透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「現代建築の冒険」

2021-04-08 | A 読書日記


『現代建築の冒険』越後島研一(中公新書2003年) 

 自室の書棚の新書を整理した。建築関係の本を並べた書棚にあった新書を出版社別に並べた新書の書棚に移す作業をしていて、この本を手にし、再読した。2003年発行の本だが、おそらく読んだのもこの頃だと思われる。となると、17、8年ぶりの再読ということになる。「「形」で考える―日本1930~2000」という副題が付けられている通り、内容はタイポロジー(形態分類学)で捉えた現代建築の変遷。

・屋根付き解放型
・横はさみ型
・伸上る屋根型
・縦はさみ型
・屋根付き包み込み型

著者は日本建築は西洋館が数多く生み出された明治時代と昭和初期(1930年代)の二つの曲がり角を経て今日に至ったと指摘する。本書で著者は二つ目の曲がり角以降の流れの要所を捉え、日本建築の変遷を論じている。変遷は上のリストのような建築形態の型(プロトタイプ)の変化として明快に示されている。それぞれの型について示された代表例の複数の写真を見ながら論考を読むと、なるほど!と納得できる。なかなかおもしろい内容だ。

現在この本が入手できるのかどうが分からないが、建築デザインに関心のある方には一読をおすすめしたい。


 


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