映画とライフデザイン

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映画「ドリーム ホーム 99%を操る男たち 」アンドリュー・ガーフィールド

2016-02-11 17:16:17 | 映画(洋画:2016年以降主演男性)
映画「ドリーム ホーム 99%を操る男たち 」を映画館で見てきました。


スパイダーマン2代目のアンドリュー・ガーフィールドが主演で、高利の住宅ローンで破綻した人たちを描くという。おもしろそうなので映画館に向かう。リーマンショック以前からサブプライムローンによる破綻が目立っていた。地価上昇に支えられていた、アメリカの住宅流通の仕組みが崩れたからだ。ここでは債務滞納で銀行から立ち退きを命じられている居住者たちと立ち退きしたあとの住宅を転売するために疾走する不動産ブローカーの話が中心だ。


闇金に追いつめられた連中の話はときおりみるが、保安官と一緒になって立ち退き命令を出す時のパフォーマンスをここまで詳細に記した映画は少ない。日本とは違う退去命令方式なので興味深く見れた。
ヤクザに追い込まれていったん破綻したが、そのヤクザの手下に転換して活躍するなんてストーリーって東映やくざ映画にはありそうなパターンだよね。

デニス(アンドリュー・ガーフィールド)は小学生の一人息子コナー(ノア・ロマックス)と母親(ローラ・ダーン)と一緒にフロリダ州の住宅地に暮らしている。リーマン・ショック後の大不況により住宅ローンを滞納し、ある日突然、たった2分間の猶予しか与えられず長年暮らしてきた家から強制退去させられる。自宅と土地を追われた一家はモーテルに移り住む。デニスは家を取り戻すためにやむなく、自分たちを強制的に家から追い出した不動産ブローカーのリックカーバー(マイケル・シャノン)の右腕として働き始める。債務を滞納している庶民の家を次々と差し押さえて売りさばくのだ。


母親と息子に真実を言えないまま仕事に没頭して派手に遊ぶようにもなる。そんなデニスにカーバーはあることを命じるが。。。

1.立ち退き命令と退去

妹の幼稚園から小学校の同級生に美しい少女がいた。その妹も可愛く、自分の家のすぐ近所に住んでいた。小さい頃から雑誌のモデルになるくらいの美貌で賢い。その後、東京ではセーラー服が可愛いと言われている夏目雅子の通った有名校に行き、近隣の男子校の少年たちにもてまくったようだ。自分は子供だったので、知り合いのお母さんを美人と思う余裕はなかったが、母上も半端じゃなく美しい。自分が大学に入った時に母上がものすごく喜んでくれたのが懐かしい。

そんな家族で、父上は工場を経営していた。自分が大学生の時、たまたま家にいたら、先方のお母さんから自分の母に助けを求める電話がかかってきた。その家の前には強制退去命令をしている人たちがいた。細かい事情はわからない。さかんに抵抗していたが、相手は容赦なかった。結局、家族が荷物を泣きながら運ぶのにうちの母と近所のおばさん2人でつきあって、この家族は自分の家の近くから去って行った。母は銀行というのは容赦ないんだとさかんに言っていた。今思うと高利の金融会社からも借りていたのかもしれない。瀟洒でかわいいご自宅だったが、抵当権を駆使された。大人になってからこれはこれで仕方なかったのかと思ったが、凄い情景だった。


この映画をみて30年以上前のその事実が突如思いだされる。


この映画では、いきなり主人公が追い込みをかけられるシーンが映し出される。日本ではこういうことはないと思うけど、強制退去に保安官がたちあう。横には不動産ブローカーのカーバーがいる。今日が退去期限だ。2分以内にすぐ貴重品をまとめて出て行けという。妹の友人の家族と同じようにさかんに抵抗するが、無理である。保安官までいるのだ。いやいやながら、荷物をトラックに運び、家族はモーテルへと向かう。
主人公は建設工事のフレーマーをやっているが、工事が中止になったからと言って失職してしまう。一生懸命探そうとしてもうまくいかない。そんなとき、ブローカーのカーバーから糞まみれになっている退去した家の掃除をやらないかと言われ、金のない主人公デニスがげろを吐きながら依頼を受けるのだ。

2.不動産ブローカー
不動産ブローカーのカーバーは支払い破綻になっている人たちの情報を得ている。裁判所で退去命令された人たちの情報を得て、ここでは映っていないが、銀行などの債権者と通じてこの不動産を自分の手に入るようにしているのであろう。日本でもその手の話はよくあることだ。抵当権を駆使させる前にいい値段で不動産ブローカーに買ってもらうなんてこともあるだろう。銀行だってこういう人たちがいることで助かっているのだ。
しかも、これ自体は法的に何もおかしなことではない。むしろ、サブプライムローンのような高利のローンを組んでしまう入居者の方が常軌を逸した行動をしているということなのだ。


(ネタバレあり)
ここでの最終決着については、この不動産ブローカーちょっとお粗末としか言いようにない。それまでのことはあくまで普通のビジネスと解せることだが、ここから重大なコンプライアンス違反を強いるのである。これはもったいない。それまで巨満の富を得ているのだから、たった一軒くらいのことで無理しなくてもいいのにと思ってしまう。でも、この映画では脚本家はこの不動産ブローカーを悪に仕立てたいのがミエミエだからね。

リーマンショックからすでに7年たち、ここ数年は米国経済はかなり良好である。しかも、住宅着工は好調が伝えられる。であるから、最近はこんなこと少ないと思うけど、アメリカ人の住宅への固執が意外にもあるんだなあと思わせるシーンは多かった。




ただ、※本作の下敷きとなっているのが、ノーベル賞を受賞したアメリカの経済学者ジョセフ・E・スティグリッツが『世界の99%を貧困にする経済』の中で唱えた「世界中の富の4分の1をたった1%の最富裕層が所有しており、残り99%は貧困である」という説。現在、世界中でその格差が広がり、問題視されている。(作品情報より)

こういうことが作品情報に書いてあったが、この映画に関してはあまり関係ない気がした。支払えない借金をする方がわるいでしょう。住宅ローンというのはわずかな頭金で実力以上の借金をするある意味株の信用取引と同じである。そのことがわかっていないとダメ。ここで借りる側はかばえない。

(参考作品)
ドリーム ホーム 99%を操る男たち
抵当権を行使された家主と悪徳不動産業者

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