映画「泣く子はいねぇが」は2020年の作品
「泣く子はいねぇが」はここに来て活躍が目立つ仲野大賀主演の映画である。Netflixで時間潰しのつもりでみたが、予想よりもおもしろい。子供の成長を願って、鬼に扮した男たちが幼児のもとを夜歩き回る「ナマハゲ」の伝統行事で大失態を犯して、田舎を追われて東京にいた主人公が地元に戻って穴埋めをしようともがく顛末である。みじめな男の物語なんだけど、そのみじめさに妙に感情流入してしまうのだ。
年末大晦日になると、TVのニュースで毎年恒例の「ナマハゲ」行事が映っているのは何気なく見ていて知っていた。小さい頃は、泣き止まぬ子どもを鬼が脅かすのをTVで見て、うちにだけは来て欲しくないなあと思ったなあ。そんな伝統行事が代々行われている秋田の男鹿という町がある。行ったことはない。
たすく(仲野大賀)は、娘が生まれ喜びの中にいた。一方、妻・ことね(吉岡里帆)は、子供じみて、父になる覚悟が見えないたすくに苛立っていた。大晦日の夜、たすくはことねに「酒を飲まずに早く帰る」と約束を交わし、地元の伝統行事「ナマハゲ」に例年通り参加する。しかし結果、酒を断ることができずに泥酔したたすくは、溜め込んだ鬱憤を晴らすように「ナマハゲ」の面をつけたまま全裸で男鹿の街へ走り出す。そしてその姿をテレビで全国放送されてしまうのだった。
それから2年の月日が流れ、たすくは東京にいた。ことねには愛想をつかされ、地元にも到底いられず、逃げるように上京したものの、そこにも居場所は見つからず、くすぶった生活を送っていた。そんな矢先、親友の志波からことねの近況を聞く。ことねと娘への強い想いを再認識したたすくは、地元に戻る決意をする。だが、現実はそう容易いものではなかった。(作品情報引用)
⒈シングルアゲイン
仲野大賀演じる主人公は、美人の奥さんにも恵まれ、可愛い赤ちゃんが生まれた。そもそもだけど、まだ子供が生まれたばかりなのに、実際裸で失態をしてしまっただけで、離婚するのかなあ?というツッコミはある。とはいうもののそれが前提のストーリーだから仕方ない。
今のご時世、カッコ良くて頭もいいという男だけがモテるわけでもない。周囲の若い男たちを見ていても良くわかる。この仲野大賀が演じるやさしそうなホンワカムードの男の方がむしろモテるんじゃないかな?であるから、映画の中でも若い女の子が気がついてみたら主人公のアパートに転がり込んできて誘惑されるなんてシーンすらあるのだ。
それにしても、元妻に未練たらたらである。キャバ嬢になっていると聞いて、そこへ行ったりもするのだ。そういうみじめったらしい部分にちょっと共感を覚える。
⒉仕事のない田舎
東京に行ったけど、自分の居場所がなく、もう故郷に一度戻ってくる。かなりの敗北感を持っての帰還であろう。もともと実家は製材所を営んでいたようだ。工場の気配をそのまま残している。でも、兄貴もやる気がない。
実家に戻ってきたとき余貴美子演じるお母さんが暖かく迎えてくれる。こんなシーンがいいなあ。お母さんは地元の水族館の前でアイスクリームを売ったりしている。同じようにアイスクリーム売っているおばさんたちの運び役を主人公は任されるのだ。
役場に行って職の希望を言うと、柳葉敏郎演じるナマハゲの保存委員長のような奴に何でお前戻ってきたんだとなじられる。祭りの日に裸になるやつなんて他にもいると思うんだよなあ。みじめだなあ。また、そこで同情してしまう。
⒊妻の再婚
いちばん哀しいのは妻の再婚話だな。勤めているキャバクラを探しあてて、突撃するのだ。でも、白い眼でしか見られない。娘にも合わせてくれない。しまいには、再婚するんだと言われてしまう。
正直、前夫との子供がいる女って再婚はなかなか厳しい部分があるのは事実。吉岡里帆くらい可愛いと別なんだろうけどね。だからセリフを聞いて、そう言っているだけだと思ったら、本当に再婚するんだ。
しかし、ここで主人公は一世一代の勝負にでる。
これはネタバレだから言えないが、心から応援したい気になった。映画の後味は悪くない。
「泣く子はいねぇが」はここに来て活躍が目立つ仲野大賀主演の映画である。Netflixで時間潰しのつもりでみたが、予想よりもおもしろい。子供の成長を願って、鬼に扮した男たちが幼児のもとを夜歩き回る「ナマハゲ」の伝統行事で大失態を犯して、田舎を追われて東京にいた主人公が地元に戻って穴埋めをしようともがく顛末である。みじめな男の物語なんだけど、そのみじめさに妙に感情流入してしまうのだ。
年末大晦日になると、TVのニュースで毎年恒例の「ナマハゲ」行事が映っているのは何気なく見ていて知っていた。小さい頃は、泣き止まぬ子どもを鬼が脅かすのをTVで見て、うちにだけは来て欲しくないなあと思ったなあ。そんな伝統行事が代々行われている秋田の男鹿という町がある。行ったことはない。
たすく(仲野大賀)は、娘が生まれ喜びの中にいた。一方、妻・ことね(吉岡里帆)は、子供じみて、父になる覚悟が見えないたすくに苛立っていた。大晦日の夜、たすくはことねに「酒を飲まずに早く帰る」と約束を交わし、地元の伝統行事「ナマハゲ」に例年通り参加する。しかし結果、酒を断ることができずに泥酔したたすくは、溜め込んだ鬱憤を晴らすように「ナマハゲ」の面をつけたまま全裸で男鹿の街へ走り出す。そしてその姿をテレビで全国放送されてしまうのだった。
それから2年の月日が流れ、たすくは東京にいた。ことねには愛想をつかされ、地元にも到底いられず、逃げるように上京したものの、そこにも居場所は見つからず、くすぶった生活を送っていた。そんな矢先、親友の志波からことねの近況を聞く。ことねと娘への強い想いを再認識したたすくは、地元に戻る決意をする。だが、現実はそう容易いものではなかった。(作品情報引用)
⒈シングルアゲイン
仲野大賀演じる主人公は、美人の奥さんにも恵まれ、可愛い赤ちゃんが生まれた。そもそもだけど、まだ子供が生まれたばかりなのに、実際裸で失態をしてしまっただけで、離婚するのかなあ?というツッコミはある。とはいうもののそれが前提のストーリーだから仕方ない。
今のご時世、カッコ良くて頭もいいという男だけがモテるわけでもない。周囲の若い男たちを見ていても良くわかる。この仲野大賀が演じるやさしそうなホンワカムードの男の方がむしろモテるんじゃないかな?であるから、映画の中でも若い女の子が気がついてみたら主人公のアパートに転がり込んできて誘惑されるなんてシーンすらあるのだ。
それにしても、元妻に未練たらたらである。キャバ嬢になっていると聞いて、そこへ行ったりもするのだ。そういうみじめったらしい部分にちょっと共感を覚える。
⒉仕事のない田舎
東京に行ったけど、自分の居場所がなく、もう故郷に一度戻ってくる。かなりの敗北感を持っての帰還であろう。もともと実家は製材所を営んでいたようだ。工場の気配をそのまま残している。でも、兄貴もやる気がない。
実家に戻ってきたとき余貴美子演じるお母さんが暖かく迎えてくれる。こんなシーンがいいなあ。お母さんは地元の水族館の前でアイスクリームを売ったりしている。同じようにアイスクリーム売っているおばさんたちの運び役を主人公は任されるのだ。
役場に行って職の希望を言うと、柳葉敏郎演じるナマハゲの保存委員長のような奴に何でお前戻ってきたんだとなじられる。祭りの日に裸になるやつなんて他にもいると思うんだよなあ。みじめだなあ。また、そこで同情してしまう。
⒊妻の再婚
いちばん哀しいのは妻の再婚話だな。勤めているキャバクラを探しあてて、突撃するのだ。でも、白い眼でしか見られない。娘にも合わせてくれない。しまいには、再婚するんだと言われてしまう。
正直、前夫との子供がいる女って再婚はなかなか厳しい部分があるのは事実。吉岡里帆くらい可愛いと別なんだろうけどね。だからセリフを聞いて、そう言っているだけだと思ったら、本当に再婚するんだ。
しかし、ここで主人公は一世一代の勝負にでる。
これはネタバレだから言えないが、心から応援したい気になった。映画の後味は悪くない。