エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

塾の講師による夜間有料授業

2008-01-29 | 教育を考える
              【赤井より 麗しの磐梯】

   東京の区立中学校で大手進学塾の講師による夜間有料授業を実施するというニュースに接した。落ちこぼれ対策の補習であり、できる子をもっと伸ばそうという試みと言うが、こうした発想に大きな疑問を感じる。
 学校は、とりもなおさず知育、徳育、体育のバランスの取れた全人格的、総合的な教育の場である。営利目的の受験産業との連携が、子どもたちの豊かな学校教育をゆがめる受験競争社会を助長してはならない。
以前、川内村で村営の学習塾を作ったというニュースを聞き、驚き疑問を感じた。()学習塾は不必要悪である。知育偏重の是正が叫ばれ、ようやくゆとり教育の理念に行きついたのに、また以前の受験競争社会に戻ってしまうのではないかと危惧を覚えざるを得ない。
 子どもたちが心豊かな人生を送るための基盤を培うための教育であって欲しい。



)「村営学習塾は疑問

  川内村で村営の学習塾を作ったというニュースを聞き、驚き疑問を感じている。
 私は子ども3人に学習塾に通わせなかった。塾通いで失われるものは大きく、子どもたちには伸び伸びした少年期を送って欲しい願いがあった。家庭や地域には子どもたちをより創造的なたくましい人間に育てる義務がある。塾通いで、どれだけ無駄な時間が失われるか知れない。
学習塾は不必要悪と思う。根底には競争社会下での漠然とした不安があるのだろう、親は表面的な安心感から塾に通わせ、子どもたちは親や社会環境の犠牲になっている。それでなくとも今、期待の中始まった「ゆとり教育」が見直され、学習環境は子どもたちにとり、強制的、管理的なものに変わりつつある。ペーパー学力偏重の机上の学習でなく、より体験的なバランスの取れた学び環境を取り戻さなければならない。
村営学習塾は地域の学力差を心配しての苦悩の教育施策のようだが、それには、小、中学校における少人数学級の実現が急務だと思う。(福島民報 掲載 2007.5.14)