の体裁を失ったのだろう。遊びになってしまったのだ。

罪作りが仕事として成立するはずがない。権力を持つ者が不当な行使をするのはイジメでしかなく、いじめる側からすれば遊びでしかない、という構図が見てとれる。かの主任検事が本当にその通り言ったとすれば、正直な表現だったのだろうと思う。

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