『第四間氷期』安部公房(新潮文庫1971年2刷)
■ 今年を『源氏物語』の年と決め、1週間に1,2帖のペースで読んでいる。全54帖だから一日一帖のペースなら2カ月で読み終えることができるが、敢えてゆっくり読書。で、『源氏物語』を読まない日は他の本を読むという日常。
同じことを何回も書くが、一昨年(2020年)自室の書棚のカオスな状態を解決しようと約1,700冊の本を古書店に引き取ってもらった。文庫本が最も多く、約1,100冊だった。夏目漱石、北 杜夫、安部公房は残した。この3人の作品は再読することがあるだろうと思ったので。他の作家の作品を読みたくなったらまた買い求めればよい、と割り切った。絶版ならあきらめようと。
昨日(21日)安部公房のSF、『第四間氷期』(過去ログ)を読み始めた。手元の新潮文庫は1971年発行、今から51年も前。ちなみに定価130円。
50年も前の文庫本は文字が小さく、用紙も変色して薄茶色になっている。だが、今の上質な白い用紙に大きな文字の文庫本より、集中できるし、「読んでいる」と、より強く感じる。
追記:114頁/269頁まで読み進めた。これはおもしろい。推理小説的な要素もあるし、今から60年以上も前に発表されたとは思えないような未来的な技術(今では実現している技術)が予見的に描かれてもいる。脳内の映像記憶の再生、という技術的アイディアも実現性はともかく「あり」だと思う。読了後にもう一度書きたい。