透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

涼やかな紋様

2009-07-06 | A あれこれ



 

 

 

 

 

 

 




夏のフォトアルバム 撮影日090706

紫陽花

水戸部アサイを思い浮かべる
名前からの連想かもしれない
夭折した詩人立原道造の恋人
石本建築事務所で出会う二人
清楚なアサイは紫陽花のよう


 


蔵いろいろ 高知県後免

2009-07-06 | A あれこれ
 

 民家 昔の記録 高知県後免の蔵 198003

蔵もいろいろです。今回は今から30年近く前に訪ねた高知県後免で見かけた蔵。多雨地域のため、壁に水切瓦が付いています。

この地方独特のデザインです。妻壁の開口部の上部に付けられた水切瓦。前々稿で取り上げた南木曽町の蔵とはやはりデザインが全く違いますね。

そう、蔵もいろいろです。

「建築有情」

2009-07-05 | A 読書日記

 長谷川尭さんの『建築有情』中公新書を読み終えた。この本は1978年の3月に読んでいるから、31年ぶりの再読ということになる。

以下「回廊」からの引用

**<回廊>のデザインにとってもっとも重要な点は、あまり高くない柱の列に支えられたアーチのリズム、つまりアーケードとよばれる部分の意匠にある。中庭と廊下を仕切りながら、外気を歩廊の部分にまで引き込み、同時に庭と向こう側の廊下と空を見通すことのできるスクリーンのようなこの列柱とアーチの構成は、修道院建築の中でもっとも美しい部分であり(中略)<回廊>が本来歩くための空間であることから一定の間隔で立っている柱とアーチは、歩行者にそれぞれのリズムを与え(後略)**

モアサック修道院とアルハンブラ宮殿の「繰り返しの美学」な回廊の写真に長谷川さんはこのような文章を添えている。やはり表現力のある方だと思う。空間の魅力を文章にすることは易しいことではない。

「駅舎」と題する文章では御茶ノ水駅とそれを囲む都市空間の魅力を綴っている。

先週末、新宿駅から中央線で東京駅に向かっているときこの空間に注目していた。高架化された中央線が、この駅に近づくと谷底に向かうように沈んでいく。そこで目に入ってくるのが、乗客のために整備されたかのような緑の帯。無機的なビルの林が続く窓外の風景はここで緑の林に一変する。

「御茶ノ水空間」と著者は名付けているが、コンクリートの聖橋、鉄骨の御茶ノ水橋、そして植栽された土手の斜面などで構成されている空間は確かに魅力的だ。

実はセミナー終了後、この「御茶ノ水空間」の観察をしようかとも思っていたが、ギャラリー間を選択したのだった。次回はこの空間を観察しよう。

『建築有情』 良書は時の流れに耐える。


蔵いろいろ

2009-07-05 | A あれこれ




路上観察 南木曽町田立の蔵 090704

 茅葺の民家ほどには蔵のデザインに地域性は無いだろう・・・。これが、さにあらず。地域によって蔵のデザインもいろいろだ。今回は岐阜県中津川市と境を接する南木曽町田立で路上観察した蔵。

蔵には主として防火上の理由からそれ程大きな開口部は無い。特に妻壁にはあまり設けない。ところが路上観察したふたつの蔵は妻壁の上部に大きな開口部があった。庇は銅板葺きの薄いものをよく見かけるが、このような瓦葺のどっしりとした庇は私の記憶にない、記録にはあるかもしれないが。それと両開きの扉にも注目。妻壁の開口部には扉がないか、あっても普通片開きではないか。

蔵の壁の仕上げに用いられる漆喰は風雨で傷みやすいので、腰壁はなまこ壁や板壁にすることが多い。腰壁と上部の壁の見切りは普通下の蔵のように水平だが、上の蔵は屋根の勾配に合わせてへの字型になっている。鉢巻きも白と黒。このようなデザインから上の蔵は少しにぎやかな、というか派手な印象を受ける。

比して下の蔵は落ち着いた印象。どちらが好みかは人それぞれだろうが、私は下の蔵のデザインの方が好きだ。


 


カフェ@南青山

2009-07-04 | A あれこれ


Dragonfly CAFE  090703

 銀座のホテルで開催されたセミナー終了後、ギャラリー間で開催中の「カンポ・バエザの建築」を観た。金曜日は夜7時まで開館しているので間に合った。

その後南青山にあるカフェに出掛けた。コンクリートの屋外階段を上がり、店内へ。まず目に入ったのが正面奥に設えてある書籍コーナー。そして天井の高い店内、ゆったりとした空間、大きな窓を埋める屋外の緑。

カフェは表参道と青山通りの交差点から徒歩で数分の所にあるが、街の喧騒がうそのように静かだった。森を切り取って都会の真ん中に嵌め込んだかのような空間(ちょっと大袈裟かな)。

こんな空間でコーヒーを飲みながらゆっくり読書したらいいだろうな、それも小雨そぼ降る日に・・・。そう思いながらバルコニー席で軽く食事をした。

また来よう。 


「真田三代」

2009-07-02 | A 読書日記
 真田幸隆って誰? 

これでは歴女との会話は弾まない。真田幸隆は幸村のおじいちゃんってすぐ分からないと。いつまでも歴史に疎いなどと言ってばかりいないで戦国武将一番人気の真田幸村について少し読んでみよう。

とは言うものの、池波正太郎の「真田太平記」は新潮文庫で全12巻、読破するのはしんどい・・・。

そう思っていた矢先、新聞連載小説「真田三代」が始まった。「天地人」の原作者 火坂雅志さんが描く真田一族の物語。

これまで新聞の連載小説を読んだことは無かった。いや、松本清張の「影の地帯」を読んだような気がする。遠い記憶で曖昧だが。

ちょうどいい機会だ。この連載小説を読むことにしよう。

**カラマツ林を雨が濡らしている。
蜘蛛の糸をつないだような、銀色の小糠雨(こぬか)雨である。
五月雨のなか、真田幸隆は尻の張った黒鹿毛の馬を走らせていた。**

なかなか味のある書き出しではないか。

ブックレビュー 0906

2009-07-02 | A ブックレビュー



 6月に読んだ本のレビュー

今公開中の話題の映画「剣岳 点の記」の原作者 新田次郎の『槍ヶ岳開山』。播隆上人の真摯な生きざまに感銘を受けた。夫婦愛の物語とも読める。おすすめ本。

柴門ふみさんのエッセイ『ぶつぞう入門』『にっぽん入門』と続けて読んだ。すると文春文庫になっている残りの1冊『サイモン印』も気になる。先日新宿の紀伊国屋書店で購入して帰りのあずさで読んだ。やはり東京の大型書店はすごい。きちんと本が揃っている。

『サイモン印』に出てくるが、「紫門さん」と間違えられることがしばしばだそうだ。私はサイモンです!という、注意喚起のタイトルかも知れない。

武澤秀一さんの著書2冊。仏教の世界を建築的な視点から読み解いてみせた本。仏教と建築、ふたつの分野に精通していないと著すことができない。

写真には写っていない『のぼうの城』。 Mさんから借りた本では予想に反して一番面白かった。人望を得るとはどういうことか、考えさせられた。

長谷川尭さんの『建築有情』中公新書をおよそ30年ぶりに読み始めた。なかなか興味深い指摘がある。読了後に取り上げようかな。