■ 既に何回か書いているが、文庫本の大半を昨年の5月に松本市内の古書店に引き取ってもらった(過去ログ)。 その際、いつか再読することがあるだろうと、夏目漱石と安部公房、北 杜夫の小説は自室の書棚に残した。
大半が新潮文庫だが、なぜか『吾輩は猫である』と『坊ちゃん』は別の出版社の文庫
このところ寅さんシリーズを観ることに時間を割いていたので、その分読書の時間が少なかった。『門』(新潮文庫1948年発行、1994年100刷)をようやく読み終えたが、直ちに再び読み始めた。
**二人の間には諦めとか、忍耐とか云うものが断えず動いていたが、未来とか希望と云うものの影は殆んど射さない様に見えた。彼等は余り多く過去を語らなかった。時としては申し合わせた様に、それを回避する風さえあった。**(35頁)
この理由(わけ)はずっと後になって明らかにされるが、既に一度読んでいるので分かっている。なぜだろうと、読み進む楽しみはなくなってしまっているが、二度目で気がつくこともある。久しぶりの漱石、文体に慣れたためか、二度目はずいぶん読みやすい。
この秋、漱石の作品を集中的に読むのも良いかもしれない。寅さんの次は漱石。 過去ログ