カフェ・シュトラッセにて
● 今年(2008年)の4月、経済産業省は「2012年までに、白熱灯の国内製造・販売を中止し、電球形蛍光灯への全面切り替えを完了させる」との方針を表明しました。これを受けて、メーカー、例えば東芝ライテックは「2010年をメドに一般白熱電球の製造を中止する」と発表しました。ちなみに東芝ライテックは120年前に日本で初めて白熱電球を実用化したメーカーです。他のメーカーも同様に「エコ照明」への転換を発表しています。
白熱灯が無くなる・・・。
消費電力、白熱灯は蛍光灯の5倍。寿命、1/10(但し価格も1/10)となると、この方針に異を唱えるのはいかがなものかと確かに思ってしまいます。これでCO2が削減されるならいいじゃないかと。
私も「地球温暖化対策は急務、できることから始めよう」が理解できないわけではありません。でも優先順位を考えてもいいのではないかと思うのです。「優先順位?そんな悠長な」と反論もありそうですが、例えば日本全国津々浦々にあふれている飲み物などの自動販売機の撤去を先に実施して欲しい、と思います。景観も文化も、もう何もかも捨てて経済を優先するこの国のみっともない姿を少しでも排除しよう、と過激(?)に書いておきます。
白熱灯製造中止と自販機撤廃、どちらがCO2削減効果が高いか分かりませんが(必要なデータを調べれば分かるかもしれません)、どちらを先に廃止するかで文化度が分かるように思います。
「自動販売機の設置台数世界一はどこか」とクイズ番組で出題されたら日本?それともアメリカ?と一瞬迷いますが、日本!と答えれば正解なんですね。ダントツで日本、次がアメリカだそうです。ああ、やっぱり、本当に日本は情けない国、私はそう思います。
映画で寅さんが田舎で夕方目にした光景をさくらの家族やおいちゃんおばちゃんたちに語るシーンがありますよね。寅さんの長台詞が素晴らしいのですが、家族団欒を寅さんは窓からこぼれる白熱灯の明かりで知るんですよね。そう、決して蛍光灯の明かりではないはずです。
白熱灯の製造中止をメーカーが決めたのなら今のうちに「そっと」買いだめしておきましょう。