約3年前の3月11日に福島原発が水素爆発しました。
すごい衝撃で原子炉の冷却水のパイプラインがぐずぐずに破壊され、汚染水が工場の地下室や別棟の発電工場の床にも溜まりだしたのです。
東京電力は地下室や地中へ浸みだした汚染水の量を推定出来るのに、それは国家的極秘事項と考えているのか一切の発表がありません。
融けだした原子炉の炉心を冷却するため現在でも毎日200トンから400トンの真水を注入しているようです。
最近、その80%は漏れていて、残りの20%だけを冷却後の排水管から回収して汚染水貯蔵タンクへ貯蔵しているという情報が流れています。
下の図はその情報の出ている、http://saigaijyouhou.com/blog-entry-1696.html から転載しました。
ロボットなどを使用した福島第一原発の内部調査によって、冷却水の大半が格納容器から漏れていることが判明しました。
2014年1月30日に東京電力が記者会見で発表した最新の情報によると、福島第一原発1号機に注水している毎時4.4トンの冷却水の内、全体の8割に匹敵する毎時3.4トンが汚染水となって漏れているとのことです。
毎時3.4トンということは、24時間で81.6トンです。これは1号機だけの量なので、福島第一原発全体の事を考えると、途方も無いほどの莫大な量の汚染水が日々誕生していることになります。
1号炉だけで毎日81.6トンの汚染水が工場の床に、そして地中へ浸み出しているのです。
福島原発は4つの原子炉があるので、この81.6トンを単純に4倍すると326.4トンもの汚染水が毎日漏れ出していることになります。
この概算した326トンもの汚染水は一体どこへ消えて行くのでしょうか?
これこそが極秘にしたい情報なのです。
単純に科学的に考えれば地中に沁みこんで、地下水と混じって、やがては海に出る可能性があるのです。
これを否定するように以下のような対策が発表されています。
【原発問題/福島第1原発の現状】(2014年2月24日) 汚染水のリスク低減急務 タンク漏えい問題で東電:http://www.47news.jp/47topics/e/201888.php からの図面を下に示します。
上の図面の左に地下水が1日で400トンが流入していると描いてあります。
原発工場の床から毎日組み上げている汚染水の量が400トンありますが、高台から海の方向へ移動している地下水の量はその何倍もあり、誰もその推定方法が分からないのです。
「原発工場の床に流入している地下水を毎日400トンを漏れた汚染水と共に汲み上げているから汚染水はわずかしか海の底には移動していない筈だ」と主張したいのが東京電力の報道姿勢です。
毎日漏れ出している汚染水の総量を素人が推算出来ないように冷却水の注入量を明確に発表しません。そして漏れた汚染水の行きさきも推定していません。
しかし虚心坦懐に考えれば簡単なことです。
仮に毎日漏れる汚染水が約326トンあると仮定してみましょう。
この多量の汚染水が全量が工場の床に溜まれば良いのですが、かなりの部分は地中に沁みこんで地下水と混じると考えるのが自然科学の考え方なのです。
こうして原発工場の下で汚染水と混じった放射性を持った地下水が海底の方向へ移動すると考えるのが自然ではないでしょうか。
そうすれば風評被害で福島沖の魚介類は売れなくなります。
しかしここで又簡単な物理現象を考えます。
すると、地下へ浸みこんだ汚染水の放射性物質は海底方向に移動する途中で、土壌を形成している酸化ケイ素や酸化アルミニュームや酸化鉄の粒子に物理的吸着にする筈です。
簡単に言えば汚染された地下水は地中を移動している間に濾過され浄化されるのです。
この自然現象が起きなければ福島沖の太平洋は今後数十年以上にわたって汚染され続くのです。
このように科学的に考えて東京電力は全ての情報を開示すべきです。何かを隠そうとする文化を克服すべきではないでしょうか。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りしてまいります。後藤和弘(藤山杜人)
====参考資料=======================
・写真の出典は、http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130903/dst13090319210016-n1.htmです。
写真は2013年8月31日撮影の汚染水を貯蔵するタンク群の写真です。
下は水素爆発直後の福島原発の様子です。
直面する「2つの汚染水」問題:2013.9.3 19:26
(http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130903/dst13090319210016-n1.htm)
東京電力福島第1原発の汚染水問題は建屋地下に流入する地下水が汚染されていく地下汚染水と、それを貯蔵するタンクからの漏洩との2つがある。
福島第1原発の1~3号機では、溶けた燃料を冷却するために原子炉に水を注入し続けている。その水が燃料に触れた後、放射性物質に汚染され原子炉建屋地下などにたまっている。
冷却した水は循環させて再び冷却に使用するので、これだけでは増えない。問題は建屋地下に1日約400トンの地下水が流入していることだ。このため汚染水が増え続けている。
トレンチ(地下道)内には高濃度汚染水がたまっており、この水が原発の港湾内の海に流出。東電の試算ではトリチウム40兆ベクレル、ストロンチウム10兆ベクレル、放射性セシウム20兆ベクレルが流れた可能性がある。
こうした汚染水をためているのが地上タンクだ。構内には約930基の地上タンクに34万トンの高濃度汚染水が保管されている。うち約300基は鋼板をボルトでつなぎ合わせた簡易な「フランジ式」。8月19日に推定約300トンの漏洩が合ったのもこの型だ。
タンクの信頼性が崩壊したことで、多核種除去装置ALPSの活用や、地下水の流入を阻止し汚染される前に井戸でくみ上げ海洋放出することが抜本的な解決策となる。
しかし、ALPSはトラブルが相次ぎ停止中。タンクからの漏洩場所は井戸の近くで海洋放出も漁業関係者の理解を得るのは難しい状況となっている。