自分が貧乏だから持っているお金だけで出来る趣味を楽しむ。これが引退後の人生を輝かしい日々に変える為の鉄則と確信する境地に至りました。
まず自分が貧乏であると、しっかり認識します。しかし、お金持ちになろうと考えてはいけません。創意工夫を重ねて、あるお金だけで賢い生活をすることです。この時、一つや二つの趣味を持ち、その為の最小の出費を惜しんではいけません。
何度も書きましたが、別荘と「山の中の小屋」との出費の違いは大きいものです。建造費が10対1位違います。別荘地と山林地とは値段も違う上、不動産税が雲泥の差です。
しかし豊かな想像力と自然へ対する憧憬が強ければ同じように楽しめます。ロマンチシズムを持っていると、より一層豊かに趣味を楽しめます。
十畳位の山林の中の小屋へ36年間通っています。増築もせず、ペンキだけを白く塗っています。
以前は電気釜という文明の利器を使ったことがありませんでした。
最近、娘夫婦が使わなくなった電気釜をくれました。それを山へ持って行って美味しいご飯を炊くことにしました。
友人の鬼家さんを招んで、青空の下で家内と3人で昼食を楽しむ。それだけが楽しいのです。見上げると丘の稜線に立つ雑木林が落葉し、向こう側の青い空が見えます。テーブルの足元には清らかな水音をたてて小川が流れています。昼食は炊き上がったばかりの鶏飯だけです。お茶と漬物だけの質素な食事です。今年のキノコの出来具合が食卓の話題です。
鶏ご飯の準備は前日に自宅で丁寧にします。鶏肉、ゴボウ、シイタケ、ニンジン、油揚げを刻み濃い味で煮て持って行きます。茶飯が出来たら混ぜるのです。鶏ご飯を丼に盛り、上に卵焼き、サヤエンドウ、紅ショウガ、刻み海苔をかけて出来上がりです。
一番大変だった工程は、鶏の一枚のもも肉を小さく刻むことでした。それを根気よくしたので山の中で食べる鶏飯が一層美味しく感じることが出来たのです。正直に白状すればニンジン、ゴボウ、シイタケを刻んで煮たのは家内ですが。
山林の中に小屋を持っています。そう人に言うと、「私には別荘を持つ余裕が有りません」と答える人が多いのに吃驚します。
それは好奇心の欠如と想像力の貧困を白状しているように聞こえます。そのような発想方法では引退後の人生を輝かせる事が不可能と思います。
紙と墨だけで古新聞紙に見事な書を書く人を見たことがあります。子供へ書道を教えている人でした。子供の持ってきた粗末な筆を取り、墨汁をたっぷり浸けて、一気に書いた文字の躍動感に吃驚したことを思い出しています。書の趣味はごくささやかな出費で楽しめるのです。
勿論、お金をかけだしたらキリが有りません。それはどんな趣味でも同じことです。自分が貧乏であるとしっかり認識する。賢い工夫と想像力で趣味の世界を豊かにする。出費は最小限にする。貴方自身の想像力と何かへ対する憧憬の心があれば人生が輝きだすのです。
皆様は趣味をお持ちでしょうか?どの様な境地で楽しんでいらっしゃいますか?毎日が輝いていますでしょうか?すでにその事をご存知の方々には無駄な文章でした。失礼しました。
自分が13年間乗ってきた26フィートのクルーザーをある方へ売りました。
今年の5月から独りでセイリングを楽しむための練習を3回した方です。約束通り10月29日に譲渡証明書と代金を交換して売り渡しが完了しました。
その方はヨットが未経験です。帆にどのように風を受け、舵をどの方向にすれば風上に登れるかとかなり丁寧に訓練しました。エンジンのかけ方やバッテリーの管理や水漏れの管理方法も伝授したつもりです。
その方が本気でヨットを始め、名前もMyHermitCrab号と変えて、新しくデビューしてくれました。その上、「クルーザーヨット MyHermitCrab号 のブログ」を開始してくれました。アドレスは、http://myhermitcrab.blog.fc2.com/ です。
兎に角、ヨットが本当に好きな方です。これで私も肩の荷が下りました。下りたどころか大変喜んでいます。昔の愛艇の活躍の様子がこのブログで見る事が出来るからです。MyHermitCrabさん、本当に有難う御座いました。後藤和弘
下はMyHermitCrab号として生まれ変わった後のヨットの写真です。新しい船長がiphoneで撮った写真です。
現役の間はしばしば外国へ行きました。その土地の人々と一緒に食事をしたり、お酒を飲んだりします。すると日本の文化とはどういうものですかと聞かれます。貴方は即座に答えられますか?長い間困っていましたが、ある時簡単な答えを発見しました。「佛教文化です。国宝には7世紀以来の古いお寺や仏像が沢山あります。」と簡単に答えます。すると今度日本へ行ったら何処のお寺を見たほうが良いですかと聞かれます。この質問も困った質問です。そんなに考え込む必要はありません。
自分の好きなお寺をあげれば良いのです。奈良の法隆寺と唐招提寺。京都では清水寺、南禅寺、高台寺、鎌倉では建長寺と円覚寺と答えます。この時、ウンチクを傾けて余り沢山のお寺の名前を言わない事です。相手が目を回さないようにゆっくり発音します。
さて次の質問はは大抵、「日本の仏教文化とインドやタイの仏教文化とどのように違いますか?」というものが多いのです。貴方は答えられますか?これも困った質問ですね。私は簡単に言います。「キリスト教でも戒律の厳しい宗派と自由な宗派があるでしょう。インドやタイの南方系の仏教は戒律が厳しく、日本の仏教は穏やかな佛教です。和を持って尊しとなす。ですね」と答えます。
その次の質問は、「キリスト教では福音書がありますが、仏教にはありますか?」です。答えは簡単にします。「勿論あります。お経と言います。福音書は4種だけですが仏教のお経は1000年ぐらいに渡っていろいろな弟子によって書かれたので数が非常に多いのです」と答えます。食事をしながらの話なので、大体このぐらいで質問は終りです。面倒くさくなったら楽しい話題へ変えてしまえば良いのです。
今日、何故かそんな事を思い出しました。写真は唐招提寺のWikipedeaとHPからお借りしました。私の好きなお寺です。
今日も皆様のご健康と平和をお祈り致します。藤山杜人
参考までに:釈迦は紀元前5世紀頃、シャーキャ族王・シュッドーダナ(漢訳名:浄飯王 じょうぼんのう)の男子として現在のネパールのルンビニで誕生。ゴータマ・シッダールタ は王子として裕福な生活を送っていたが、29歳で出家した。35歳で正覚(覚り)を開き、仏陀(覚者)となったことを成道という。まもなく釈迦のもとへやってきた梵天の勧めに応じて、釈迦は自らの覚りを人々に説いて伝道して廻った。80歳で入滅(死去)したと言われている。