春の山菜の代表的なものは、ゼンマイ、ワラビ、フキノトウ、ウドなどなど。
ゼンマイは莚(むしろ)の上で干し、揉んで揉んで揉んで、カラカラに干して保存食とする。
カラカラになったのを水に戻して、煮物やみそ汁の具に使うのだけれど、1週間から十日ほどで真っ黒くカラカラになったからとて、できたばかりの今年のはエグミがあって食えないそうだ。
どこの家にもゼンマイを干して揉む手間を惜しまない人がいるわけではないので、全部の家でこのシーンが見られるわけではない。
日向(ひなた)でしかやれないので、家の前の道路(公道)でやっているところもある。
この時季はそれが黙認される。
通る車も、それを当然のこととして、よけながらおとなしく走っていく。