アフガニスタンは1979年にソ連が侵攻して以来、内戦が続き、治安が悪い状態が続いていました。そしてソ連の撤退後、アメリカは2001年に占領し今年の8月31日に完全撤収しました。
アフガニスタンは美しい国だったのですが戦乱の悲劇が1979年以来40年間続いたのです。
しかし美しい国だった風景は現在でも農村には残っています。
その一方、アメリカの装甲車を使い武力行使をするタリバン軍の姿やアメリカ軍の撤収の際のカブール空港の混乱はアフガニスタンの悲劇です。
今日はこのアフガニスタンの美しい農村風景と武力行使をするタリバン軍やカブール空港の混乱の様子を写真で対比させながら示します。農村風景の写真の出典は写真家の三井昌志氏の写真集、「アフガニスタンは美しい国だった」です。三井昌志氏はアジア諸国の美しい写真を多発表している写真家です。
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示した7枚の写真はアフガニスタンの平和で幸せな人々とタリバンの恐怖と国外へ逃げようとしている人々の悲劇を雄弁にものがっています。
私の余計な注釈は不要です。代わりに三井昌志氏の文章の抜粋を以下にお送り致します。
・・・アフガニスタンに行きたいと思い始めたのは、しばらく前のことである。あるアメリカ人の写真家が撮ったアフガン人のポートレート写真を初めて見たときに、強く惹きつけられるものを感じたのが、そもそものきっかけだった。
特に印象的だったのは人々の顔つきの違いだった。青い目と彫りの深い顔を持つインド・ヨーロッパ系の人もいれば、日本人とよく似た浅黒くて平べったい顔のモンゴル系の人もいた。アフガニスタンは多種多様な民族と言語と文化が入り交じった国なのだということが、その写真からはっきりと伝わってきたのだった。
2004年5月の時点で、一般人がアフガニスタンを旅行するのは決して奨励されない行為だった。いくら内戦が終結したといっても、ついこの間まで戦争をやっていた不安定な国であることは確かだったし、当然のことながら旅行に関する情報は皆無に等しかったからだ。
・・・
山脈と青空の美しさに、僕は一瞬にして目を奪われてしまったのだ。「目の覚めるような風景」というのは、きっとこういう眺めのことを言うのだろうと思った。
万年雪を頂いたヒンドゥークシュ山脈の稜線は、まるで広告用の写真から切り取られたようにシャープだった。その山の頂から流れてくる小川は、下流の麦畑を潤し、鮮やかな緑の絨毯を作り出している。草原には無数のタンポポや菜の花が咲き、その近くで羊の群が黙々と草を食んでいる。頭にターバンを分厚く巻いた老人が、ロバにまたがって草原を横切っていく。畑には赤や水色の派手なショールを頭に被った女達が、顔を隠すようにして働いている。
そこにあるもの全てが美しく印象的だったけれど、何よりも僕の心を捉えたのは空の青さだった。・・・以下省略します。
アフガニスタンの悲劇はソ連とアメリカの勢力争いに巻き込まれたことです。そしてアフガニスタンの独立のためにタリバン兵が国中で武力を行使したことです。この戦乱の悲劇が終わろうとしています。やがて出来るタリバン政権が国民にとって過酷な政策を実行しなうように祈るばかりです。そして国外へ逃れた多数の難民の苦難に心を寄せ、少しでも幸せになるように祈ります。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)