■ 早いもので1月も今日で終わり。2月3日が節分、翌4日は立春!
1月のブックレビュー。
『神社の系譜 なぜそこにあるのか』**日本人は太陽を神として崇拝してきた。(中略)仏教では「西方浄土」といって西に「あの世」があるとするのも太陽崇拝の影響である。**この本は古今「東西」について、私なりの結論を得るのに参考になった。
『なぜ対馬は円く描かれたのか 国境と聖域の日本史』この本のタイトルから、日本列島が実際より東西方向にデフォルメされて描かれることがあるがそれはなぜ? この疑問について考える参考になるのではないか、と思って読んでみた。
『星のない街路』北杜夫の初期短編集。表題作は東ドイツから脱出してきたドイツの17歳の娘との交情を描いている。俗っぽい物語になってしまいそうだが、純文学に仕立てているのはさすが。「河口にて」は水産庁の漁業調査船の船医としてヨーロッパに出かけたときの体験がベースになっていると思う。「どくとるマンボウ航海記」も同体験を綴ったものだが、この「航海記」とは全く違った雰囲気の小説。
『日本辺境論』は辺境志向の日本人に関する論考だが、「奥」について考えるきっかけともなった。
『自然界の秘められたデザイン』著者はイギリスの大学教授。シンプルな数学的な秩序で成り立っている、という自然観。このことが「中心」志向のヨーロッパ人のベースになっていて、都市の構造にも反映されていると思う。「奥」志向の日本人とは対照的。このことについては改めて。