映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「ナイトクローラー」 ジェイク・ギレンホール

2015-08-26 19:09:10 | 映画(洋画 2013年以降主演男性)
映画「ナイトクローラー」を映画館で見てきました。

夜のロスを舞台にした、スリリングでドキドキしながら楽しめる快作だ。
ジェイク・ギレンホールの一人舞台の怪演が光る。


テレビのワイドショーでは凶悪犯罪の報道にかなりの時間がかけられているのは、日本もアメリカも同じだ。日本でもときおり読者提供と称されるすごい映像が見れることがある。ここでは警察無線を傍受して事件現場に一目散に駆けつけ、きわどい映像を映し出してそれをテレビ局に売り飛ばす男の物語である。

この男はワルである。
そもそもコソ泥した盗品を買い取り業者に引き取らせることを生業としている悪いやつだ。その男がひょんなことから、事件現場の映像をテレビ局に売りつけると、金になることを知りはまっていく。映画の中では軽い紆余屈折があるが、この男は生活力がありたくましい。ひと時代前だったら、こういうワルの手口を成功させようとすると、映倫系で厳しいチェックが入ったはずだが、最近はどうなんだろう。
ワルが有利に話を終えるパターンも割と多く、最後までどっちに転ぶかヒヤヒヤして見れる。
眠気を全く起こさせないように映画は一気に2時間駆け抜ける。面白い!!お見事!

眠らないロサンゼルスの街で、闇にまぎれて金網を盗もうとしている男(ジェイク・ギレンホール)がいる。呼び止める警備員を殴り倒した男は、戦利品を車に載せて工場に売りつける。そこで男は自信満々で自分を売り込み、「コソ泥は雇わない」と断られても笑顔で去って行く。この不気味な男の名は、ルイス・ブルーム。友達も家族もなく、ネットとテレビと共に孤独に暮らしている。

帰り道、交通事故現場を通りかかったルイスは、事件や事故報道のスクープを専門にしている映像パパラッチ、通称〈ナイトクローラー〉と遭遇する。悲惨な映像がテレビ局に売れると聞いたルイスは、盗んだ自転車と交換にビデオカメラと無線傍受器を手に入れる。
その夜から警察無線を盗み聞き、車で現場に急行するようになったルイスは、カージャックの被害者の撮影に成功する。しかも先に到着していたナイトクローラーより接近した生々しい映像だ。


あるテレビ局に早速映像を持ち込むと、女性ディレクターのニーナ(レネ・ルッソ)が映像を買い取ってくれた。そこで「視聴者が求めているのは、刺激的な画。さらに望ましいのは被害者が郊外に住む白人の富裕層で、犯人はマイノリティや貧困層。」とアドバイスをもらう。ルイスは、何か撮ったら一番に彼女に連絡すると約束するのだった。

 本格的に事業を始める決意をしたルイスはアシスタントを募集し、面接に来た住所不定で何の特技もないリック(リズ・アーメッド)を僅かな賃金で雇う。助手席で進路を指示する仕事さえ満足にできないリックを冷酷に叱咤するルイス。 


 ある夜、住宅街の発砲事件に駆けつけるが、負傷者もなくハデな映像は撮れそうになかった。ルイスは被害宅の裏に周りこみ、関係者たちの隙をついてコッソリ中に忍び込み、冷蔵庫の生々しい銃弾跡の横に家族の写真を置いて撮影する。映像を持ち込まれたニーナは「最高の素材よ!」と絶賛、編集担当の「不法侵入だ」という制止を振り切って放映する。
 それからもセンセーショナルなスクープ映像を次々にモノにしたルイスは、車はスピードの出る赤い高級車に、機材も最新型に買い替える。壮絶な横転事故の無線を傍受した時も、その車で誰よりも早く現場に駆け付け、絶好のアングルのために、ルイスは血だらけの遺体を車の下から引きずり出すという暴挙に出る。


ネットで学んだビジネスノウハウや格言を狂信し、成功だけに邁進するルイスに、怖いものなど何もなかった。そんな絶頂への階段を駆け上がるルイスに、思わぬ落とし穴が待っていたが。。。(作品情報引用)

夜のロスアンゼルスを描いた作品なので期待して見に行った。ロスには魔物が住んでいるとよく言われる。サスペンスもので比較的新しいのでは「カリブの熱い夜」「マルホランドドライブ」と現代の夜のロスを的確にとらえた傑作が多い。その期待はまったく裏切らなかった。
最新の「ミッションインポッシブル」は娯楽として実に楽しめたが、最終的にイーサンハントが死ぬわけがないという先入観がある。ここではワルの設定の主人公が最後までどうなるのかわからない。事件のある場所へ車ですっ飛んで行く姿にはすごいスピード感もあるし、次どうなるのか予測がつかない展開がドキドキさせる。

1.ジェイクギレンホールと主人公
ジェイクギレンホールとは相性がいい。最近ではヒュージャックマンと共演した刑事役の「プリズナーズ」はおもしろかったし、「ソディアック」グゥイネス・パルトロウとの共演の「プルーフオブライフ」も自分の好きな映画だ。

この主人公は高等教育を受けてない。でも弁がたつ。ネットのビジネススクールで学んだという。ビジネス本で語られるようなセリフが次から次へとでてくる。しかも、要領よく生きるすべを知っている。こういうワル賢いやつって日本にもいる。育ちは悪いけど、実生活での「私の大学」を出て生活力のあるたくましい男である。アメリカも一部の高学歴の連中に支えられているようにみえるが、実は悪知恵のはたらくこういった男もかなりいるんだろう。かなりの早口でセリフを全部理解できなかったが、dvd化の時にもう一度セリフをかみしめてみたい気もする。


2.ルネロッソ
主人公ルイスが売り込む先のテレビのディレクターだ。「あれ?どこかで見たことある」と思いつつ、途中でルネロッソだと気がつく。イーストウッドの「シークレットサービス」、メルギブソンの「身代金」はいずれも悪役に切れ味のあるムチャクチャおもしろいサスペンスだし、トラボルタの「ゲットショーティ」もいい。50年代セクシーハリウッド俳優の系譜を受け継ぐ色っぽいルックスには昔から魅了されていたので、懐かしい感じがする。その彼女も60代、何で彼女が起用と思ったら、なんと監督のダン・ギルロイの妻だという。なるほど


ルイスが映像を売り込むと同時に、彼女を口説こうとするシーンがある。「あなたの倍の年齢なのになんでくどくの。。。?」と彼女はためらうが、結局デートすることに。確かにこの2人実年齢も倍近い。さすがにルネロッソは60になってもきれいだけど、いくらなんでも脱げないよね。

3.最後の逸話(ネタバレあり)
ラストに向けて緊張感が高まる。
いつものように警察無線を傍受する。強盗犯らしい。しかも、ニーナがネタになると言っている高級住宅街で起きている。
現場へ速攻で行くと、警察はまだ来ていない。まだ犯人が住宅の中にいてドンパチやっている。それを隠れて撮影すると同時に、犯人の2人が逃げるところをカメラがとらえる。車のナンバーも撮っている。
そのあとで、豪邸の室内に入る。すでに殺されている。それをじっくり映像に撮っていく。


警察がいつ来るのかと思うと、見ているこちらもドキドキしてくる。相棒は外で待っている。全部撮り終わってテレビ局へ向かう。映像を見せるとディレクターはビックリ。同時にギャラのアップ要求を出す。
あまりにきわどさに周囲は放映をとまどうが、ディレクターは思い切ってオンエアーさせる。

放映後しばらくして、刑事の訪問をルイスは受けるが、犯人の顔や車のナンバーについて何も言わない。
そうしているうちに、主人公は犯人の車のナンバーから人物を特定して、密かに内偵する。そして2人が中華料理屋に入っているところを警察に通報するのだ。ここから最後に向けての緊迫感はなかなかだ。予測が立たない。(さすがにこれは見てのお楽しみ)
この展開の見事さに思わずうなってしまった。

(参考作品)
プリズナーズ
ジェイクギレンホール出演犯人が読みづらいサスペンス


身代金
今よりはずいぶんと若いルネロッソ

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 映画「浮城」 アーロン・ク... | トップ | 映画「サニー 永遠の仲間た... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

映画(洋画 2013年以降主演男性)」カテゴリの最新記事