後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

「今年も灰の水曜日、四旬節、復活祭、そして櫻も咲きます」

2020年02月04日 | 日記・エッセイ・コラム
昨日は節分で今日は立春です。春が少し近づきました。この季節になると南米ではカーニバルに出場する山車の準備が忙しくなります。いろいろなチームが華やかな山車を作りパレードに参加して競い合うのです。青森の「ねぶた祭り」と同じような運営です。
その賑やかな南米のカーニバルは「灰の水曜日」の前日にピタリと止め、静かな節制の四旬節が始まります。
今年の灰の水曜日は2月26日の水曜日で復活祭は4月12日の日曜日です。
それでは南米ではカーニバルの写真をお楽しみ下さい。
特に1番はじめの写真は遥々日本から参加した五所川原市が寄贈した、高さ15mの「たちねぷた」です。
2015年2月14日にサンパウロで行われたサンバカーニバルに出場しました。
この写真の出典は、http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG14H3G_U5A210C1CR8000/ です。
この「たちねぷた」は、40フィートコンテナ15台に分割された状態で1ヶ月半かけて船で運ばれ、1月にブラジルに到着した時から、現地で大きな話題となっていたそうです。サンバカーニバルに他国の祭事がそのまま持ち込まれるのは異例です。山車の一つとしてねぷたが登場した際には、大きな歓声とともに迎えられたと言います。





南米のカーニバルが新聞やテレビに出てくるようになると、ああ 春が近づいたと感じます。
そしてそれが終ると「灰の水曜日」があり四旬節が続いて、最後に復活祭がきます。
それは春先の季節の変化を示す歳時記のようなものです。
西洋の祝祭日のクリスマスやカーニバルや復活祭も日本の俳句の季語になっていることは面白いと思います。

さて今日はカーニバル、灰の水曜日、四旬節、復活祭の意味とお互いの関係を簡単にご説明したいと思います。
カーニバルでは山車の飾りつけを競います。そして女性の踊りも山車を引き立てます。毎年、四旬節の前に行われるお祭りです。
南米でのお祭りさわぎはヨーロッパではしません。南ヨーロッパでは仮装を中心にした宴を開きます。謝肉祭の宴です。
ドイツなどの北ヨーロッパではカーニバルのお祭り騒ぎを一切しません。
ところがサンバ踊りは日本各地の「サンバ祭り」として夏祭りの一つとして導入されています。日本のサンバ祭りは四旬節に関係なく夏に行われますので宗教行事ではありません。そしてこれも夏の歳時記になっています。

さてそれはそれとして、これらの宗教的な行事の意味を簡略に説明しておきます。
イエス・キリストは、ローマ提督、ピラトによって十字架刑にされました。2000年程前の出来事です。しかし3日後に復活して生き返りました。そして弟子達と会い、話をして、天国へ登り、神の右の座に着きました。
このイエス様の復活を祝うのが復活祭です。春先の大きなお祭りです。今年は4月12日(日曜日)です。
その前の40日間が四旬節として歌舞音楽を控え、断食や節食をしてイエス様の処刑を悼みます。
カトリック圏では騒がしい音楽やお笑いがテレビやラジオから消えます。静かな番組になります。禁欲的な生活を送る40日間なのです。
その四旬節の始めの日が、「灰の水曜日」です。灰の水曜日とはその日に神父さまが信者一人、一人の頭に灰をつけてくれるのです。この世の全てのものは土から生まれ、土へ還るということを忘れないように信者の頭に灰をつけるのです。今年は2月26日の水曜日です。
そしてこの日から禁欲の40日(四旬節)が始まります。
この禁欲的な40日間の前に大いに肉を食べ、ワインを飲み、馬鹿騒ぎをして断食や節食の期間へ突入する準備をします。それがカーニバル、あるいは謝肉祭と呼ばれるお祭りなのです。
ですからこの飽食や馬鹿騒ぎは「灰の水曜日」の前日にピタリと止めます。大規模な南米のカーニバルも2月25日(火)に終わり、世の中は水を打ったように静謐になります。
この謝肉祭が行われるのはカトリックの国々です。特にスペインやポルトガルの植民地だった南米では大きなお祭りとして毎年行われます。
しかし、イエス様は飽食や、欲望のままに酒を飲むのを喜ぶでしょうか?「汝、肉慾に生きるな」と教えました。ですから馬鹿騒ぎのカーニバルはキリスト教とは関係の無いお祭りだと私個人は理解しています。

「灰の水曜日」はカトリックの重要な儀式で、今年は2月26日で、この日から復活祭の四旬節が始まります。
なお復活祭の日付は毎年変わります。「春分の日の後の最初の満月から数えて最初の日曜日が復活祭」と定められているからです。これは、紀元325年に開かれたニカイア公会議という世界教会会議で定められました。その年によっては最大一ヶ月ほど、つまり月の周期プラス数日のずれが生じるのです。年ごとの日付は、http://www.calvin.org/misato/easter/easter04.htm をご覧下さい。
このような歴史的事情と関係の無いのが日本の夏の「サンバ祭り」です。
しかし日本に定着しているクリスマスと同じようにサンバ祭りも良いものです。とにかくどんな祭りでも楽しいものです。
戦争よりは祭りが絶対に良いのです。今年も南米のカーニバルの映像がテレビに流れるのを楽しみにしております。
日本のお祭りの雛祭りも来て、やがて白いモクレンも咲き桜が咲き誇る春がやって来るのです。
この季節は希望に満ちた季節です。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)