後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

スコッチウイスキーの好きな方々へ贈る写真

2016年10月18日 | 日記・エッセイ・コラム
世の中にはビールや日本酒やワインやウイスキーなどが好きな人が沢山います。
そしてスコッチウイスキーが大好きという人もいます。
今日はこのスコッチウイスキーが大好きという人がご覧になったら興奮するような写真をお送り致します。
竹鶴政孝が1918年にスコットランドに留学して、本物のウイスキー工場を作ったのが北海道の余市という場所でした。
先日、その工場の写真を撮って来ました。
写真を示す前に二つのことだけを説明させて下さい。
ウイスキーは大麦を発芽させ、その発芽を止める為に一旦乾燥し、以後適度の水分を加え大麦のデンプン成分を発酵させアルコールに変えます。この発芽大麦を乾燥させるときスコットランド特有の泥炭(ピート)で燻します。この煙の香りがスコッチの味のもとになっています。
発酵した大麦を蒸留してアルコール分が60%以上の無色透明な蒸留液(ニュースピリッツ)を製造します。
これだけでは味も素っ気も無いものです。
ところがこの無色透明な蒸留液を木の樽に詰めて3年以上、10年前後熟成します。
木の樽は四季折々の寒暖の差で呼吸をします。呼吸しながら無色透明な蒸留液は木材の成分を染み出し、化合して次第に琥珀色に変わって行きます。硫黄分の嫌な臭いが抜け、まろやかな味に熟成されていくのです。
スコットランドでは3年以上の熟成期間が法定されているそうですが、実際は10年ないし12年にわたって品質と味が良くなっていくのです。
ですからスコッチウイスキーとはその現地の泥炭を使い、スコットランドの気候の下で数年間熟成したものに限ります。
それはスコットランドの民族文化なのです。
日本へこのスコットランドの製法を忠実に導入したのが前述の竹鶴政孝だったのです。

さて前置きはこのくらいにしてスコッチウイスキイーの好きな方々が喜ぶような写真を2枚お送り致します。

1番目と2番目の写真は蒸留後の無色透明の蒸留液を樽詰めにし、貯蔵庫で熟成している場面です。貯蔵庫は暗いので写真がよく撮れませんでした。
貯蔵中に年月の経過とともに、熟成し味がどんどん良くなっている場面です。

特に2番目の写真は木の樽が年月とともに風化して古い感じになっている様子の写真です。中のウイスキーが美味しく出来上がっていることを暗示しています。このようにウイスキーの大好きな人は木の樽の古さをしげしげと眺めるのです。そして木の樽が四季の変化に従って呼吸をしている様子を想像して楽しむのです。

3番目の写真はニッカウイスキー余市工場の風景です。工場には蒸留施設も公開していますが、特に珍しいものではありませんでした。

4番目の写真は余市工場の試飲レストランでピュアーモルトを2杯ほど楽しんだあと見た夕焼けの光景です。

5番目の写真もバスの窓から見えて夕焼けの風景です。羊蹄山の麓にある留寿都村のホテルへ向かう道の風景でした。

なおスコッチウイスキーの味を決める製造工程の重要な部分は末尾の参考資料に説明してあります。今回の記事は味だけに拘りすぎたようなので反省しています。


それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)
===参考資料========
ウイスキーの樽貯蔵による熟成;https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%83%E3%83%81%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC
・・・大麦の芽の長さが種子の5/8ほどの長さになったら麦芽を乾燥させて発芽を止める。乾燥は水分が5%ほどになるまで続けられる。
この時、温度が高すぎると麦芽に含まれる酵素の活性が失われてしまうため、温度を上げ過ぎずに、しかも素早く乾燥させる必要があり、そのためには送風速度をコントロールすることが重要とされる。乾燥のための燃料はガスや重油、炭が主で、ピート(泥炭)も用いられる。ピートを麦芽を乾燥させるための燃料として使用することで「スモーキーフレーバー」と呼ばれる煙臭が麦芽に染み込む。この煙臭は以降の製造工程でも失われることはなく、スコッチ・ウイスキーを特徴づける香りの一つとなる。スモーキーフレーバーの内容はピートが掘り出された場所や深さ、炭化の進み具合、ピートを焚く時間の長さなどによって異なる。
・・・・・
蒸留によって得られた無色透明の蒸留液(ニュースピリッツ)は、フィリングステーションと呼ばれる施設で樽詰めされた上で、保税貯蔵庫に貯蔵される。
貯蔵中には時間の経過とともに、熟成と呼ばれる性質の変化が起こる。
スコットランドでは3年以上の熟成期間が法定されている。ただし実際は10年ないし12年にわたって品質の向上は続き、法定期間よりも長く熟成されるのが一般的である。
モルトウイスキーの場合、18年間ないし20年間の熟成させたものが最も味わい深いとされる。
まず、蒸留の工程で得た蒸留液に加水し、エタノール濃度を63.5%程に下げる。
約60%のエタノール濃度は、ウイスキーにとって重要な意味をもつ。なぜならば蒸留後に行われる熟成の過程においてエタノールは樽の木材に含まれる、ウイスキーの品質を基礎づける高分子成分を分解するが、エタノール濃度が約60%であるときにもっとも盛んになるからである。
ウイスキーの貯蔵に適しているのは、「あまり気温が高くなく、湿度の高い、清澄な環境」で、「めりはりの利いた四季の変化、適度な温度変化や湿度変化があることが望ましい」とされる。
樽の中のウイスキーは湿度や温度の影響を受ける。例えば気温が上昇すると樽の中のウイスキーの容量が増加し樽内の気圧が上昇、その影響で揮発成分が樽の外へ蒸散する。逆に気温が低下すると樽の中のウイスキーの容量は減少し樽内の気圧が下降、樽の中へ外の空気が入り込む。 前者の現象は初夏から秋口にかけて、後者の現象は晩秋から初春にかけて起こる。このような気体の出入りは「ウイスキー樽は呼吸をしている」と表現される。樽に隙間が生じていたり木材の乾燥が足りないと、呼吸に過不足が生じることになる。・・・・
ウイスキー樽の「呼吸」により樽の外へ蒸散する揮発成分の量は、1年目は年2%ないし4%、2年目以降は年1%ないし3%にのぼる。この蒸散量を「天使の分けまえ」という。蒸散する気体の中にはエタノールだけでなく、硫黄化合物などウイスキーの味を損なう成分も含まれており、古賀邦正によると「天使に『分けまえ』を差し上げる代わりに、暴れ馬のニューポットを品格あるウイスキーに育ててもらっている」・・・・