映画「ナイトメアアリー」を映画館で観てきました。
映画「ナイトメアアリー」はギレトモ・デル・トロ監督の新作である。nightmareすなわち悪夢という響きには何かありそうと公開を首を長くして待っていた。ブラッドリークーパー主演で、ケイトブランシェットにルーニーマーラと人気俳優が出演している。先入観なしで映画館に向かう。
1939年の世界大戦寸前のアメリカ、野生のような男を獣人としてショーを行う見世物小屋があるカーニバル(移動遊園地)に1人の流れ者スタン(ブラッドリークーパー)がたどり着く。芸人のジーナ(トニコレット)に気に入られ職を得たスタンは読心術を学んだ後で、芸人のモリー(ルーニーマーラ)を引き連れて大都会に向かい、ショーで読心術を披露しながら成功を夢見るという話である。
おもしろく観れたのには違いないが、ギレトモ・デル・トロ監督の名作「シェイプオブウォーター」ほどの感激はなかった。スリラーの要素は思いのほか少ない。
最初の1時間は、ブラッドリークーパーが流れ着いた見世物小屋での話が続く。まずはカーニバル内の美術のきめ細かさに驚く。日本の縁日あたりで昔見た見世物小屋は、もっと稚拙でアバウトな絵柄、文字で作られている。ギレトモデルトロ監督がディテールにこだわっているのがよくわかる。「上海からきた女」でオーソンウェルズとリタヘイワースが紛れ込む遊園地場面を思わず連想する。ウィレムデフォー、ロンパールマンをはじめとした脇役陣が映画を引き締める。
ニューヨークに行ってからは、ハイセンスな映像に一変する。洗練されたインテリアのセンスがいい。1940年前後の都会のネオンがいい感じで映し出されている。
⒈ブラッドリークーパー
大草原の中の家で、ブラッドリークーパー演じるスタンが放火をする場面からスタートする。見始めてすぐは情報が少ないので、「何なの?」と思いながら、見世物小屋のシーンに移る。どうやら流れ者のようだ。単なる観客だったのが、いつのまにか旅まわり一座のメンバーに加わる。
男前なので、トニコレット演じる読心術の芸人に気に入られる。風呂に入っているブラッドリークーパーのアソコにトニコレットが手を伸ばすシーンは中年女のエロチシズムを感じる。
トニコレットは呑んだくれのオヤジと読心術のコンビを組んでいた。オヤジの持っているアンチョコのような手帳には芸の秘密が隠されていて、それを会得したブラッドリークーパーは一気に一座で存在感を示すようになるのだ。
この映画でブラッドリークーパーが引き立つシーンが2つある。カーニバルに立ち入り調査に入ってきた警察との頭脳的立ち回りとケイトブランシェットがトリックを見破ろうとする時の立ち回りである。この危機脱出場面はいずれも絶妙なトークで楽しませてくれる。
⒉ルーニーマーラ
旅まわりの見世物小屋では読心術のサインの連携と、電気ショックに耐える感電ショー担当だ。「ドラゴンタトゥの女」ではかなりはじけた女を演じたが、その後はカワイイ系で通している。ブラッドリークーパーに口説かれ、一座を離れ大都市に向かう。
「キャロル」の時はキュートなファッションが可愛く、タータンチェックの帽子が印象的だった。ここでもニューヨークに行ってからは、ユダヤ帽のように頭にちょっとのせただけの帽子をかぶっている。かわいい。今回は「キャロル」の時と同様にケイトブランシェットが共演、2人が揃う場面にはあの時のレズビアンの関係を思い出しゾクゾクしてしまう。
⒊ケイトブランシェット
ニューヨークに進出したスタン(ブラッドリークーパー)とモリー(ルーニー・マーラ)がナイトクラブで読心術のショーをやっている。ショーに来ている街の有力者が持つ家族の秘密を読み取り、喝采を浴びている。その有力者に同伴しているのがリリス(ケイトブランシェット)だ。ケイトもいい歳だが、登場すると華がある。さすがの貫禄だ。そして、スタンのインチキを暴こうと食い下がる。この対立が見せ場だ。
実はリリスは博士号を持つ心理学者だった。ショーでの対立を経て、2人がコンビを組むのだ。彼女が以前カウンセリングした金持ちに取り入ろうとする。ある意味事前情報を得た上で、読心術を使う八百長みたいなものだ。そこには罠もあったのだ。そんな感じの騙し合いの構図はおもしろいが、ここに来るとスタンのパワーが落ちる。最終のオチは良いのだが、それまでのラストの展開にはちょっと疑問。
映画「ナイトメアアリー」はギレトモ・デル・トロ監督の新作である。nightmareすなわち悪夢という響きには何かありそうと公開を首を長くして待っていた。ブラッドリークーパー主演で、ケイトブランシェットにルーニーマーラと人気俳優が出演している。先入観なしで映画館に向かう。
1939年の世界大戦寸前のアメリカ、野生のような男を獣人としてショーを行う見世物小屋があるカーニバル(移動遊園地)に1人の流れ者スタン(ブラッドリークーパー)がたどり着く。芸人のジーナ(トニコレット)に気に入られ職を得たスタンは読心術を学んだ後で、芸人のモリー(ルーニーマーラ)を引き連れて大都会に向かい、ショーで読心術を披露しながら成功を夢見るという話である。
おもしろく観れたのには違いないが、ギレトモ・デル・トロ監督の名作「シェイプオブウォーター」ほどの感激はなかった。スリラーの要素は思いのほか少ない。
最初の1時間は、ブラッドリークーパーが流れ着いた見世物小屋での話が続く。まずはカーニバル内の美術のきめ細かさに驚く。日本の縁日あたりで昔見た見世物小屋は、もっと稚拙でアバウトな絵柄、文字で作られている。ギレトモデルトロ監督がディテールにこだわっているのがよくわかる。「上海からきた女」でオーソンウェルズとリタヘイワースが紛れ込む遊園地場面を思わず連想する。ウィレムデフォー、ロンパールマンをはじめとした脇役陣が映画を引き締める。
ニューヨークに行ってからは、ハイセンスな映像に一変する。洗練されたインテリアのセンスがいい。1940年前後の都会のネオンがいい感じで映し出されている。
⒈ブラッドリークーパー
大草原の中の家で、ブラッドリークーパー演じるスタンが放火をする場面からスタートする。見始めてすぐは情報が少ないので、「何なの?」と思いながら、見世物小屋のシーンに移る。どうやら流れ者のようだ。単なる観客だったのが、いつのまにか旅まわり一座のメンバーに加わる。
男前なので、トニコレット演じる読心術の芸人に気に入られる。風呂に入っているブラッドリークーパーのアソコにトニコレットが手を伸ばすシーンは中年女のエロチシズムを感じる。
トニコレットは呑んだくれのオヤジと読心術のコンビを組んでいた。オヤジの持っているアンチョコのような手帳には芸の秘密が隠されていて、それを会得したブラッドリークーパーは一気に一座で存在感を示すようになるのだ。
この映画でブラッドリークーパーが引き立つシーンが2つある。カーニバルに立ち入り調査に入ってきた警察との頭脳的立ち回りとケイトブランシェットがトリックを見破ろうとする時の立ち回りである。この危機脱出場面はいずれも絶妙なトークで楽しませてくれる。
⒉ルーニーマーラ
旅まわりの見世物小屋では読心術のサインの連携と、電気ショックに耐える感電ショー担当だ。「ドラゴンタトゥの女」ではかなりはじけた女を演じたが、その後はカワイイ系で通している。ブラッドリークーパーに口説かれ、一座を離れ大都市に向かう。
「キャロル」の時はキュートなファッションが可愛く、タータンチェックの帽子が印象的だった。ここでもニューヨークに行ってからは、ユダヤ帽のように頭にちょっとのせただけの帽子をかぶっている。かわいい。今回は「キャロル」の時と同様にケイトブランシェットが共演、2人が揃う場面にはあの時のレズビアンの関係を思い出しゾクゾクしてしまう。
⒊ケイトブランシェット
ニューヨークに進出したスタン(ブラッドリークーパー)とモリー(ルーニー・マーラ)がナイトクラブで読心術のショーをやっている。ショーに来ている街の有力者が持つ家族の秘密を読み取り、喝采を浴びている。その有力者に同伴しているのがリリス(ケイトブランシェット)だ。ケイトもいい歳だが、登場すると華がある。さすがの貫禄だ。そして、スタンのインチキを暴こうと食い下がる。この対立が見せ場だ。
実はリリスは博士号を持つ心理学者だった。ショーでの対立を経て、2人がコンビを組むのだ。彼女が以前カウンセリングした金持ちに取り入ろうとする。ある意味事前情報を得た上で、読心術を使う八百長みたいなものだ。そこには罠もあったのだ。そんな感じの騙し合いの構図はおもしろいが、ここに来るとスタンのパワーが落ちる。最終のオチは良いのだが、それまでのラストの展開にはちょっと疑問。