映画「ビジランテ」を映画館で観てきました。
これは強烈!
韓国クライムサスペンスを連想させるえげつなさをもつ凄さで圧倒された。傑作だと思う。
今回は大森南朋、鈴木浩介、桐谷健太の三人が主役という構図だが、脇を固めるやくざや政治家たちの演技がうまい。それに加えて、元AKB篠田麻里子がいかにもキャラピッタリの政治家の奥さん役がまさに適役である。入江悠監督の腕がさえる。
途中退屈な場面もあってもよさそうなんだが、まったくだれない。暴力描写も多い。その残酷さは「冷たい熱帯魚」や韓国クライムサスペンスと比較してもひけをとらない。いくつかの描写には目をそむけてしまった。政治家と地元利権というテーマは何度も映画のテーマにもなっている。でも、地方のレベル感がありえそうでリアルな感じをおぼえる。
今年一番の作品になるかもしれない。
暗い川の水面を3人の少年が逃げる。それを男が追っているシーンが映る。父親のようだ。三男、次男をつかまえ、長男を組み伏せる。首を刺された父親は、誰がやったんだと激しく殴りつけ、アタマを強く打たれた長男は家を飛び出す。
時が流れて父親の葬儀がおこなわれている。次男の二郎(鈴木浩介)は政治家だった父の跡を継ぎ市議会議員になった。葬儀が終わり、父が残した土地は、市が誘致するアウトレットモールの建設予定地にかかると知らされる。相続してうまく受け渡すように市の有力者に言われる。そこでまず地回りのヤクザの下でデリヘルの店長をしている三男の三郎(桐谷健太)にあう。三郎は葬儀にも参列しなかった。相続には関心がなかった。そこへ突然、音信不通だった長男の一郎(大森南朋)が実家に戻ってくる。
父の残したその土地で久々に長男一郎に会うと、自分は相続放棄しないと父と結んだという公正証書をたてに土地の相続を主張する。女連れで借金取りに追われる身分だが、まったく主張は変えない。市議としての二郎の面子は丸つぶれだ。二郎の妻(篠田麻里子)は何でずっと離れていた長男に土地が行くのかと怒る。長男が戻ってきて自分の権利を主張していると聞き、街の有力者はアウトレット不成立を恐れ、ヤクザになんとかしてくれと頼む。地回りのヤクザの配下でデリヘルをやっている三郎にも長男を説得するように命が下る。しかし、三郎も兄を説得できないとなると、三郎の親分は激しく怒り半殺しの目にあってしまうのであるが。。。
1.舞台となる地方都市
畑の中に延々と鉄塔が連なり、送電線が続く。そして、遠くに小高い山が見える。いかにも北関東独特の風景だ。群馬県なんだろうか?そう思っていると、最後のクレジットをみると、埼玉県の深谷のようだ。なるほど、クセのある政治家で名高い荒船清十郎や糸山英太郎の選挙区だったことでも有名な金権政治エリアである。その場所で生まれた入江悠監督のオリジナル脚本。これがよくできている。どちらかというと、こういうデリヘル系の風俗は群馬県の匂いもするし、外国人が多いというのもどちらかというと群馬の匂いだ。映画が終わるまでそう思っていた。
閉鎖的な地方都市で、住民への騒音をものともせずに大騒ぎする中国人たちと自警団との衝突なんて設定もあり得そうだ。そういうマイノリティーの排除は都会でヘイトスピーチを使いまくる連中の動きを連想させる。
2.えげつない描写
戻ってきた長男は女を連れてきている。でも、覚せい剤に染まっている長男は、発作が起こるとわれを忘れる。暴力的に女をむちゃくちゃにする。三男のデリヘルと知らず頼んで部屋にきた女も発作が起こったら、ハチャメチャにする。そんなシーンが続くのも園子温的だ。
デリヘルには上部組織としての暴力団組織が絡むことが多い。今回も貢ぐヤクザに三郎は兄貴に相続放棄させろといわれるが、うまくいかない。もうこの仕事をやめて堅気になるというと、コテンパンにやられる。この暴力シーンには目をそむけてしまう。映画の見ものだ。最初の父親から子供たちが殴りまくられるシーンもえげつないし、暴力描写は強烈だ。
3.篠田麻里子
濡れ場というのが本当は似合う女優だと思う。いかにも銀座の高級ホステスという風貌がそうさせている。今回も別にバストトップを見せているわけではない。夫とのカーセックスである。政治家の妻という今の立場を絶対に下げたくない。夫が有力者に利権を献上することができず、外されそうになった時でも自分で何とかすると言って、体を張っていく。そういう状況がにあう女性である。
本当は街の有力者とねんごろになる場面でベットシーンを見せるべきであろうが、観客にきっとそうだろうと連想させる想定にしている。政治家への貢ぎのカラミまでやると、さすがにイメージが崩れすぎちゃうと思ったのであろうか?
これは強烈!
韓国クライムサスペンスを連想させるえげつなさをもつ凄さで圧倒された。傑作だと思う。
今回は大森南朋、鈴木浩介、桐谷健太の三人が主役という構図だが、脇を固めるやくざや政治家たちの演技がうまい。それに加えて、元AKB篠田麻里子がいかにもキャラピッタリの政治家の奥さん役がまさに適役である。入江悠監督の腕がさえる。
途中退屈な場面もあってもよさそうなんだが、まったくだれない。暴力描写も多い。その残酷さは「冷たい熱帯魚」や韓国クライムサスペンスと比較してもひけをとらない。いくつかの描写には目をそむけてしまった。政治家と地元利権というテーマは何度も映画のテーマにもなっている。でも、地方のレベル感がありえそうでリアルな感じをおぼえる。
今年一番の作品になるかもしれない。
暗い川の水面を3人の少年が逃げる。それを男が追っているシーンが映る。父親のようだ。三男、次男をつかまえ、長男を組み伏せる。首を刺された父親は、誰がやったんだと激しく殴りつけ、アタマを強く打たれた長男は家を飛び出す。
時が流れて父親の葬儀がおこなわれている。次男の二郎(鈴木浩介)は政治家だった父の跡を継ぎ市議会議員になった。葬儀が終わり、父が残した土地は、市が誘致するアウトレットモールの建設予定地にかかると知らされる。相続してうまく受け渡すように市の有力者に言われる。そこでまず地回りのヤクザの下でデリヘルの店長をしている三男の三郎(桐谷健太)にあう。三郎は葬儀にも参列しなかった。相続には関心がなかった。そこへ突然、音信不通だった長男の一郎(大森南朋)が実家に戻ってくる。
父の残したその土地で久々に長男一郎に会うと、自分は相続放棄しないと父と結んだという公正証書をたてに土地の相続を主張する。女連れで借金取りに追われる身分だが、まったく主張は変えない。市議としての二郎の面子は丸つぶれだ。二郎の妻(篠田麻里子)は何でずっと離れていた長男に土地が行くのかと怒る。長男が戻ってきて自分の権利を主張していると聞き、街の有力者はアウトレット不成立を恐れ、ヤクザになんとかしてくれと頼む。地回りのヤクザの配下でデリヘルをやっている三郎にも長男を説得するように命が下る。しかし、三郎も兄を説得できないとなると、三郎の親分は激しく怒り半殺しの目にあってしまうのであるが。。。
1.舞台となる地方都市
畑の中に延々と鉄塔が連なり、送電線が続く。そして、遠くに小高い山が見える。いかにも北関東独特の風景だ。群馬県なんだろうか?そう思っていると、最後のクレジットをみると、埼玉県の深谷のようだ。なるほど、クセのある政治家で名高い荒船清十郎や糸山英太郎の選挙区だったことでも有名な金権政治エリアである。その場所で生まれた入江悠監督のオリジナル脚本。これがよくできている。どちらかというと、こういうデリヘル系の風俗は群馬県の匂いもするし、外国人が多いというのもどちらかというと群馬の匂いだ。映画が終わるまでそう思っていた。
閉鎖的な地方都市で、住民への騒音をものともせずに大騒ぎする中国人たちと自警団との衝突なんて設定もあり得そうだ。そういうマイノリティーの排除は都会でヘイトスピーチを使いまくる連中の動きを連想させる。
2.えげつない描写
戻ってきた長男は女を連れてきている。でも、覚せい剤に染まっている長男は、発作が起こるとわれを忘れる。暴力的に女をむちゃくちゃにする。三男のデリヘルと知らず頼んで部屋にきた女も発作が起こったら、ハチャメチャにする。そんなシーンが続くのも園子温的だ。
デリヘルには上部組織としての暴力団組織が絡むことが多い。今回も貢ぐヤクザに三郎は兄貴に相続放棄させろといわれるが、うまくいかない。もうこの仕事をやめて堅気になるというと、コテンパンにやられる。この暴力シーンには目をそむけてしまう。映画の見ものだ。最初の父親から子供たちが殴りまくられるシーンもえげつないし、暴力描写は強烈だ。
3.篠田麻里子
濡れ場というのが本当は似合う女優だと思う。いかにも銀座の高級ホステスという風貌がそうさせている。今回も別にバストトップを見せているわけではない。夫とのカーセックスである。政治家の妻という今の立場を絶対に下げたくない。夫が有力者に利権を献上することができず、外されそうになった時でも自分で何とかすると言って、体を張っていく。そういう状況がにあう女性である。
本当は街の有力者とねんごろになる場面でベットシーンを見せるべきであろうが、観客にきっとそうだろうと連想させる想定にしている。政治家への貢ぎのカラミまでやると、さすがにイメージが崩れすぎちゃうと思ったのであろうか?