2週間ほど前、鎌倉へ独りで行ったので、今日は家内と一緒に行きました。人混みの鎌倉八幡宮や建長寺、円覚寺は、はじめから敬遠して、昔から好きだった海蔵寺を訪れました。いつ行っても、2、3人しか参拝人が居ません。
静謐です。質素です。清寂です。何故か鎌倉仏教とはこういうものですと教えているようです。
すがすがしい気分で、碧い由比ヶ浜の波打ち際を散策して帰って来ました。心の洗われるような冬の一日でした。
写真をお楽しみ頂ければ嬉しく思います。
このお寺は1253年に創建されました。しかし1333年鎌倉幕府が滅びるとき全焼しました。その後の1394年上杉氏定が再興します。
上の本堂は江戸末期のものです。
本堂の右手にはカヤぶき屋根の庫裏があります。江戸末期の建造です。
境内の奥の岩崖を掘った洞窟があり、その床面に不思議な16ケの井戸があります。霊験あらたかな水が現在でもコンコンと湧いています。
境内の裏山の崖を掘りぬいてお墓が立っています。鎌倉時代特有の塔の構造を持った質素なお墓です。
江戸時代の薬師堂が本堂の左に建っています。床を注意深く見ると中国のお寺ののように石畳になっています。つまり床板を張っていないのです。数人の僧が立って歩き回りながら読経をします。管長だけが中央の椅子に坐ることが許されていたようです。そのような光景は私の祖父が住職をしていた兵庫県の田舎のお寺で見た経験があります。
それはそれとして、鎌倉のお寺回りをする時はなるべくなら有名な人混みの多いお寺は避けて、小さいお寺を調べて、丁寧に回ると気持ちが良いと思います。「鎌倉のお寺」を検索すると小さな、しかし印象深いお寺の情報が沢山でています。
建長寺や円覚寺だけでなく、是非、小さなお寺もお訪ね下さい。(終り)