透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

どんど焼き/三九郎

2010-01-21 | A あれこれ

「どんど焼き」、松本地方では「三九郎」と呼称します。知人・友人に訊いてみると、小谷村(新潟県境の村)ではどんど焼き、木曽福島でもどんど焼き、千曲市も佐久もそう。では一体どこで呼称が変わるのだろうという疑問が浮かびます。

松本の東側は美ヶ原や高ボッチなどの山々が連なり諏訪地方とは地形的に分断されています。上田地方ともやはり山々で分断されていますから、そこで三九郎という呼称も切れているのでしょう、たぶん。

大町以北は、長野オリンピックのジャンプなどの会場となった白馬村、そしてその先の小谷村まで一応平野が続き、大糸線が通っています。一体どこで三九郎がどんど焼きに変わるのか・・・、大町はどっちだろう、白馬村は?

長野方面ではどこで呼称が変わるのか、木曽方面では? 調べてみたいと思います。

松本清張の芥川賞受賞作品『或る「小倉日記」伝』は小倉在住期間の森鴎外(明治32年から丸3年間小倉で生活していた)の日記が所在不明でその間の鴎外の暮らしぶりが分からないため、一青年が丹念に鴎外の事跡を捜して歩くというストーリーです。

小説のラストは**昭和二十六年二月、東京で鴎外の「小倉日記」が発見されたのは周知の事実である。鴎外の子息が、疎開先から持ち帰った反古ばかりはいった箪笥を整理していると、この日記が出てきたのだ。田上耕作が、この事実を知らずに死んだのは、不幸か幸福かわからない。**となっています。

この小説と同じように三九郎がどこでどんど焼きに変わるのか、調べ終えて地図上に線を引くことが出来たと思ったら、そのことを示す資料が見つかったりして。おそらく資料は在るでしょう。 でも自分で調べてみることに意義があると思います。


「星のない街路」

2010-01-21 | A 読書日記
 

 北杜夫の初期短編集 昭和48年に読んだ。昭和48年、1973年ということは、もう36、7年前のことだ。一昨日(19日)から再読している。変色した用紙、小さな活字。

北杜夫の作品は「マンボウもの」に代表されるユーモア作品と「幽霊」や「楡家の人々」などの純文学作品とに大別される。読者もマンボウ派と幽霊派に分かれるかもしれない。

私は「幽霊」とその続編「木精」が特に好き。だから「幽霊派」ということになるだろう。これらの作品に漂う寂寥感、孤独な翳りが好きだ。

書店の棚には北杜夫の作品はあまり並んでいない。多くの作品が絶版になってしまったのだろう・・・。幸いなことに私の書棚には単行本の他に40冊くらいの文庫本が並んでいる(大半が新潮文庫、次いで中公文庫)。

これらの文庫本を時々再読しようと思う。