私は日本に人間が住み始めたのは「4万年前から」と言います。
つまり私の日本の旧石器時代の定義は4万年前から1万6千年前の24000年間を旧石器時代と定義します。定義ですから私の個人の勝手で良いのです。
このように断言すると岩手県遠野市の金取遺跡からは8万年から9万年前の石器が出ているのだから、日本列島には9万年前から人が住んでいたと主張する人がいます。
この金取遺跡のような遺跡が一つだけでなく各地に30ケ所位発見されていれば私の旧石器時代の定義は変えるべきです。
しかし金取遺跡一か所だけの発見で旧石器時代の年代を5万年も遡ると断言するのは危険すぎるのです。それはあくまで可能性を示す、弱々しい証拠なのです。
この下の記事で説明した通り、丸木舟しか存在していなかった時代に日本産の黒曜石が大陸の遺跡でも発見されているのです。
人間が日本へ移り住むのは不可能ではありません。
そこで皆様へ質問をしたいと思います。
「一体、何人の人が住み着いたら日本へ人が住み始めたと言うのですか?」
九州に1家族、関東に1家族でも住めば日本へ人が住み始めたと言って良いのでしょうか?
私は日本全域にまんべん無く数万人の人が棲んだ時をもって旧石器時代の始まりと言うのが良いと信じています。その証拠が出ているのはせいぜい4万年前と私は判断しています。ですから4万年前と言っているのです。
さてこの4万年前は本当に正しい年代決定なのでしょうか?
そこで放射性炭素年代測定法の誤差を調べてみました。それには下の図面のプロットのばらつきの範囲を見れば分かります。誤差を安全のために大きめに考えると約プラス・マイナス500年となります。
上の図面の説明:横軸は真の年代です。縦軸に示したのが放射性炭素測定による見かけの年代です。
青丸は堆積物による年代測定、緑の線は年輪法、赤のシンボルはサンゴ礁のU-Th法(Kitagawa、1998)
出典:http://members.jcom.home.ne.jp/natrom/carbonradio14.html
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さて、http://members.jcom.home.ne.jp/natrom/carbonradio14.html にある放射性炭素年代測定暦年較正年代法の原理と説明を見るとこのプラス・マイナス500年間の誤差の他の誤差が無いようです。
ですから放射性炭素年代測定暦年較正年代法は信じて良いと思います。
しかし10万年以上前の年代決定は誤差が大きくなるのが自然と思っています。
このように科学的な考察は多数の証拠物の発見によって一歩一歩と慎重に進めるべきものです。
一個や二個の石器が出てきたからと言って日本の旧石器時代の始めの年代を急に遡らせてはいけません。
この様な科学の初歩を無視したために旧石器の捏造事件が起きたのです。小生の見解を述べました。(終わり)