映画「まともじゃないのは君も一緒」を映画館で観てきました。
気になるラブコメディだった。結果観て良かった。
「まともじゃないのは君も一緒」の脚本の高田亮は自分が好きなレベルの高い作品「さよなら渓谷」「そこのみにて光り輝く」「オーバーフェンス」の脚本を担当している。いずれも近年の日本映画を代表する傑作である。登場人物のキャラクターもなんか面白そう。映画館に向かう。
世間ズレした予備校数学教師が話がかみ合わない個別指導の女子高校生に恋愛指南を受け、女子高校生が憧れる有名人の彼女に接近していく話である。話自体は単純である。ストーリーに意外性もない。でも、おもしろい。主人公2人のキャラクターに嫌味がないせいだろうか?TVのトレンディドラマでも作れそうな作品だけど、1時間半に簡潔にまとめたのも好感が持てる。
18歳の高校生香住(清原果耶)は、個別指導の予備校で数学一筋でコミュニケーション能力ゼロの予備校講師大野(成田凌)の指導を受けている。授業内容から脱線すると、2人の会話は全くかみ合わない。大野は世間ズレしていて、女性には縁がない。かっこいいので大野に憧れる女子予備校生はいるけど、どう付き合っていいのかわからない。香住が話を聞いて呆れている。
一方の香住も口は達者でませているけど、恋愛経験はない。そんな香住は自己啓発セミナーで未来を語る青年実業家宮本(小泉孝太郎)に憧れている。積極的な香住は宮本にアプローチを試みるが、宮本には美奈子(泉里香)という彼女がいることが判明する。すると、香住は宮本と美奈子を別れさせようと、大野への恋愛指南の一環で、大野から美奈子を口説くように作戦を立て実行に移すのであるが。。。
香住の作戦はかなり強引で絶対にうまくいくはずがないと思っていた。でも、予想に反して、素朴な大野に美奈子も惹かれる。普通の会話ができるようになっていく大野の姿に、香住は彼氏がとられてしまうような気持ちが沸き、複雑な感情を抱くのである。ジャンルはラブコメディというべきであろうか?ウディアレンの映画のタッチが近い気がする。
⒈清原果耶
すごくかわいいんだけど、実はあまりよくは知らない。背も高すぎず男好きがする。庶民性がある雰囲気を持った女の子だ。このセリフを難なくこなせるのはかなり賢い。大物になる予感がある。
女子の同級生の輪に入っても人の陰口ばかり叩いている仲間に馴染めない。自己啓発セミナーのカリスマのような男に高校生で憧れて、しかも積極的にアプローチするませた女の子っているのかな?と思ってしまうが、会社でもいい男を見つけるとここぞとばかり積極的な若手女子社員っているから何となくわかる。同期の実家のスナックに行って、酔客を相手に恋の愚痴を言ったり、カラオケで歌いまくるシーンがいい感じだ。
ここでは清原の両親役がいない。普通だったら受験生はこんなに夜出歩いたりしないよね。いちいち両親がいるシーンを映し出したら不用意に長くなるだけ。これはこれで映画を簡潔に求める巧みな要素となっている。
⒉成田凌
「さよならくちびる」のマネジャー役が自分としていい感じだった。恋愛映画系ではもう常連になりつつある。
村上春樹の「1Q 84」の主人公が予備校の数学教師だったのをふと連想した。そういえば17歳の主人公に対峙する天才小説家の少女が登場する。あの主人公は、年上女とやりまくったりして女と付き合えるが、この男は女性との会話がトンチンカンな方向に進む。恋愛には不器用だが、かっこいいので女からは好かれる。でも恋愛の空気が全く読めない。香住の指示には素直に従う。
本当は数学を極めたいけど、周囲にもっと頭の良い奴がいるから予備校の教師になっちゃったと言っている。理系の一歩頭が抜けたやつにぼーっとした奴いるけど、どこかの時点で周囲の影響を受けて垢抜けたりするけどね。
自分が受験生時代は、今も受験界で活躍する長岡亮介が数学を教えていた。切れ味が鋭かった。当時はまだ30代になるくらいでカッコ良く、周囲には美人の女性予備校生と付き合っているなんて噂があったな。その後数学者として著名になった秋山仁が常に意識してたっけ。
⒊小泉孝太郎
小泉純一郎が首相の頃にデビューしたので、ずいぶんと経つけど、主演を張るという俳優にはならない。今回の青年実業家で、自己啓発セミナーで教祖的存在という役柄は適役のような気がする。キャスティングには成功している。ホテル事業の経営者の娘が彼女で、父親ともビジネスでも一緒という設定はコロナ前なら十分セレブだったなあ。さすがに、コロナ後に撮影するならホテル業がえらい目にあっているので、この設定がないかもしれない。
あと、気づいたんだけど、苗字が宮本だ。これって小泉孝太郎の実母の苗字と同じだ。実母も講演とかするけど、機関銃のようにしゃべりまくる女だ。離れているけど、もしかして意識しているのかな?
⒋ウディアレン映画のタッチ
舶来のラブコメディ映画は日本人には人気がない。アメリカで興行収入が高くてもDVDスルーになることすらある。その中でも、ウディアレン作品は別格だ。最近は何かと問題あり風当たりが強いけど、安定しておもしろい。この映画はそれに通じる。あと、ウディアレン作品には欠かせないドリーショット的移動撮影がここでも多用されている。
すなわち、成田凌と清原が歩きながら会話するのを後ろに引き込むようにカメラが長回しするのだ。柳ジョージの歌にも出てくる横浜元町の石畳の坂を2人でしゃべりながら降りていく姿を長回しで映し出すショットはアニーホールの頃からのウディアレンの得意技と同様だ。アレンの映画には毎回この手法のショットがある。
気になるラブコメディだった。結果観て良かった。
「まともじゃないのは君も一緒」の脚本の高田亮は自分が好きなレベルの高い作品「さよなら渓谷」「そこのみにて光り輝く」「オーバーフェンス」の脚本を担当している。いずれも近年の日本映画を代表する傑作である。登場人物のキャラクターもなんか面白そう。映画館に向かう。
世間ズレした予備校数学教師が話がかみ合わない個別指導の女子高校生に恋愛指南を受け、女子高校生が憧れる有名人の彼女に接近していく話である。話自体は単純である。ストーリーに意外性もない。でも、おもしろい。主人公2人のキャラクターに嫌味がないせいだろうか?TVのトレンディドラマでも作れそうな作品だけど、1時間半に簡潔にまとめたのも好感が持てる。
18歳の高校生香住(清原果耶)は、個別指導の予備校で数学一筋でコミュニケーション能力ゼロの予備校講師大野(成田凌)の指導を受けている。授業内容から脱線すると、2人の会話は全くかみ合わない。大野は世間ズレしていて、女性には縁がない。かっこいいので大野に憧れる女子予備校生はいるけど、どう付き合っていいのかわからない。香住が話を聞いて呆れている。
一方の香住も口は達者でませているけど、恋愛経験はない。そんな香住は自己啓発セミナーで未来を語る青年実業家宮本(小泉孝太郎)に憧れている。積極的な香住は宮本にアプローチを試みるが、宮本には美奈子(泉里香)という彼女がいることが判明する。すると、香住は宮本と美奈子を別れさせようと、大野への恋愛指南の一環で、大野から美奈子を口説くように作戦を立て実行に移すのであるが。。。
香住の作戦はかなり強引で絶対にうまくいくはずがないと思っていた。でも、予想に反して、素朴な大野に美奈子も惹かれる。普通の会話ができるようになっていく大野の姿に、香住は彼氏がとられてしまうような気持ちが沸き、複雑な感情を抱くのである。ジャンルはラブコメディというべきであろうか?ウディアレンの映画のタッチが近い気がする。
⒈清原果耶
すごくかわいいんだけど、実はあまりよくは知らない。背も高すぎず男好きがする。庶民性がある雰囲気を持った女の子だ。このセリフを難なくこなせるのはかなり賢い。大物になる予感がある。
女子の同級生の輪に入っても人の陰口ばかり叩いている仲間に馴染めない。自己啓発セミナーのカリスマのような男に高校生で憧れて、しかも積極的にアプローチするませた女の子っているのかな?と思ってしまうが、会社でもいい男を見つけるとここぞとばかり積極的な若手女子社員っているから何となくわかる。同期の実家のスナックに行って、酔客を相手に恋の愚痴を言ったり、カラオケで歌いまくるシーンがいい感じだ。
ここでは清原の両親役がいない。普通だったら受験生はこんなに夜出歩いたりしないよね。いちいち両親がいるシーンを映し出したら不用意に長くなるだけ。これはこれで映画を簡潔に求める巧みな要素となっている。
⒉成田凌
「さよならくちびる」のマネジャー役が自分としていい感じだった。恋愛映画系ではもう常連になりつつある。
村上春樹の「1Q 84」の主人公が予備校の数学教師だったのをふと連想した。そういえば17歳の主人公に対峙する天才小説家の少女が登場する。あの主人公は、年上女とやりまくったりして女と付き合えるが、この男は女性との会話がトンチンカンな方向に進む。恋愛には不器用だが、かっこいいので女からは好かれる。でも恋愛の空気が全く読めない。香住の指示には素直に従う。
本当は数学を極めたいけど、周囲にもっと頭の良い奴がいるから予備校の教師になっちゃったと言っている。理系の一歩頭が抜けたやつにぼーっとした奴いるけど、どこかの時点で周囲の影響を受けて垢抜けたりするけどね。
自分が受験生時代は、今も受験界で活躍する長岡亮介が数学を教えていた。切れ味が鋭かった。当時はまだ30代になるくらいでカッコ良く、周囲には美人の女性予備校生と付き合っているなんて噂があったな。その後数学者として著名になった秋山仁が常に意識してたっけ。
⒊小泉孝太郎
小泉純一郎が首相の頃にデビューしたので、ずいぶんと経つけど、主演を張るという俳優にはならない。今回の青年実業家で、自己啓発セミナーで教祖的存在という役柄は適役のような気がする。キャスティングには成功している。ホテル事業の経営者の娘が彼女で、父親ともビジネスでも一緒という設定はコロナ前なら十分セレブだったなあ。さすがに、コロナ後に撮影するならホテル業がえらい目にあっているので、この設定がないかもしれない。
あと、気づいたんだけど、苗字が宮本だ。これって小泉孝太郎の実母の苗字と同じだ。実母も講演とかするけど、機関銃のようにしゃべりまくる女だ。離れているけど、もしかして意識しているのかな?
⒋ウディアレン映画のタッチ
舶来のラブコメディ映画は日本人には人気がない。アメリカで興行収入が高くてもDVDスルーになることすらある。その中でも、ウディアレン作品は別格だ。最近は何かと問題あり風当たりが強いけど、安定しておもしろい。この映画はそれに通じる。あと、ウディアレン作品には欠かせないドリーショット的移動撮影がここでも多用されている。
すなわち、成田凌と清原が歩きながら会話するのを後ろに引き込むようにカメラが長回しするのだ。柳ジョージの歌にも出てくる横浜元町の石畳の坂を2人でしゃべりながら降りていく姿を長回しで映し出すショットはアニーホールの頃からのウディアレンの得意技と同様だ。アレンの映画には毎回この手法のショットがある。