東筑摩郡朝日村本郷の「抱肩握手像」
塩尻市洗馬下小曽部花見の「祝言跪座像」
■ 一昨日、昨日とちょっとした道祖神めぐりをしてアップしました。普段道端に道祖神を見かけても特に気にもとめずに通り過ぎていたのですが、観察してみると、石工のセンスの反映でしょうか、どれも個性的で表情が皆違うんです。
前稿で一応今回分は終わりにしようと思ったのですが、ボツにするつもりだった写真をアップしておきます。
上の道祖神は高さ70cmほどの小さな石に彫られた道祖神です。石の形や枠の形、デフォルメされた手などが素朴な印象を与えています。
下の道祖神は磨耗が進んでいて顔の表情も消えてしまっています。でもそれがほのぼのとした民話の世界を想起させるような雰囲気です。
前稿では桃の形をした枠についてチンセツをYちゃんに語ってしまったのですが、手元の本によるとこれが桃の実なのか、宝珠なのかは断定できないのだそうです。桃だとすると、記紀神話に繋がるとは既に書いた通りです。その部分を引用しておきます。
**死んで黄泉国にいる妻・イザナミの姿を禁を破って垣間見たイザナギは、激怒した黄泉国の者どもに追われる。地上と地下の境、黄泉比良坂にまで逃げてきたイザナギがそこにあった桃の実を投げつける。とようやく彼らは逃げ散った。桃には魔除けの効果があると考えられてきたのだから、道祖神の一部に取り入れられるのも当然だろう。**(「道祖神散歩」新潮社とんぼの本 より引用)
今回は以上で終わりです。いつか穂高や梓川などの道祖神も取り上げたいと思います。「山里道祖神めぐり」また次回。
参考にした本を挙げておきます。
「道祖神散歩」道祖神を歩く会 野中昭夫/新潮社とんぼの本
「道祖神」降旗勝次編/鹿島出版会
「双体 どうそじん」長野県山形村役場