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空にいるような軽い気分で・・・

口腔外科の前で慣用音を知る

2019年01月13日 02時36分36秒 | 言葉の世界
漢字の音読みの間違いや混乱はよく言われることだ。
病院に行き、目的は耳鼻咽喉科だったけれど、口腔外科が近くにあり、間のベンチで呼ばれるのを待ちながら、『漢字を楽しむ』講談社現代新書(阿辻哲次著)を読んだ。
口腔、鼻腔、腹腔は『コウコウ、ビコウ、フッコウ』と読むのが正しいのに、ツクリの空に引きずられて『コウクウ、ビクウ、フックウ』と読まれるようなっていることが面白おかしく紹介されていた。
コウクウゲカと聞いて『飛行機のなかでメスをふるう手術でもしているのか・・』と思った云々。
格調高い表現の満腔の敬意の満腔は『マンコウ』のままであり、生物学の腔腸類は『コウチョウルイ』と正しく読まれる。
医学業界で腔をクウと読む間違いが広まり後戻りできなくなった、そういう音読みを慣用音と言うそうだ。
最初に言い始めた人間が誰なのか、執念深く調査すれば、突き止めることができるのではないか。
医学会の重鎮が思い込みで多用し、権威を持っていたものだから誰も間違いを指摘できないでいるうちに弟子や医学生皆が使うようになってしまったということではないかと私は推測している。

慣用音として、完全に定着してしまっている熟語には輸入の『ユ』や消耗の『モウ』や攪拌の『カク』があり、ほんとうなら輸は『シュ』であり、あとの二つは『コウ』だとか。
本来の読み方と慣用音とがせめぎあっているような熟語もあって、憧憬とか垂涎は本来、『ショウケイ』であり『スイゼン』だけれど、最近は普通に(ドウケイ)とか(スイエン)と読まれたりするそうだ。
著作内容を部分的に正しくまとめたわけではなく、私の理解した格好でのかいつまんだ紹介。
記事にすれば多少は身につくだろうとザル頭で考える。
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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (小春)
2019-01-13 15:31:52
へえl-知りませんでした!
普通に「コウクウゲカ」とか「ドウケイ」とか読んだりしゃべったりしていました。でも今更治しても「それ何?」って言われるかも?
「舟を編む」で広辞苑でさえ変化していくということを知ってびっくりしましたが、考えたら仕方ないことですね。
一番気になるのが「ら」抜き言葉。最近はアナウンサーも使っていて???です。聞いてて美しくないな。
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小春さんへ (とんび)
2019-01-13 16:00:17
内視鏡を以前は腹腔鏡と言ってましたよね?
今、面白い現象を発見しました。
『ふっこうきょう』を変換すると腹腔鏡と正しく出る。
『ふくこうきょう』とすると出てこない。
その代わり、『ふくくうきょう』とすると腹腔鏡と出てくる。
辞書変換も混乱しているみたいです。

>聞いてて美しくないな。
同感です。
これを使うアナウンサーは、私の中で2ランクほど格下げです。
いい歳した人が使っていると、良さそうなことを言っていても聞く気になれません。
嫌味なジジイまっしぐらです。
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Unknown (小春)
2019-01-13 16:34:09
嫌味なジジイ、大歓迎です。
私の目標は「意地悪ばあさん」です。決してなれないから憧れます。
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小春さんへ (とんび)
2019-01-13 17:53:32
>決してなれないから憧れます。
パワフルで味のある意地悪ばあさん・・ね!
嫌味なジジイもそうなれれば・・ね!
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Unknown (sukebo)
2019-01-14 10:02:32
syuppaiではなくsippaiなんです。
よく失敗します。

英語は単語がわからないと疑問文か、そうじゃないか?ぐらいしかわかりませんが、漢文は想像力が働きます。
返り点は中国にはないのでしょう・・・?
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sukeboさんへ (とんび)
2019-01-14 17:24:50
日本の漢字は漢音、呉音、唐音の音読みがあるから難しいですよね。
中国語の漢字は簡体語というのが進んでいたりしますが、一語に一音だけだそうです。
昔の漢字がそのまま残っているのは台湾語みたいですね。
沖縄方言というのか、琉球語というのか、ウチナーグチというのか、とにかくそちらの語源を単語ひとつずつ追求したら面白いでしょうね!?

返り点は日本人が漢文を読むためのものなんでしょうかね!?
私、そのあたりで挫折しています。
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