アフガニスタンでのアメリカ軍とガニ大統領側の軍は昨日タリバン軍に撃ち負かされ タリバン軍は勝利宣言をしました。
1番目の写真はガニ大統領府を占拠したタリバン軍の兵士です。自動小銃を手にした男たちが大統領府の執務室とみられる部屋に集まっている様子です。
以下は昨日のニュース記事です。
「アフガニスタン反政府武装勢力 タリバン勝利宣言 大統領は出国」
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210816/k10013204961000.html?utm_int=detail_contents_news-related_001
2021年8月16日 8時29分
アフガニスタンで政府軍と戦闘を続けてきた反政府武装勢力、タリバンの幹部は、日本時間の16日朝早く、勝利を宣言しました。
ガニ大統領は出国し、政権は事実上、崩壊しました。アフガニスタン反政府武装勢力 タリバン勝利宣言 大統領は出国した。
ガニ大統領は出国し、政権は事実上、崩壊しました。アフガニスタン反政府武装勢力 タリバン勝利宣言 大統領は出国した。
アフガニスタンでは、治安を担ってきたアメリカ軍が今月末までに撤退を進める中、反政府武装勢力タリバンが攻勢を強め、15日までに34ある州都のうち9割余りにあたる31を支配下に置き、さらに、首都カブールに進攻しました。
地元メディアなどは、タリバンが中心部にある大統領府や政府庁舎を制圧したと伝えました。・・・
地元メディアなどは、タリバンが中心部にある大統領府や政府庁舎を制圧したと伝えました。・・・
こうした中、日本時間の16日朝早くになって、タリバンのナンバー・ツーのバラダル師がビデオ声明を出し、政府に対する勝利を宣言しました。
一方、ガニ大統領はアフガニスタンから出国し、政権が事実上崩壊しました。・・・
一方市内にある国際空港には、脱出を試みているとみられる人々が殺到しています。
15日から16日にかけて撮影された現地からの映像には、大勢の人が航空機が駐機している薄暗い滑走路の中を足早に進んでいく様子が確認できます。・・・
一方で、番組の司会者から1975年当時、ベトナム戦争でアメリカが支援する南ベトナムの首都サイゴンが陥落したときの状況に似ていると指摘される・・・
2番目の写真は南ベトナムの首都サイゴンが陥落後です。アメリカ軍の撤収作業で邪魔になったヘリコプターを海へ投げ捨てている様子です。
さてタリバンとは何でしょう。記事の続きを転載いたします。
・・・タリバンは旧ソビエト軍撤退後の内戦で国内が疲弊していたさなかの1994年にアフガニスタン南部で結成されました。
タリバンとはイスラム教を学ぶ「神学生」という意味で、隣国パキスタンのイスラム神学校で教育を受けた学生たちが「真のイスラム国家の樹立」を掲げて結成しました。
勢力を急速に拡大しながら、2年後の1996年には首都カブールを制圧して政権を樹立し、国土のほとんどを支配下に置きました。イスラム教を極端に厳しく解釈した政策をとり、女性の就労や教育を制限したほか2001年には「偶像崇拝はイスラム教の教えに反する」として世界的な仏教遺跡であるバーミヤンの大仏を爆破し、国際的な批判を浴びました。
3番目の写真は戦線に向かうタリバン兵です。
2001年のアメリカ同時多発テロ事件では首謀者である国際テロ組織アルカイダのオサマ・ビンラディン容疑者の身柄の引き渡しを拒否したため、アメリカ軍などがアフガニスタンへの軍事作戦に踏み切り、タリバン政権は崩壊しました。
その後、アメリカ側は2011年にビンラディン容疑者を殺害したことや戦費の削減を求めるアメリカ議会などの声を受け、段階的に現地の部隊の規模縮小を進めます。・・・
アメリカ軍の撤退に伴って現地の治安情勢は急速に悪化しており、撤退を急ぐバイデン政権の対応に懸念の声が上がっています。
アメリカのブリンケン国務長官は15日、アメリカ・ABCテレビとのインタビューで、首都カブールにあるアメリカ大使館の職員を市内にある国際空港へ移動させていることを明らかにしました。・・・
アフガニスタンの情勢が緊迫化する中、日本政府は現地の大使館職員を国外に退避させることになりました。事態の急速な悪化を踏まえ、ほかの日本人とともに、アメリカ政府が使用している航空機での退避も検討しています。
こうした状況を受けて、日本政府は現地の大使館職員10数人を国外に退避させることを決め、職員らはすでに大使館などを離れたということです。・・・
以上のように現在アフガニスタンの情勢は緊迫しています。
アメリカのテレビは1975年のベトナムでのサイゴン陥落とアメリカ軍の敗走の映像を繰り返し放映しています。そして今回のアフガンでの敗戦のニュースを放映しています。
アメリカ人は今回の敗北でベトナムの屈辱を再び味わっているのです。
アメリカがアフガンを見捨てたのは中国に対抗して軍事力を太平洋へ集中しているからと言われています。
4番目の写真はノーベル平和賞の受賞者でパキスタン出身のマララ・ユスフザイさん です。
ユサフザイさんは15日にTwitterを更新し、「私たちは、タリバンがアフガニスタンを掌握するのを大きなショックをもって見ています。女性やマイノリティ、人権活動家の方々のことをとても心配しています」とコメントしました。彼女は 2012年にパキスタンのイスラム武装勢力「パキスタン・タリバン運動(TTP)」から銃撃を受けたのです。その後はイギリスに移り、2014年にノーベル平和賞を受賞したのです。
現在アフガニスタンの情勢は緊迫しています。日本のマスコミはこの重大なニュースをあまり詳しく報道していません。アフガニスタンが平和になるように祈ります。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)