透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

諏訪市四賀の「火の見櫓」バス停

2021-12-19 | A 火の見櫓っておもしろい


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(再)諏訪市四賀細久保 3無33型 撮影日2021.12.12

 2017年の9月に既にこの火の見櫓を見ているが、その時は「火の見櫓」というバス停に気がつかなかった。だが、写真にはバス停が写っていて、「火の見櫓」という文字も確認できる。やはり注意深く観察しないと、いや観察しても見落とすことがある。やはり2度3度と見ないといけない。

外付け梯子で見張り台まで直登するようになっている。



3角形の屋根の下にスピーカーが設置され、手すりにもなにやら盤が設置されている。半鐘はここに無く、主役の座を明け渡してしまっている。



櫓の中間に半鐘を設置してある。踊り場がないから、梯子に立った状態で叩くことになる。ちょっと消防団員への配慮が足りないんじゃ、でも火の見梯子の多くは同様な対応。



地区の掲示板とバス停 ブレースの丸鋼が見えていて、脚部の設えがなされていないことが分かる。

本稿で12月12日の茅野方面の火の見櫓巡りの記録(全11基)終了。


 
本稿がちょうど7000稿目だった。 


1325 茅野市湖東の火の見櫓

2021-12-19 | A 火の見櫓っておもしろい


1325 茅野市湖東 4脚444型 撮影日2021.12.12



 美しい火の見櫓の要件としてなだらかなカーブを描きながら末広がる櫓と下端までトラス構造の脚、大きさのバランスが良い屋根と見張り台、以上の3点が挙げられる。この火の見櫓はこれらの要件を満たしており美しい。スピーカーが無ければ尚良いが・・・。見張り台の高さは約11.5メートル。錆びもなく良好な状態が保持されている。



屋根は軒近くの反りがきついが三重塔、五重塔を思わせる形。隅切りした見張り台の手すり。飾りはよくあるデザイン。消火ホースを掛けるフックが付いている。



外付け梯子から踊り場に入る開口部の構成。端正にできている。ここにも半鐘と懐かしいデザインの照明器具が設置されている。


手本となるような美脚。


 


「9 男はつらいよ 柴又慕情」

2021-12-19 | E 週末には映画を観よう

 寅さんシリーズ第9作「男はつらいよ 柴又慕情」

「寅さん」ってどんな映画なのか紹介するとき、ストーリーの展開についてはこの作品を取り上げるのが好い。

①旅から柴又に帰ってきた寅さんがとらやで大喧嘩してまた旅に出ていく。
②旅先でマドンナと出会い、楽しいひと時を過ごす。
③旅先で別れて、その後寅さんは再び柴又に帰ってくる。
④しばらく経って、マドンナがとらやに寅さんを訪ねてくる。
⑤マドンナの好意的な振舞いに寅さん勘違い、でウキウキ。
⑥実はマドンナには好きな人がいることが分かる。
⑦寅さん、失意の旅に出る。
⑧旅先で寅さん元気を取り戻している。

とまあ、こんなプロットになる。

①旅から帰って来た寅さんがとらやの店先に吊り下げてある「貸間有り」の札を見て「もうお前の住むところはないよ」って読めたな、と腹を立てる。これが発端となりすったもんだの大騒ぎ。で、怒ったおいちゃん「おまえが帰ってくるのは迷惑だよ!」。

②金沢。マドンナの歌子ちゃん(吉永小百合)が友だちふたり(マリ、みどり)と観光地を歩いている。兼六園の近くで啖呵売する寅さんを見かける。その夜、偶然3人と同じ旅館に泊まった寅さん。
福井。永平寺。みそ田楽の店で寅さんと歌子さん、ついにごたいめ~ん。
店の前で記念写真を撮ることに。で、寅さん「バター」。この一言で一気に打ち解けて一緒に楽しく観光。別れる時「寅さん、どうもありがとう。本当に楽しかったわ。(中略)会えてよかった」と歌子さん。

③柴又に帰って来た寅さん、マリとみどりに偶然再会。寅さんシリーズには偶然の再会が欠かせない。「歌子さんたら、あれから寅さんのことばっかり話してるのよ」とみどりから聞いて寅さんご機嫌。

④それから何日か経ち、「寅さん わたしよ、歌子です」とマドンナ再登場。 
「マリちゃんやみどりさんから寅さんに会った話聞いてね、もう矢も楯もたまらず来てしまったの。会いたかったわ~」
茶の間で歓談。やはりマドンナはとらやの茶の間で寅さんはじめおいちゃんやおばちゃん、さくら、博たちとお茶したり、食事をしないと。そういう団欒の設定がないとダメ。

⑤柴又駅のホームで「またおいでよ」と寅さん、歌子さんがうれしそうに「うん」。寅さんルンルン。その後のことは省略。寅さんが怒ってまたとらやを出て行こうとする、まさにその時に歌子さんがやって来る。で寅さん何事もなかったかのように振る舞い、茶の間でまた団欒。

⑥歌子さんの少し寂し気な表情をさくらは見逃さない。さくらはいつもマドンナの心模様を察する。とらやに泊まることになった歌子さんがさくらに父親ともめていることを話す。「なにか、あったの?」と問うさくらに「父と、ちょっとね」と泣きそうになりながら。さくらのアパートで歌子さんはさくらと博に「結婚相談」をする。

アパートに歌子さんを迎えに行った寅さん、帰り道で結婚相談をしていたことを歌子さんから明かされる。「(前略)私決心がついたの。彼と結婚することを」自分のことかと思っていた寅さんのおめでたいこと。

⑦江戸川の土手。旅立つ寅さんのかばんには旅先の福井で歌子さんからもらった鈴が付いている。
「幸せになれそうでよかったね、歌子さん」
「うん」
「やっぱり寂しいの?」
「なんで?どうしておれが寂しいのよ」
「じゃあ、どうして旅に出てっちゃうの?」
ほら、見な。あんな雲になりてえんだよ」こんなセリフ、言ってみたいなぁ。

⑧再び旅に出た寅さん。舎弟の登と再会、これもすごい偶然。川で手を洗っている登に向かって「おい、兄さんケツちゃんと拭いたか?」。

これで第24作「寅次郎春の夢」1作品のみ。


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茅野市湖東の火の見櫓

2021-12-18 | A 火の見櫓っておもしろい


(再)茅野市湖東新井 4脚4444(倉庫またぎ)型 撮影日2021.12.12

 美しいフォルムの火の見櫓。背が高く、見張り台の高さは約14.5メートル。踊り場が2か所ある。




上の踊り場は消火ホースを乾燥させる作業をするためにカンガルーポケットなつくり。


下の踊り場(高さ約6.5メートル)にも半鐘を吊り下げてある。見張り台まで登るのは大変だが、ここまで外付け梯子を登るのは容易だろう。


櫓内に倉庫を絶妙に納めている。


 


民家を訪ねて

2021-12-18 | A あれこれ


茅野市北山糸萱にて 撮影日2021.12.12

 八ヶ岳山麓には古くから集落が形成されていて、上掲写真のように蔵が立ち並ぶ通りもある。今月12日に茅野市に出かけたのは火の見櫓巡りすることだけでなく、蔵を見るためだった。

糸萱には土蔵の他に板倉もある。


土蔵の見どころは壁に施された左官職人のアートな仕事


牛鼻の大黒様




窓の意匠


せいろう倉


落し板倉(せいろう倉とは構法が違う)
 
交叉させただけの破風板(左)と交叉させた破風板の小口を板で塞ぎ、その結果出来るひし形の中を飾った「雀おどり」(右)


火の見櫓もおもしろいけれど民家もおもしろい。


1324 火の見櫓の脚の有無 

2021-12-18 | A 火の見櫓っておもしろい


1324 茅野市北山糸萱 3無無無型 撮影日2021.12.12

 火の見櫓を分類する観点は例えば1323(前稿)のようなごく一般的な形の火の見櫓で考えて決めた。だから今回のようなそれらとは形が違うものはすんなり分類・タイプ分けができない。脚としての設えの有無、櫓の部分とは異なるデザインが施されているのかどうか、この観点からすると、この火の見櫓に脚は無いということになる。だからこの火の見櫓は3無無無(柱3本、脚無し、屋根無し、見張り台無し)型。


 


茅野市湖東の青面金剛像

2021-12-17 | B 石神・石仏


茅野市湖東須栗平 須栗平公民館の近く 撮影日2021.12.12

何基も立ち並ぶ石造物、中央の青面金剛像に注目。



 この石碑形を舟後光型としてよいのかどうか、分からない。頂部をシャープな形に整えた碑に彫られた一面六臂の青面金剛像。顔はよく分からないが、怒りの表情か。持物もよく分からない。これは像がはっきりしないこともあるが、私に知識がないから見えないということ。碑の高さは約110cm、碑の幅約60cm、碑の厚さ約20cm。例によって像の下に三猿が彫られている。三猿だと分かるのは知識があるから。そうでなければこの状態では全く分からない。


 


「4 新・男はつらいよ」

2021-12-16 | E 週末には映画を観よう

 寅さんシリーズ全50作(*1)のうち、第4作、第9作、第24作、第49作をまだ観ていなかった。先日(14日)第4作の「新・男はつらいよ」を観た。第49作は第25作「寅次郎ハイビスカスの花」の特別篇で、両作品に大きな違いがあるわけではないだろうから、観なくてもよい。で、残りは第9作と第24作のみになった。

さて、「新・男はつらいよ」。

競馬で大穴を当てて名古屋からタクシーで柴又に帰ってきた寅さんが、おいちゃんとおばちゃん孝行を考えてハワイ旅行を計画する。納めた旅行代を旅行会社の社長に持ち逃げされてしまうが、近所の手前、羽田まで行き、深夜にとらやに帰る。ひっそり隠れていると、泥棒(財津一郎)が・・・。その騒動でハワイには行かなかったことが近所にバレてしまう。

おいちゃんたちともめて、寅さんはとらやを飛びだしていく。ひと月後、とらやに帰ってくると、幼稚園の先生・春子(栗原小巻)が2階に下宿していて、寅さん一目惚れ。だが、マドンナには恋人がいて・・・。

マドンナは前半の騒動に全く関わっていないし、後半で寅さんともそれ程関わっていない。寅さんの旅先の様子も描かれていない。残念ながら印象に残るような作品ではなかった。

第1作「男はつらいよ」のマドンナは御前様の娘・冬子だったが、冬子には婚約者がいて、寅さんあえなく失恋。第2作「続・男はつらいよ」では恩師の娘・夏子に惚れるものの、夏子は寅さんが入院した病院の医師と恋仲になっていて・・・。どうも初期の作品はこんな設定で、寅さんがかわいそう。寅さんがその気になれば実る可能性のある恋でないと面白くない。第10作「寅次郎夢枕」では、幼なじみの千代(八千草薫)が寅さんに恋するという設定だった。第28作「寅次郎紙風船」のテキヤ仲間の女房(音無美紀子)、第29作「寅次郎あじさいの恋」のかがり(いしだあゆみ)、第32作「口笛を吹く寅次郎」の朋子(竹下景子)も同様で寅さんがその気になれば恋は実った。だが、寅さんはいつも逃げてしまう・・・。このパターンが好きだなぁ。

*1 第49作、第50作をカウントしないで全48作とする寅さんファンも少なくないようだ。


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1322 茅野市湖東の火の見櫓

2021-12-16 | A 火の見櫓っておもしろい


1322 茅野市湖東須栗平 須栗平公民館 4脚6〇〇型 撮影日021.12.12

 柱が4本、平面が4角形の櫓の場合、前後の柱が重なる真正面か真横から見ると、櫓の姿形がよく分かる。この火の見櫓はなだらかなカーブを描いて上方に徐々に逓減していて、その様が美しい。中間の踊り場も櫓に対する大きさのバランスが好い。スピーカーの設置が残念。この火の見櫓は背が高く、見張り台の高さがおよそ13メートル。屋根のてっぺんまでは16メートルくらいか。


4本柱と6角形の屋根の組み合わせは少ない。端正な見張り台の手すりは私の好み。


踊り場に吊り下げた半鐘。ブラケットの先が蕨手のよう。半鐘に小屋根が無いのはちょっと残念。


脚部 正面だけ他の3面とつくりを変えているが、その必要はなかったのでは。正面も他の面と同じ構成の方が好ましい。


 


1321 茅野市湖東の火の見櫓

2021-12-15 | A 火の見櫓っておもしろい


1321 茅野市湖東金山  4脚444型 撮影日2021.12.12


 整った姿形の火の見櫓が金山公民館の植栽された前庭に立っている。見張り台の高さは約9.5メートル。


脚部もなかなか好い。この火の見櫓も脚元に半鐘が吊り下げられている。半鐘と消防信号板のこの位置関係は疑問だが、信号板は櫓の正面に設置されていることが多いような気がするがどうだろう。このことについて今まで見てきた火の見櫓で確認したい。

   
龍頭もあれば乳や帯、撞座もある。寺の梵鐘(小鐘)と同じ木型でつくられたと考えることもできるだろう。


 


茅野市豊平の火の見櫓

2021-12-14 | A 火の見櫓っておもしろい

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右端の石材店の看板の後方に心光寺駐車場の火の見櫓(1320)が写っている。


(再)茅野市豊平南大塩 4脚444型 撮影日2021.12.12

 前稿で紹介した子宝道祖神のすぐ近くに立っている火の見櫓。末広がりの櫓、プロポーションが良い。屋根と見張り台の大きさが程よく、櫓とのバランスも良い。見張り台の高さは約10メートル。


小さい蕨手。避雷針に飾り無、見張り台の手すりにも飾り無し。半鐘が無くて、サイレンとスピーカーが設置されている。

この写真で櫓内の梯子に手すりが設置されていることが分かる。外付け梯子には手すりが設置されていることが多いが、櫓内の梯子の手すりは珍しい。


茅野では脚元に半鐘が設置されていることが少なくないようだ。

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半鐘には東京市〇田製とある(〇は字が分からない)。東京市は1889年(明治22年)設立されて1943年(昭和18年)東京府と統合、東京都となっているから、この半鐘は戦前につくられたものと思われる。この火の見櫓の建設年が1963年(昭和38年)だと知った(*1)。戦前にも火の見櫓があって、そこに吊り下げられていた半鐘を、戦後になって建設された火の見櫓に吊り下げたのだろう(*2)。この半鐘は戦時中の金属供出を免れたものと思われる。火の見櫓にもそれぞれ歴史・物語がある、ということだ。


*1 それがしさんのブログによる。
*2 2022.04.24追記 寺の梵鐘(半鐘)などの転用ということもあるようだ。


子宝道祖神

2021-12-14 | B 石神・石仏


子宝道祖神 茅野市豊平南大塩 撮影日2021.12.12

 五穀豊穣、家内安全、子孫繁栄、無病息災。路傍に祀られている道祖神には村びとの色んな願いが込められている。これは子宝道祖神。ということで、左はずばり陽石。右は双体道祖神だが、摩耗していて、像の姿形は良く分からない。二股、いやそれ以上ある大根やアケビという賽物。


設置された案内板には、なるほど!な説明が書かれている。


 


1320 茅野市豊平の火の見櫓

2021-12-13 | A 火の見櫓っておもしろい




1320 茅野市豊平 心光寺駐車場 4脚8〇4(貫通)型 撮影日2021.12.12

 大型の火の見櫓。見張り台の高さは14.5メートルくらい。4脚に8角形の屋根と円形の見張り台という組み合わせはそれほど珍しくはないが数は少ないかもしれない。この辺で8角形の屋根は珍しい。4脚(4柱)の場合、1319の火の見櫓のように屋根も見張り台も4角形が多いと思う。

櫓のプロポーションは良いと思うが、屋根と見張り台が櫓の大きさに比して小さい、という印象。機能的に必要以上に大きくする必要はもちろんないが。



下り棟の先の蕨手が巻いていない。表面が平滑な(このことを「つるりんちょな」と形容している)半鐘を中心部に下げてあ*1見張り台の手すりのデザインがなかなか魅力的だ。建築の階段の手すりのデザインも見倣いたい。消火ホースを引き上げるための滑車を付けてある。必要なものではあるが、見た目には無い方がよい、などと勝手なことを書く。消火ホースを乾燥させるという役目があるから撤去されずに残っている場合が多いのだから、是としなくては。



櫓中間の踊り場にも半鐘を下げてある。サイレンも設置してある。踊り場として、大きさはこれで充分だろうが、見た目には櫓の外側まで張り出すような(東京タワーの展望台のように)大きさの方が好ましい。



この火の見櫓も脚元にも半鐘を吊り下げてある。消防信号板も設置してある。RC(鉄筋コンクリート)造の倉庫に火の見櫓の脚が刺さっている。近づくと・・・。


なぜ? 

・共持ち効果で倉庫も火の見櫓の脚部も強くなる、たぶん。
・倉庫が広くなる。

他には考えられないなあ。