透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

民家 昔の記録

2006-05-27 | A あれこれ


諏訪の建てぐるみ(7905) 


塩山の突き上げ棟(7910)

■  民家 昔の記録 

先日民家のことを書きました。「すずめおどり」について両手でダメってサインを出して、などと書きましたが分かりにくかったでしょうね。昔撮った写真を、デジカメで接写してみました。

上の写真は諏訪の民家です。屋根の頂部を注意して見て下さい。「すずめおどり」です。蔵を包み込むようにして住宅が建っていますが、この地方に特有の「たてぐるみ」といわれるものです。この様子、文章だけで説明するのは難しいですね。

下の写真は山梨県塩山の突き上げ棟の民家です。棟の一部分を一段高くしてあります。養蚕のために、雨を防いで、採光と換気をきちんとする工夫です。 この2枚の写真の撮影は1979年、随分昔のことです。


 


ブックレビュー 0604、05

2006-05-27 | A ブックレビュー


○ブログで取り上げた本 

早いものです。ブログを始めてもう一ヶ月半。建築と、本に関することについて書いてきました。今までのブログに出てきた本をリストアップしてみました。意外に多いことに自分で驚いています。書棚のどこかに隠れてしまって見つからない本も何冊かありますが、ここで「ブックレビュー」。せっかくYさんに教えてもらった写真のアップの仕方、忘れないようにここで復習。 書名が分かりにくいですね、要工夫。


 


「涙小説」

2006-05-27 | A 読書日記

『鉄道員(ぽっぽや)』浅田次郎/集英社文庫

 確か「鉄道員」というイタリア映画があったと思う。 本のタイトルには「ぽっぽや」とルビが振られている。ルビ付きのタイトルはめずらしいのではないかな。作家のこだわりだろう。

もし「涙小説」という分類項目をつくるとすれば、この本は間違いなくそこに収められるだろう。映画化された表題作はじめ「涙小説」が8篇収められている。篇?、編? どっちかな・・・新潮文庫は編を、文春文庫は篇を使っているようだ。編は篇の代用字と国語辞典に出ていた。

本題。「ラブ・レター」の主人公高野吾郎は裏ビデオ屋の雇われ店長。偽装結婚していた中国人女性が亡くなったと知り合いの刑事に告げられる。

**「白蘭。いい名前だな。その、高野白蘭っていう女が病気で死んだから、仏さんを引き取りにこいってよ。まったく、なんでこんなことまで警察がやらにゃならねえんだ。以上、ちゃんと伝えたからな、すぐ行ってやれ」**

千葉の港町。総合病院の霊安室で吾郎は「はじめて」妻と対面する。

**美しい女だった。これが自分の妻だと思ったとき、吾郎はたまらず冷えきった頬を抱いて慟哭した。**

女性の持ち物を入れた紙袋の中身を検めると封筒がでてくる。女性が亡くなる直前に吾郎に宛てて書いた手紙、ラブ・レター。 私きっと死にます。から始まる手紙。

私が死んだら、吾郎さん会いにきてくれますか。もし会えたなら、お願いはひとつだけ。私を吾郎さんのお墓に入れてくれますか。吾郎さんのお嫁さんのまま死んでもいいですか。 

書いていて、また涙が・・・。 ベストセラーになった短編集。未読の方は、この手紙だけでも読んで欲しい、と思う。