透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

生坂村五社宮の狛犬

2021-08-27 | C 狛犬

 久しぶりの狛犬。東筑摩郡生坂村下生野の五社宮に古い狛犬がある、ということをしばらく前に地元紙・MGプレスの記事(8月11日付)で知った。先日、所用で近くまで出かけた際、五社宮に立ち寄って観賞した。



一般的には向かって右側が口を開けている阿形(あぎょう)の獅子、左側が角があって口を閉じている吽形(うんぎょう)の狛犬、という配置だけれど、ここの狛犬はこの特徴からすると、左右逆。設置するときに左右間違えた、ということでないことは狛犬の姿形から明らか。まあ、何事にも例外はあるもの、この場合も何らかの理由でこうなっているのだろう(と割り切ってしまおう)。以下、便宜的に左右とも狛犬と書くことにする。

▽右側の狛犬




石段を登ったところに鎮座している狛犬。狛犬の際まで階段が迫っているので、正面から写真が撮れなかったが、全体のバランスは良い。目が青い。MGプレスの取材記者も目が青いことに注目したようで、いつ頃から青かったのか、取材を試みたようだが分からなかったという。このくらいの彩色なら気にならない。なかなか顔つきも好い。


▽ 左側の狛犬



つるりんちょな体 



尾がつるりんちょ(平滑)な体に貼り付くように彫られている。参拝する時は正面か側面しか目に入らないが、後ろ姿にも注目したい。バックシャンな狛犬も少なくない。




嘉永六丑年という刻字がある。その上の二文字が読めない。下は時?上は分からない・・・。読めないのは知らない漢字だからではなく、知識がないから。左側の文字は惣代世話人と読める。嘉永六年は西暦で1853年、黒船来航の年。この年に建立された。今から270年近く前のことになる。


△ 拝殿


△ 神楽殿