後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

今日は広島の原爆被害者の追悼日

2015年08月06日 | 日記・エッセイ・コラム
今日は広島の原爆被害者の追悼日です。テレビでは安倍総理の追悼の言葉が流れています。そして核兵器の廃絶を祈る日です。
しかし広島や長崎の追悼式は核兵器廃絶へ殆ど影響を与えていません。末尾の参考資料に示すように、現在世界には総数16400発もの核兵器があります。
そのうち4180発が運用状態にある「配備核」です。そして米ロ合わせて約1800発が数分で発射可能な一触即発の状態に置かれているのです。
この状態は絶望的です。
しかし私は強く信じています。
広島と長崎での原爆による死者への追悼式は核兵器の廃絶に効果は無くても、核兵器使用の禁止へは必ずや効果があると信じています。
追悼式典にアメリカ、ロシア、イギリス、フランス、そして中国の政府代表者を招待し核兵器の非人道性を理解してもらうことが核使用の禁止への効果があると信じます。
幸い最近はアメリカの大使が出席するようになりました。今日もケネディ駐日大使が出席し、さらにゴットムラー国務次官も出席します。今回は過去最多の100ケ国の主に民間の人々が出席するそうです。それにしてもアメリカ以外の、ロシア、イギリス、フランス、そして中国の政府代表者は出席しているのでしょうか?日本のマスコミはそのことを殆ど報道していません。
日本はもっと核保有国の政府代表を熱心に招待して、広島や長崎での追悼式の様子を外国で報道するように働きかけるべきと思います。
そして核兵器を実際に使用したら国際的に強い非難が出るような国際環境にすることが非常に重要なことと思います。
すでに核兵器を保有している国は絶対にそれを放棄しないのです。過去の核軍縮が効果を上げていないのを見ればそれは明瞭です。ですからこそ核兵器の廃絶よりも使用禁止の心理状態を作り出すことがより現実的な有効な方法ではないでしょうか?
その上非常に危険なのは北朝鮮と中国の核兵器です。国際関係の常識を重要視しない国なので国際世論など気にしないで使いかねないと警戒すべきです。
中国と言えば核戦争に対する防空壕が備えてあるのです。
1981年から私は数年間にわたって北京や瀋陽を何度か訪問しました。何時も大学の立派な地下室で美味しい中国料理をご馳走になったのです。それは地下3階以上の深い立派な地下室です。聞くとそこの厨房が立派なので多種多様な料理が出来るので当時もよく使っていると言います。そしてそれは朝鮮戦争のときマッカーサーが原爆を落とすということで造った防空壕だと言うのです。その地下室に降りる階段は狭く、何度も曲がってついているのです。
当時は日中友好の時代でしたので日本人の私を地下壕のレストランへ招待してくれたのでしょう。その後、中国へ行った日本人に聞くと地下壕のレストランは知らないと言います。外国人をそこへ案内しないことにしたようです。
この体験は私に核戦争の危険性をひしひしと感じさせました。中国が核兵器の引き金に手を掛けないように祈っています。
広島の原爆犠牲者の追悼式から話がそれました。
しかし今日は原爆犠牲者のご冥福を心からお祈りします。
そして亡くなれた方々の心安かれと祈りつつ、現在の平和な農村風景の写真をお供えいたします。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)
===参上資料:世界の核兵器保有数=========
2014年の世界の核状況:http://kakujoho.net/ndata/nukehds2014.html
米国、2014年4月29日、核兵器数発表
国務省発表ファクトシート全訳
2013年9月国防省管轄下の軍用保有核数4804
4年間で削減された核弾頭数はわずか309
世界の核兵器2014年
国名  戦略核   戦術核   予備/非配備   保有核    総数
ロシア  1600    0     2700       4300    8000
米国   1920    184     2661      4765    7315
フランス 290    ─      ?        300    300
中国    0     ?     180        250   250
英国   160    ─      65        225   225
イスラエル  0   ─    80         80       80
パキスタン  0   ─    100-120     100-120   100-120
インド    0   ─    90-110      90-110    90-110
北朝鮮    0   ─   <10       <10        <10
合計(概数) 4000   180   6000     10100    16400
上の表は、FASのサイト(Status of World Nuclear Forces)にクリステンセンが載せているものです(2014年4月30日更新)。世界の核兵器は、実際に配備されているもののほか予備などを含む「軍用保有核」が約1万100発、退役して解体待ちのものを入れると、<strong>総数約1万6400発という推定です(米国が発表した2013年9月現在の米国の軍用保有核数は4804ですが、クリステンセンらはその後少数が退役し、現在4765と推定しています)。解体待ちの状態の退役核は、米国が約2500発、ロシアが約3700発です。米国は他に、核弾頭の芯の部分(プルトニウム・ピット)約2万個保管しています。
世界の「保有核」1万100発のうち、約4180発が運用状態にある「配備核」です。このうち、米ロ合わせて約1800発が数分で発射可能な「高い警戒態勢」(ハイ・アラート)状態に置かれていると、二人は見ます。両国の核兵器は、今も一触即発の状態にあるのです。英仏も、レベルは下がりますが、短時間で使用可能な状態の核兵器を維持しています。この4ヶ国を合わせると2000発近くになるこの範疇の核弾頭をなくすことが重要です。