映画とライフデザイン

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映画「ヘンリー・アンド・ザファミリー」

2013-01-24 21:30:09 | 映画(洋画 2010年以降主演男性)
映画「ヘンリー・アンド・ザファミリー」はDVDスルーになった2012年の作品だ。
ジュリアロバーツのプロデュースという情報と天才少年とそれを取り巻く、実父、実母そして異母姉との関わりの物語というのでなんか面白そうだ。
トニ・コレット「リトルミスサンシャイン」キャメロンディアスの姉役を演じた「インハーシューズ」の演技が印象的、マイケルシーンも何度も映像で出くわしている。「フロスト×ニクソン」がいいかな
ただ、この2人の主演ではさすがにDVDスルーになってしまうのは仕方ない。

映像はまず母(トニ・コレット)の子供の頃を映す。
彼女は保安官の娘、4人の兄が大きくなったときに生まれた子だ。末っ子で自由奔放に育った。
彼女が子供を生むシーンになる。女の子が生まれると聞いていたのに、生まれてきたのは男の子だった。
ヘンリーと名づけられた赤ちゃんは9ヶ月にして突如言葉を発する。驚く母親と祖父だ。
祖父は自慢の孫のことをまわりに言いふらす。たちまち新聞にも取り上げられる怪童になる。
幼稚園でも、キリスト教系小学校でも周りの生徒とはレベルが違いすぎる。「神はいない」といいきり抜群の成績なのに神学系の学校を首になる。
そして大学へいきたいという息子の希望を聞き、飛び級で大学を受験する。制限時間をはるかに下回る時間で完答する。そんなヘンリーには一つの疑問があった。自分の父親が誰か?というのだ。祖父がその秘密をぽつりと言う。ヘンリーは試験管ベイビーだったのだ。


一方大学教授のオハラ(マイケルシーン)を映す。彼は同性愛に関する本を書く。そのことで娘が学校で「レズビアン」とみんなからいじめを受けていた。それは困ったということでオハラは自分の書いた本をつぎから次へと焼却処分にするのだ。それをたまたま見ていたのがヘンリーだ。
ヘンリーはその本をあっという間に読んでいた。一度見たらその内容を忘れないというヘンリーは教授に読んだよという。本当かなと教授は内容をヘンリーに質問するとすらすら答えるし、「何ページの何行に書いてある」ことまで答える。
驚く教授だ。
教授には以前睾丸がんといわれたことがあった。その際に自分の精子を精子バンクに登録していたのだ。いろいろ調べてみると自分の息子がこの天才児とわかるのであるが。。。

天才少年の話って割と面白い。
「グッドウィルハンティング」もそうだけど、ある意味「レインマン」もそんな様なものだ。
見ていて不思議な気分になる。今回もそれらしき匂いを持つがそれだけの映画ではない。
試験管ベイビーというのは、父親が誰かわからないことも多い。いったいどういう親なのか?
気になってしまうものだ。その結果異母兄弟というのもどこかにいるのかもしれない。
そんな人たちと出会ったらどうなるのか?個々で語られる話だ。

トニ・コレットを見ると、いつもユマサーマンに見えてしまう。そう思うのは自分だけかもしれないがよく似ている。カーティスハンソン監督の「インハーシューズ」では変人の祖母シャーリーマクレーンとぐうたらな妹であるキャメロンディアスとの対比がむちゃくちゃ楽しかった。
「リトルミスサンシャイン」は楽しいロードムービーで、彼女が演じた母親も映画ではいい味出していた。
ちょっとおっちょこちょいのアメリカ女性をやらせると実にうまい。ここでもそうだ。
この映画で、息子が超飛び級で大学に進学する際、学長とそのあとの奨学金を交渉する場面が出てくる。
この2人の掛け合いが実に楽しい。

この少年は基本的に見たものを写真のように記憶してしまう。
以前「なぜかれらは天才的能力を示すのか」という本を読んだことがある。その中に書いてあるサヴァン症候群の子たちと同じようなものだ。少年が本をあっという間に一字一句覚えてしまうシーンがある。そこまでの天才児にはなかなか会わないなあ。映画でいえば「レインマン」のダスティンホフマンを連想する。

娘がなかなか勉強しないので、最近世界史を付き合うようになった。どうやったら用語を頭に刻み込んで覚えられるのか?自分でも実験しながらやっている。でも何度も繰り返しても、なかなか覚えづらい用語がでてくる。写真のように一回見て頭に焼き付けるなんて、そうなりたいと思うけど無理なんだろうなあ。。。。

町のゲームセンターへ行って、ヘンリー少年が姉と一緒にシューティングゲームをするシーンがある。
少年は撃ちまくってものすごい点数をたたき出す。
そうすると、彼が「このプログラムはある漸化式に基づいて出現するパターンだ。」という。
すごい能力を見せ付けておいて商品でもらった縫いぐるみをバスで同乗した人にあげてしまうのはいかにも子供らしくていい。

この父親は天才ではない。付箋に気になることを書きつめていき、それを部屋の中に貼っていく。
ちょっとした思いつきはすぐ忘れてしまうから、忘れないように書き留める。それを積み重ねて1冊の本を書こうとする。そこら辺のビジネス本にありそうな感じだが、昔でいえば、ショーペンハウエルの本にある話だ。
この父親の心の動きも映画の重要なテーマになっていた。どちらかというと親しみが持てる男だ。

アンバランスな感じがおもしろい小品でした。

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