後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

多くの日本人は漆黒の闇夜の恐怖感を体験していない?

2012年04月29日 | 写真

山林の中の小屋は月夜でも真っ暗です。林の樹木が小屋を覆い、狭い道も覆っています。

毎月、2、3回泊りに行くたびに闇夜の中をほんの少しだけ散歩します。

漆黒の闇の中で、私は何故か恐怖感を感じるのです。周りに人家が無いせいもあるのでしょう。イノシシやクマやキツネやタヌキが歩き回っている気配です。

よく考えてみると動物が怖いのではありません。闇そのものが怖いのです。

懐中電灯や街灯の皆無だった江戸時代以前の人々はきっと闇夜が怖かった筈です。キツネやタヌキが人を騙すのです。いろいろなお化けが出て来ます。それを信じていたのです。下に昨日の闇夜の写真を示します。

闇夜の恐さが伝わったら嬉しく思います。

まず100Wのガーデン灯が闇に押しつぶされ、弱弱しく水面に写っている様子です。

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焚火の火も闇に押しつぶされ、弱弱しく光を放っています。

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山林へ分け入り、狐に会いながらヤマザクラを楽しむ

2012年04月29日 | 日記・エッセイ・コラム

昨日は、甲斐駒岳の麓の小屋に一泊しました。今日は温かい青空です。

山林の中には葉と花が一緒に出て来るヤマザクラが咲いています。自然な美しさに誘われて山林の中へ分け入り、その花の写真を撮っていました。

ところが突然、キツネが出てきて食べ物をねだります。どうも近所の別荘の人々が餌をやっているらしくで馴れ馴れしく寄ってきます。

家内がキツネは人を騙すから林から出ようと言います。

兎に角、ヤマザクラの花の写真を撮り終えたので道路に出て、帰って来ました。

写真をお楽しみ頂ければ嬉しく存じます。

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お化けのような年老いた桜木の向こう側に見えるもの・・・薬師桜、釜の越桜、伊佐沢の久保桜

2012年04月29日 | 日記・エッセイ・コラム

山形県の西南部、朝日連峰の東に広がる盆地を置賜地方と言います。昔の米沢藩です。米沢藩はあちこちの桜の木を大切にしました。

現在でも、土地の人々はその伝統を守り、樹令数百年から1200年の桜の古木を大切に保護しています。そのお陰で毎年花が咲いています。

最近では、桜木が沢山あるので置賜花回廊という名前で観光客を集めています。その桜には以下のような名前がついています。釜の越桜。薬師桜。草岡の大明神桜。伊佐沢の久保桜。子守堂の桜。八乙女種まき桜。最上川堤防千本桜、白兎のしだれ桜。十二の桜。赤坂の薬師桜。殿入り桜。双松公園の眺陽桜・慶海桜。烏帽子山千本桜。

今年の4月26日にこのうちの薬師桜、釜の越桜、伊佐沢の久保桜、白兎のしだれ桜、烏帽子山千本桜の4ケ所を見て回りました。

残念至極でした。東京はすでに桜が散ってしまっているのにこの地方はまだ全然咲いていません。

痛々しく数多くの棒に支えられています。暗い寒空を背景にして、不気味なお化けのような姿をしていました。

いろいろな事を考えさせる光景です。

こんなに苦労して毎年、毎年、桜花を咲かせるのは何故でしょうか?

人間の長寿への憧れなのでしょうか?生きとして生けるものを大切にする仏教の教えなのでしょうか?老木の桜を信仰の対象にしているのでしょうか?桜木の保存運動を中心にして、温かい人間同士の絆を楽しんでいるのでしょうか?子供や孫達へ先祖の心を送りたいのでしょうか?これらの気持ちが一緒になって土地土地の人々が一生懸命年老いた桜木を大切にしているのです。

この地方は米は採れますが貧しい土地です。しかし上杉鷹山のお陰で蚕を飼い、絹糸を作り、紬を織り、豊かになったのです。木彫りも盛んになり、焼き物も作りました。

その上、桜木を大切にする心も育てたのです。米沢藩の治世の良さがこの地方の伝統として残っているのです。現在も絹織物産業が少し残っています。ブランド物のあやめスイカも出荷されています。

桜の花の咲いて居ない老木はお化けのように不気味ですが、上に書いたように米沢藩の心豊かな文化の象徴なのです。そんな感概を覚える置賜盆地の旅でした。

下に薬師桜、釜の越桜、伊佐沢の久保桜の写真を順々に示します。

それはそれとして、

今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)

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