透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

すずめおどり

2006-05-24 | A あれこれ
友人のブログに反応。ただし夏祭りの話題ではありません。

松本地方の民家、本棟造りの緩勾配の切妻屋根の棟の両端の妻飾りを「すずめおどり」といいます。近くの郷原街道でもまだ散見できますし、松本の浅間温泉にも本棟造りの旅館があります。 

諏訪から茅野地方の民家は切妻の屋根を鉄平石で葺いていました(藤森照信さんは茅野の出身、地元産の鉄平石をよく使っていますね)。

切妻屋根の/\型の破風板の頂部を×状に交叉させて、そう両手でダメってサインを出してみてください、その上に更にへの字型の板をつけてひし形 ◇ にしていますが、(ちょっと説明が分かりにくいですね)この飾りも「すずめおどり」といいます。

現在ではあまり残っていませんが、電車の窓から注意深く見ていると今でも見つけることができます。松本地方の本棟造りの飾りと諏訪地方の民家の飾りは同じ名称ですが、全く異なるものです。両者を区別するために本棟造りの飾りを「からすおどし」という別名で紹介している民家の本もあります。私もそのように記憶しています。

私の推測ですが、すずめは身近で親しみやすい鳥ですから、屋根の上で遊ぶことを歓迎したのかも知れません。一方、からすは不吉な鳥といわれてますから、「からすおどし」をつけて追い払おうとしたのかも知れませんね。

建築用語には他にもよく動物が登場します。うま、とんぼ、ねこ、いぬ、あんこう、たこ、あり・・・ また、いつか書きましょう。