和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

輝いている。

2016-11-20 | 道しるべ
「新潮45」12月号。
曽野綾子氏の連載「人間関係愚痴話」は
「朴槿恵・韓国大統領の表情は・・・」
と始まっておりました。

その同ページの下に
「朴槿恵氏は、今年六十四歳だという。
まさに働きざかりである。
女性でも男性でも、六十代、七十代は、
輝いている年だ。多くの体験があるから、
ものの見方も人間の理解度も深くなっていて、
組織はその才能を十分に使える年である。」

うん。この箇所、本文には、直接関係なさそうな
箇所なのですが、それにしても、
1931年生れで、現代85歳の曽野綾子氏には、
六十代、七十代というのは、
「輝いている年」だと知っている、
そして、そう見ている、
というのが伝わってくるのでした。


「新潮45」に新聞歌壇を
とりあげた文がありました。
浅羽通明氏で「嗚呼、新聞歌壇の人生」。
毎日歌壇・日経歌壇・朝日歌壇
とならんでおり、
読売歌壇しか読んでいない私には
それなりに、新鮮でした(笑)。
でも、読売歌壇だけ
読んでいればいいや、と思える内容。
ちなみに、最後の方に、
一箇所だけ、読売歌壇からの引用が
ありました。その読売歌壇投稿短歌を
せっかくだから、孫引き。

 Eメールの相手つぎつぎ召されゆく
    あの世そろそろ圏内となれ
   東大和 板坂寿一(2016年10月31日)




復本一郎著「俳人名言集」(朝日新聞社・のち文庫になる)
を昨日どうやら、読みおわる(笑)。
読んでみたい本が、さりげなく取り上げられて
キョロキョロ読書の私には目に毒。
俵万智さんも登場しておりました。
こんな登場の仕方です。

「俵万智などという、今まではもっぱら
俳句の領分であった『俗語』を、
自由自在に駆使する歌人も登場したことでもあるし、
『俳句とは何か』を再検討しつつ作句(俳句を作る)
することは、必要なことであろう。」(p140)


はい。この復本一郎氏の本を読んで、
ネットで、この人の古本を数冊注文する。

連句のイロハを学ぶと、
物の見方がかわります。
うん。私は六十代にして、
連句を読めるのだ(笑)。

たとえば、
新聞の見出しというのは、あれは俳句。
短いし、何よりも、
新聞は見出ししか見ない(笑)。
そうすると、
俳句鑑賞というのは、
新聞の「見出し鑑賞」みたいになる。
それではと、
雑誌の対談・座談・鼎談が、連句なのだな。
そう、思ってみる楽しみ。

これからは、
俳諧を楽しんでいる方の、本を読める楽しみ。


「杉風(さんぷう)へもうし候。・・・・
死後まで忘れがたくぞんじ候。・・・
いよいよ俳諧御つとめて、
老後の御楽しみになさるべく候。」

これを復本一郎氏は説明して

「芭蕉の遺言状三通の中の一つに見える言葉である。
・・杉風は、芭蕉の終始かわらぬ庇護者、
その杉風への感謝の言葉、永訣の言葉は、我々の胸を打つ。
・・・俳諧を、老後の楽しみとするのは、芭蕉の持論。・・」
(p123)
コメント (2)
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