昔の職場でお世話になっていた先輩を年始に訪ねた。大分御無沙汰していた。
先輩宅に伺い玄関のチャイムを鳴らすが返事がなかった。残念ながらお留守か?
でも、夜のうちにうっすら積もった玄関からの雪道に足跡を見つけた。すこし小さめの突っかけのような足跡は奥さんだろうか。足跡を辿ると、数軒先の玄関まで続き奥さんがドア越しに話をされていた。
先輩も在宅であった。何度もチャイムを鳴らしたが、2階にいて分からなかったらしい。何年ぶりだったろうか、近況を話し合い、またも健康でいられる幸せを思った。話はいつも同じ、今の世相と子どもたちのことなど教育談義であった。
先輩は奥さんとお二人の生活で、家の中はいつ訪ねてもきれいだ。応接間には私の贈った水彩の磐梯山の絵が飾ってある。もう20年来同じ位置で部屋を見つめている。いつも大事にして下さって、気恥ずかしい思いがした。
一時間ほどお邪魔し、昼前に辞去した。道すがら、しばらくぶりに通る東山慶山界隈の変わぬ落ち着いた風情を楽しんだ。道の脇には水量豊かに清らかな猪苗代湖からの清流が流れ、少し高台の畑から柿の木越しに真っ白な若松市内が静かに広がっていた。
先輩宅まで歩いて30分ほど、往復の運動量はけっこうなものだった。いつもの犬の意志にまかせた散歩とは違う。そのせいか夜足がつるほどだった。歩くことは身体全体にいいようだ。
しばらく家族以外の人と話をする機会がなかった。痩せすぎて頬もこけ、人前に出るのがためらわれていたが、昨年末から少し体重が増え、体調も良いので少し外へ出てみたい気持ちになった。わずかな時間だったが、久々にさわやかな外出となった。 (2008.1.19)