■ 寅さんシリーズ第44作「寅次郎の告白」。寅さんは誰に何を告白したのか・・・。
この作品も満男が主役で寅さんは脇役。満男のガールフレンド・泉ちゃんが就職活動で名古屋から上京。満男も同行して銀座の楽器店の面接を受けるが、上手くいかなかった。泉ちゃんが名古屋に帰ると、今度は母親の再婚問題。ある日、店の客を思しき男が夜遅く、母親と家に来る。前43作「寅次郎の休日」では家を出た父親のことで悩み、今作では母親のことで悩む泉ちゃんを満男と寅さんが元気づけるという物語。
満男のところに泉ちゃんから鳥取砂丘の絵はがきが届く。泉ちゃんが家出をしたことを彼女の母親からの電話で知った満男は鳥取へ。泉ちゃんは偶然(このシリーズに偶然は付き物)寅さんと会う。親切なお婆さんの家に1泊したふたりは、翌朝、鳥取砂丘へ。そこで満男は泉ちゃんと会うことができる。
3人はその後寅さん馴染みの女性の料亭に寄って食事。料亭の女将・聖子さん(吉田日出子)は10年前、寅さんを振って腕のいい板前と結婚。寅さんは食事の後、満男たちに(あえて絞れば満男に)女将が好きで所帯を持ちたいと思ったと「告白」。女将は旦那が1年前に亡くなったことを話す。墓参りにいく寅さんたち。寅さんは実に義理堅い。
予定を変更して女将の店に泊まることになった3人。寅さんは女将と夜通し酒を飲む。女将は部屋の灯りを消して・・・。寅さんと結婚すればよかったと後悔の言葉。今さらそんなことをいわれてもなあと返す寅さん。女将は寅さんに寄りかかり、胸に顔をうずめる。女将は昔のマドンナ、寅さんにはもう新たなマドンナは現れないのだろうか・・・。
翌朝、バスを待つ間、昨夜のことは何も無かったと言うふたり(何かあったのかもしれないし、本当に何もなかったのかもしれない。たぶん何もなかったと思う)。帰りの電車に乗った満男と泉ちゃんをホームで見送り、寅さんはまた旅立っていく・・・。
前の作品で満男は幸せって何だろうとあれこれ考えるが、この作品では、恋愛についてあれこれ考える。ぼくにはもう伯父さんのみっともない恋愛を笑う資格なんかないなぁ・・・。
女将を演じた吉田日出子さん、キュートでなかなか魅力的だった。
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