映画「ギフテッド」は2017年公開のアメリカ映画
孤児になってしまった数学の天才少女をめぐり、育ての親である叔父とその叔父や実母の親である祖母の間で娘の養育権を争うという話である。誰が育てるのが望ましいという問題提起がストーリーの根底に流れる。
独身のフランク(クリス・エヴァンス)は、フロリダの海辺の町でボートの修理で生計を立てながら、生後すぐに母(=フランクの姉)を亡くした姪のメアリー(マッケナ・グレイス)と、片目の猫と楽しく暮らしている。メアリーが7歳になり学校に通い始めて間もなく、数学の“ギフテッド(天才)”である彼女は問題児になってしまう。周りは特別な教育を受けることを勧めるが、フランクは「メアリーを普通に育てる」という姉との約束を守っていた。しかし、天才児にはそれ相応の教育を望むフランクの母イブリン(リンゼイ・ダンカン)が現れ、フランクとメアリーの仲を裂く親権問題にまで発展していく
小学校に少女が通うようになるが、彼女にとって初歩しか教えない授業は退屈だ。周りは1桁の足し算がやっとなのに、2桁の足し算や掛け算をスラスラ答える。担任は驚く!もっと難しいレベルの問題を担任が与えてもこなす。父親はよくバーでたむろっている優男だ。
担任は名前をネットで追っていくと、同姓に数学の天才女性の名前を見つける。どうやら、その数学の天才女性は少女の母親で、父親と称している男はその数学の天才女性の弟ということがわかる。この親の元で育った方がいいのか?一般レベルに合わせた授業を受けるのではせっかくの数学の才能がもったいないのでは?と担任教師は男性に近づいていく。
数学の才能が天才的でという設定は意外に多い。どれもこれも面白い。ここで他とちょっと違うのは、少女が快活で明るく人の気持ちもわかるということ。映画にでてくるこの手の天才は、人付き合い苦手な自閉症タイプが多い。この辺りがちょっと違うかな?
それにしても、こんな小さな女の子が難しい数式を書くのはたいへんだったのでは?∫∫積分マークにせよ、指数関数 の底eやそのべき乗 など、普通の数字すら書くのがやっとな女の子が普通は書けないよね。微分方程式が好きだなんて出てくる。父親もそれなりの素養があるとはいえ、7歳までほぼ独学でここまでのレベルまで達することができるかどうかは疑問だな。突っ込むとなるとそこだ。
でも、その天才少女を普通に飛び級で大学レベルまでの教育をさせてしまうシステムがあるのが、日本とアメリカの違い。公平という言葉が浸透してしまい、なかなか日本では難しいが、これから先はどうなるのか?
映画にスパイスを与えるのはアフリカ系名女優オクタビアスペンサーだ。どの映画に出ても特別な存在感を示す。隣人で主人公の数少ない理解者だ。そんな隣人がいても母親と息子が争う。その対決を法廷で行うということに別に金がからんでいるわけではない。双方に言い分がある。どちらもごもっともだ。こんなパターンいやだな。