映画とライフデザイン

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「マイ・ディア・ミスター(私のおじさん)」イ・ソンギュン&IU

2022-06-18 17:18:16 | 映画(韓国映画)
「マイ・ディア・ミスター(私のおじさん)」は2018年の韓国ドラマ


仕事で関係する女性税理士と雑談しているとき、映画好きの自分に韓国ドラマ「マイディアミスター」を勧めてきた。Netflixに人気韓国ドラマはたくさんあるけど、「イカゲーム」しか見ていない。題名をNetflixに見つけたので、見てみるかとピックアップする。

主役はアカデミー賞作品パラサイトで豪邸の主人役だったイ・ソンギュンである。全16話だし、一回あたりが1時間20分近くある。映画一本観るのとあまり変わらない。これは全部見るの無理かな?それでも、見始めるとおもしろいイ・ソンギュンの部下役の影のある派遣社員がいい味出していて、気がつくと毎日少しづつ見続けて16話終了した。

大手の構造設計の会社サムアンE&C で部長をしているパク部長(イ・ソンギュン)の元に、5000万ウォンの商品券が送られてきた。処置に困って机に入れたが、翌朝見当たらない。最終的に見つかるが、その紛失にはパク部長の部下のイ・ジアン(IU)が関わっていた。しかも、この商品券送付には社内の派閥争いによる足の引っ張り合いが関わっているようだ。社内の派閥と出世競争、不倫、貧困、借金取り立て、映画制作の暗闇など全16話20時間を超えるストーリーには題材は数多い。

⒈イソンギュン
構造設計のエンジニアで既存建物の安全性を確認する部門の部長だ。妻は弁護士事務所を主宰している。妻も現社長のトも同じ大学のサークルで一緒だった。家庭を顧みないパク部長に不満がたまっている時に、妻が現社長とくっついてしまう。不倫である。妻がこんなことになっているとは知らない。後輩の社長から見るとパク部長は目ざわりだ。社長やその茶坊主の役員を中心に攻撃を受ける。

パク部長は三人兄弟の次男である。兄は無職で妻に愛想尽かされている、弟は期待された映画監督だったが結局挫折して、実家に母親と2人住んでいる。ドロドロとしたストーリーと合わせて、掃除屋をはじめた2人兄弟にもスポットをあてる。軽いコメディ仕立てにもしているし、下町の人情モノのような肌合いもある。


宮部みゆき原作火車を韓国で映画化した作品、刑事役で出演したクライムサスペンス映画最後まで行くイソンギュンは知っていた。特に「最後まで行く」はドキドキもので韓国クライムサスペンスでオススメ作品だ。その後パラサイトで再び再会しておりなじみ深い。IUに裏があるけど、イソンギュンの役には裏がない。善人というのが似合うキャラなのかも?

⒉IU(イジウン)
パク部長の部に派遣社員で来た女の子イジアンを演じる。両親はいない。話ができない祖母を引き取っている。母が浪費でつくった借金が多額で、闇金融の男から取り立てにあっている。容赦なく、暴力も振るわれている。このあたりの暴力表現はきつい。パク部長が受けとった5000万ウォンの商品券を持ち去り、返済に充てようとしたがやめる。何で商品券が送り付けられたのか会社が大騒ぎだ。

他人と交わるのが苦手な孤独な派遣社員である。当初から地味だけど味のある演技をするなあと感心する。上司であるパク部長だけでなく、パク部長を追い出そうとする社長にも接触して、金銭報酬を得て盗聴もする。不幸なもとに育ったから、人生の荒波にさらされている設定だ。


ここでの見どころの一つに、IUの応酬話法のすごさがある。このドラマを通じて、社内の同僚上司や借金取りからひどいことを言われる場面が多い。どんな時でも、へこたれずに言い返すセリフがお見事で良くもまあ適切な言葉を選んでいる。脚本書いた人は悪知恵がはたらく。このドラマでの演技はかなり評価されるべきだと思う。

実は何も知らなかったけど、韓国でIUというのは10代の頃からとんでもない大スターなんだね。来週公開のソン・ガンホがカンヌ映画祭で主演男優賞を受賞した「ベイビーブローカー」にもIUは出ている。楽しみだ。

⒊緊迫感と予告編
社内の派閥と出世争いと不倫がキーになる。人間関係がドロドロしていて、暴力が振るわれる場面も尽きない。韓国クライムサスペンス風に緊迫感がでて思わず息を呑む場面も多い。画面分割の手法を多用する。それぞれの当事者がどう動いているのかを画面を分割して、同時に映すこの手法は緊迫感を高める。貧困と借金取りの物語はこれまで随分と韓国映画で見てきたけど、苦しめられているのが、華奢なIUなんで何故か気になり飽きないのかもしれない。


それぞれの回ごとに、次回の予告編で肝になる場面が出てくる。実際に次の回に出てくる場面なんだけど、ドキドキしてしまうシーンが多い。ストーリーの先行きが気になる。TVシリーズの楽しみなんだろう。でも、TVシリーズはずいぶんと時間とるなあ。さすがに疲れた。

ずっと見ていると、劇中の挿入歌のメロディが仕事をしていても耳について離れないし、舞台になるオフィスの構造まで目に焼き付く。そんなものかな?これを見たことで義理も果たせたんでシリーズものはもう当分やめよう。

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