■ 寅さんシリーズ第46作「寅次郎の縁談」を観た。
この作品では寅さんも満男君も相思相愛の恋をする。しかしそれはかりそめの恋。
就職活動が上手くいかない満男君は両親ともめて、家を飛び出す。東京駅からブルートレインに乗り、四国は高松へ。満男君は瀬戸内の小さな島に渡り、仕事を手伝いながら生活している。満男君はその島で看護師をしている亜矢ちゃんと仲良くなっている。
満男君を迎えに行った寅さん、満男君が下宿している家へ行く。そこで、病後の療養をしている葉子(松坂慶子)さんと出会い、一目惚れ。
満男君と亜矢ちゃんの恋は亜矢ちゃんの方が積極的で満男君にお弁当を作ってきて一緒に食べたり、手編みのセーターをプレゼントしたりする。ふたりは一緒になって島で暮らすんだろうなどと島の人たちから言われるように。
満君は伯父さんのことについて、亜矢ちゃんに「向こうがその気だったこともあるんだぜ。だけど伯父さんの方が逃げ腰になっちゃうんだ。見てて歯がゆくってさ」と言う。これに対して「じゃあ、満男さんにも遺伝してんや」と亜矢ちゃん。この後、逃げるように小屋に入っていった亜矢ちゃんを追いかけていく満男君。で、亜矢ちゃんが満男君に「好き」。となれば・・・。
寅さんはというと、元気になった葉子さんと金比羅参りに出かけて、その後高松の栗林公園へ。ふたりで茶店で休憩、「ね、なにかプレゼントさせて」と葉子さん。寅さんと色々話をしているうちに気持ちが安らいだことのお礼として。
ネクタイは? 締めない
コート 羽織らない
じゃあ、温泉にでも行く? おれ、風呂には入らない
第27作「浪花の恋の寅次郎」では夜遅くにおふみ(この役も松坂慶子)さんが寅さんの宿を訪ねてきた時、寅さんは男と女の関係になることを避けて逃げちゃったし、今回も温泉行きを断って逃げちゃった。 寅さん、満男君の言う通り。ダメじゃん、寅さん。
ある夜、葉子さんは満男君に「男の魅力はね。顔じゃお金じゃないんよ。あんたまだ若いから寅さんの値打ちがわからんのよ・・・」と言う。満男の「お姉さん、伯父さんのこと好きなんですか?」に、ゆっくり頷く。
*****
あんなこと、そんなこと、こんなことがあって(そんなに色々なかったか)、結局ふたりは、一緒に島を出ることに。
正月のとらや(正しくは「くるまや」)に、葉子さんが来ている。そう、マドンナにはとらやに来てもらわないと。寅さんに会いたくて来たのに、寅さん旅の空・・・、小豆島で啖呵売。
葉子さんと寅さんの結婚はないとしても、満男君は亜矢ちゃんと結婚して島暮らし、それもなしか・・・。泉ちゃんがいるから。船着場で別れ際、亜矢ちゃんは「就職のことなんかあるから・・・」と言い訳する満男君に「他にわけがあるんでしょ」と問う。満男君には他に意中の女性がいることが分かっていたのかもしれない。
亜矢ちゃんは新しい彼氏と小豆島に初詣に来て寅さんと再会(超偶然!)。「満男、お前はまた振られたぞ、ざまあ見ろ」と寅さん。
最後の方の作品はそうだけど、何だか物足りなく思うのは、この作品でも寅さんとマドンナ(葉子さん)の恋愛より、満男君と亜矢ちゃんの恋愛の方をメインに描いていること。
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