映画とライフデザイン

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映画「グローリー 明日への行進」

2016-01-13 20:56:04 | 映画(洋画:2016年以降主演男性)
映画「グローリー 明日への行進」は2015年日本公開のアメリカ映画


黒人の人権運動家として、歴史上の偉人になっているキング牧師が指導した「セルマの大行進」の全容が語られている。キング牧師の名前を知っていても、具体的に彼の活動はどんなことだったのかを知っている人は少ないと思う。私もその1人である。映画の内容は1965年におけるキング牧師の南部での活動に絞っている。強烈な黒人迫害の実像が浮かび上がり、気分が悪くなる。近代アメリカ史の重要な事件の全貌を垣間見れるだけでも見る価値はあった。


1965年、アメリカ。前年にノーベル平和賞を受賞したキング牧師(デヴィッド・オイェロウォ)は、差別撤廃に理解を示すジョンソン大統領(トム・ウィルキンソン)への働きかけとともに、ジョージ・ウォレス州知事(ティム・ロス)を中心に黒人の選挙人登録を妨害し続ける南部アラバマ州での抗議運動に力を入れていた。そんな中、セルマから州都モンゴメリーへと向かう黒人のデモ行進が白人の州警察らによって襲撃される「血の日曜日事件」が起きる。その様子はテレビでも報じられ、アメリカ中に衝撃をもたらした。やがてキング牧師の呼びかけに応じ、人種の壁を越えて全国から多数の人々がデモ参加のために集まってくるが…。


1.歴史背景
自分がものごころついた時のアメリカ大統領はリンドン・ジョンソンだった。テレビでみるジョンソンはやさしそうに見えたが、北爆の指令をだし、ベトナム戦争に本腰を入れた大統領として後年批判にさらされることも多い。ジョンソンはケネディ政権の副大統領だったが、1963年11月ケネディ暗殺のあと大統領に昇格する。そして黒人人種差別を撤廃させる公民権法を成立させ、1964年大統領選挙に当選する。同じ年キング牧師はノーベル平和賞を受賞している。この映画にも何度も場面が出ているが、2人の間はホットラインでつながれていた。


しかし、法律が成立した後も南部では黒人の選挙権が認められていない州もある。アラバマ州はジョージウォレス知事のもと、人種隔離廃止政策に反対する動きをとっている。この映画ではティムロスがウォレス知事を演じ、いかにもイヤな奴という嫌われ役を好演している。そこでのデモ行進に対して、警官隊が強烈な襲撃をする場面は目をそむけたくなる。


2.黒人弾圧
1967年にアカデミー作品賞を受賞した「夜の大捜査線」という映画がある。この映画を最初に見た時は黒人迫害が顕在化している南部の州が描かれていてビックリした。まさにリアルタイムで映像化されたものだ。黒人嫌いの白人警察署長とフィラデルフィアから来た敏腕黒人刑事の関係を描いたものだが、助っ人できた黒人刑事がエライ目にあうシーンが続く。
「グローリー」を見て、とっさにこの映画を思い出した。暴力的に白人を痛めつける場面がずっと続くのには驚く。さすがに今はこんな感じではないと思うが、保守的な人が多いエリアではどうなっているのであろうか?

「血の日曜日事件」が全米に報道され、多数の白人をはじめ、全米から行進に多数参加する場面には救いがあった。

グローリー/明日への行進
キング牧師の非暴力運動の実像


夜の大捜査線
黒人差別の激しい州で活躍する敏腕黒人刑事

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