透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

松本市神林の火の見櫓

2021-09-13 | A 火の見櫓っておもしろい


(再)松本市神林北荒井 3脚66型 撮影日2021.09.12

 火の見櫓にアプローチする方向が違うと、周辺の様子や火の見櫓の印象が違うために既に見た火の見櫓だと気がつかないことがある。この火の見櫓もそうで、初めて見たと思った。確認して既に2013年の6月に見ていることが分かった(過去ログ)。8年ぶりの再会ということになる。



この火の見櫓でまず気がつくことは、屋根が柱の外側まで出ていないこと。木造住宅でも勾配屋根の軒出がないデザインを時々見かけるが、この火の見櫓もそれと同様。

それから見張り台の高さが約10メートルもあるのに、梯子が櫓の外側に設置されているということ。階高の低い3階建てビルの屋上の高さに相当する。その高さを外付け梯子で昇り降りするのはかなり怖いだろう。

脚部。一番下の水平部材(横架材)から柱下端まで斜材を入れているが、トラスにはなっていない。

消火ホース格納箱が傾いてしまっている。火の見櫓は使わなくても消火ホースは使うことがあるだろうから、直しておいて欲しいところ。


 


「39 男はつらいよ 寅次郎物語」

2021-09-13 | E 週末には映画を観よう

 寅さんシリーズ第39作「寅次郎物語」

母親さがし、幸せさがしの旅

オープニング、寅さんは中妻駅の待合室で寝ている。中妻駅ってどこ?分からなかったので調べてみた。関東鉄道常総線の駅だと分かった。ぼくはこの常総線で水海道駅で降り、駅近くの火の見櫓を見に行っている。中妻駅は水海道駅の二つ先の駅(常磐線の取手から水戸線の下館に向かって)で、その時この駅も通過していた。

とらやにリュックサックを背負った少年が訪ねてくる。少年の名前は秀吉、寅さんのテキヤ仲間の息子だった。秀吉君の父親が死に、母親(五月みどり)は家を出てしまっていて行方不明。秀吉君は父親から「オレが死んだら寅さんのところへ行け」と言われていたらしい。

母親が和歌山にいるらしいことが分かり、寅さんは秀吉君を連れて母親捜しの旅に出る。

大阪は天王寺、和歌山は和歌の浦、奈良は吉野、ふたりの旅は続く・・・。吉野の旅館で夜に秀吉君が急に熱を出して、寅さん大慌て。偶々隣の部屋に泊まっていた隆子さん(秋吉久美子)が看病を申し出て、寅さんは医者を呼びに行く。旅館に連れてきたのは既に引退したじいさん先生(2代目のおいちゃん、第6作「純情篇」でも医者役で出ていた)、しかも耳鼻科の先生。宿で秀吉君を診察する先生、寅さんと隆子さんを夫婦と勘違い。まあ、状況からして誰もふたりが赤の他人とは思わないだろう。

隆子さんは寅さんを子どもの父親だと思ってお父さんと呼び、寅さんはそれに合わせて隆子さんを母さんと呼ぶ。まあ、この辺りは寅さん映画的。

幸いにも秀吉君は翌朝すっかり回復する。その日、寅さんと隆子さんは連れ立って金峯山寺へ。そこでふたりは秀吉君の回復を喜び、隆子さんは寅さんに旅館にひとりで泊まった事情を話す。男と泊まる予定だったが断られてしまい、旅館の窓から飛び降りてしまおうかと思っていたことも告白する。

秀吉君の母親の居場所がようやくわかる。三重県の伊勢志摩。寅さんと秀吉君は隆子さんと別れて、母親に会いに行くことに。その前夜、3人は川の字になって寝る、本当の親子のように。

部屋で隆子さんは大事な人生を粗末にしてしまったと泣く。「まだ若いんだし、これからいいこといっぱい待ってるよ」と慰める寅さん。こういう場面の寅さんのことばは心に染みる。「そうね、生きててよかった、そう思えるようなことがね」と応える隆子さん。このあたり、この作品のテーマに関わる場面。

*****

伊勢志摩、賢島。秀吉君の母親は病気療養中。再会する親子。母親役が第28作「寅次郎紙風船」でテキヤ仲間(小沢昭一)の奥さんを演じた音無美紀子だったら、ぼくはぽろぽろ涙を流したかもしれない。彼女にピッタリの役だと思う。もちろん五月みどりも好演していたけれど。

母親と再会できた秀吉君を残して、船で島を離れようとする寅さん。急いで船まで走ってきた秀吉君は寅さんに一緒に帰ると言う。厳しく諭す寅さん。

船が岸を離れていく・・・、泣きながら桟橋を走って船を追いかっける秀吉君。「おじさ~ん、行っちゃだめ おじさ~ん おじさ~ん!」

泣かせる場面。

さくらさんが顛末を御前様に話している。「よかった。本当によかった。仏様が寅の姿を借りてその子を助けられたのでしょう」

また旅に出る寅さんを満男君が駅まで送っていく。駅前まできて、「人間は何のために生きてんのかな」と満男君。「生まれてきてよかったなあってことが何べんかあるじゃない、そのために人間生きてんじゃないのか。そのうちおまえにもそういう時が来るよ」と言い残して寅さん駅へ。

年が明けて、隆子さんがとらやに来ている。残念ながら寅さん旅の空。ふたりの再会場面、見たかったなあ。


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