久々の冬の青空に、大きなカリンの黄色がすがすがしい。早速写真に納めた。
厳寒のモノクロの世界に色彩を探してみた。
今まで青空に映えていた柿は、いつしか凍みて茶褐色に変わってきた。
雪が沈みはじめ、ヤブコウジの紅い実がきれいだ。根元の雪が、あざやかな紅い実をいっそう鮮やかに感じさせている。ナンテンの赤もほとんど落ちず、青い空にさえざえしい。
家の中にはけっこう豊かな色彩に気づく。縁側のシクラメンの赤やピンク、テーブルのミカンやリンゴ、そう言えばお昼の野菜炒めや紅茶も・・・・。それぞれの色がきれいに心にしみる。
色のことを考えていたら、いつか読んだ本を思い出してしまった。
「今日の風、なに色?」を書棚から見つけた。
カバーの文章に、また涙が込み上げてしまった。
**************************
本書の題名になっている「今日の風、なに色?」は、伸行が言った言葉からとっています。眼が見えない伸行に色というものを理解させるために、「リンゴの赤」」「バナナの黄色」などと教えていました。すると伸行は「じゃ、今日の風はなに色?」と聞いてきたのです。眼が見えない伸行にとっては、大好きな食べ物に色というものがあるなら、同じく大好きな風に色があっても不思議はありません。
**************************