アメリカの20年間にわたるアフガニスタンのタリバンとの戦争が終わりました。戦費6兆円でアメリカ兵の死傷者10万人でした。これは21世紀の世界の歴史の大きな変換です。
そこで今日は何故この20年もの長期戦争が起きたかを振り返って見ようと思います。
このアメリカとアフガニスタンのタリバンとの戦争の原因は2001年9月11日のイスラム過激派が起こした同時多発テロでした。
アメリカ人は9・11同時多発テロを絶対に忘れません。毎年9月11日に大統領が出席して追悼式が挙行されているのです。
ここで2001年の9月11日に起きた同時多発テロ事件を振り返ってみましょう。
1番目の写真は貿易センタービルへ2機目の大型旅客機が今まさに突っ込もうとしている場面です。
ワールドトレードセンター(WTC)へのテロ攻撃による死者は合計で2763人でした。その内訳は、事件当時WTCに居た民間人が2192人、消防士が343人、警察官が71人、ハイジャックされた旅客機の乗員・乗客が147人、ハイジャック犯のテロリストが10人です。ハイジャックされた旅客機はアメリカン航空11便とユナイテッド航空175便でした。
この他に、ワシントンの傍にある国防総省本庁舎(ペンタゴン)に突入した現場ではアメリカン航空77便の乗客・乗員全員が死亡したほか、ペンタゴンに居た125人の国防総省職員(民間人70人、軍関係者55人)が死亡し、106人が重傷を負ったのです。
そしてユナイテッド航空93便はペンシルベニア州ピッツバーグ郊外シャンクスヴィルに墜落し、乗客37名(日本人1名を含む)(乗客37名中4人はテロリスト)・乗員7名の全員が死亡しました。
2番目の写真はこの事件が起きて10年目の2011年に犯人、オサマ・ビンラディンが暗殺されたニュースを見つめておるオバマ大統領と政府の高官たちです。オサマ・ビンラディンはパキスタンの邸宅で寝ているところをアメリカ軍の特殊部隊によって射殺されたのです。
またピッツバーグ郊外シャンクスヴィルの墜落現場には慰霊碑が建てられ慰霊祭が行われました。
3番目の写真は今回のシャンクスヴィルの墜落現場での慰霊祭で涙をぬぐう軍人の姿です。
4番目の写真はシャンクスヴィルの墜落現場で膝まづいて死者の冥福を祈るアメリカ兵の写真です。
この9・11同時多発テロの起きた原因は何でしょうか?
原因を分析した資料は沢山ありますが、これと言って明確な一つの原因があるわけではありません。
戦後、アメリカが常にイスラエル側に立ち4回もの中東戦争でイスラエルを支援したことや湾岸戦争なども原因だと指摘されています。要するにアメリカは常にイスラム教の国々の敵だったのです。
この9・11同時多発テロの後、アメリカはアフガニスタンを占領しイラク戦争があったのです。アフガニスタンではこの後20年間のタリバンとの戦争が続いたのです。
9・11同時多発テロは正しく世界の歴史の屈曲点だったのです。
5番目の写真は軍用機でタリバンの拠点があるアフガニスタン北部の都市マザーリシャリーフを目指す米軍兵です。Photo: Damon Winter / The New York Times
6番目の写真は戦場で戦っているアメリカ軍です。
7番目の写真は今年の8月アメリカ軍が敗北にカブール空港から撤収する様子です。米軍輸送機に乗り込もうと多くのアフガン人も押し寄せました。(16日、カブール)=AP
こうしてアメリカが戦費6兆円を使いアメリカ兵死傷者10万人をだした20年のアフガニスタン戦争が完全に終わったのです。これは1976年のベトナム戦争でのアメリカの敗北につぐ敗北でした。
これで世界は急成長している大国の中国とアメリカ超大国の対立時代へと歴史が変換したのです。日本は中国とアメリカの両国と深い関係があります。難しい時代になったのです。
今日はアメリカの20年間にわたるアフガニスタンのタリバンとの戦争を総括してみました。この戦争は戦費6兆円で、アメリカ兵の死傷者は10万人でした。これは21世紀の世界の歴史の大きな変換です。日本にとっては難しい時代になったのです。
それはそれとして、
今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)